種々の方法で惨事に応じることが可能

クラブ、地区、複合地区が、緊急事態に応じて災害援助を行う方法はいろいろある。
援助金を交付して災害援助にあたるクラブも幾つかある。例えばテキサス州のサン
アントニオ・ファウンタ−ズ・ライオンズ(2−A2地区)は、何年間か、災害援助プラン
を設けており、各年度初めにその年のプラン
を組む。災害援助委員長が、各委員会
メンバーに任務を割当て、どのような惨事が起こった時に救援活動をするか指定する。
同クラブによると、惨事の種類が指定されたからといって、そのような災害の救援活
動だけしかしない訳ではない。他の事態のためにも、融通性を持たせている。

援助の要請があったり、惨事の知らせがあった場合には、災害援助委員長が慈善委
員長に通知し、慈善委員長がクラブ理事会に知らせて資金援助の決断を下してもらう。

似たようなプランを設けている地区も幾つかある。しかし、4−L3地区(カリフォルニア州)
が設けて
いるように、もっと総括的なプランを設けている地区もある。これらの地区は、
災害援助に関する訓練を受けたり、惨事が起きた時に災害援助組織と一緒に(ライオン
ズとして)仕事をしたりして、前もっせ知織を備えておくことをクラブや会員に勧めている。

アメリカの4一複合地区(カリフォルニア州とネバダ州)は、正式な決議を通して、災害前
の訓練の必
要性を認織している複合地区の一つである。この決議は、1995年6月3日に
同複合地区において満場
一致で可決された。これは、他の複合地区の参考として、本
手引の付録に載っている。

世界の地域によっては、政府の規定で、災害対応プランを設けなければならない場合も
ある。例えばアメリカでは、州政府や連邦政府の補助金を受けるためには、その市町村で
災害対応プランを設けていることが法律で決まっている。アメリカのどの郡政府も、そのよ
うなプランを持っている。プランは、数多くの機関を関係させる数千ページの文書かもしれ
ないが、その中核には、それぞれ責任者の権限のつながりが明確に定められている。

どの町でも、市長など指定された一人の役人が惨事に対応するための全般的責任を持つ
が、地元消防者長が実際に活動の統制と監督をする揚合が普通である。従って、自分たち
の地域の政府機構を学んでおき、ライオンズクラブや会員がボランティアとして協力するこ
とを申し出ておくべきである。クラブがもし、(年齢、障害、経験不足などのため)ボランティア
を提供できない場合には、災害援助の基金を設けることも考える。

アメリカでは、緊急状態が「大きな損害、負傷、あるいは死をもたらしたり、その危険をもた
らす」か、市に対して「経済的困難」をもたらした場合、市長は「緊急状態」を宣言し、外部か
らの援助を要請することができる.市長はまず、知事に援助を要請し、知事は大統領に援助
を要請することができる。連邦政府には緊急事態管理局(FEMA)があり、正式には、この管
理局が種々要請を
受け付けて適切な措置を大統領に勧告する。しかし実際には、もっと非
公式な方法で行われる。悪いニュースは早く広まるので、知事や大統領は大抵、正式な
要請を受け取る前に被害の様子について既に報告を受けている。マスコミも積極的に惨事
を報道するので、援助の要請が出る前に、種々援助が注ぎ込まれる。このように、自分たち
の地域に惨事が起こった時には、ライオンズクラブやクラブ会員たちが、資金援助をしたり、
労力を提供して援助にあたることができる。例えば洪水が出た時には、砂袋を作る手伝い
をしたり、破壊された施設などの再建に努めることができる。

ヨーロッパでは欧州共同体が、1992年に、ECHO(欧州共同体の人道主義事務局)を通して
人道主義
的援助の管理と統制を中央化した。この事務局の目的は、天然又は人為的な惨事
の被災者に援助を施すことである。援助の対象となるカテゴリーが設けられ、それは、一般的
な人道主義的援助、緊急人道主義的援助、緊急食料供給、避難民など路頭に迷う人の援助、
緊急事態の予防と同車態に備えることなどがある。「危険率の高い」地域では、欧州連合と
国連との協力が奨励される。

国際的には、国際連合ブルー・ヘルメットが、世界の平和維持者である。プル、・ヘルメットに
ボランティア援助を提供したいと願ったアルゼンチンは、ボランティア・ネットワークを推薦し、
それが「ホワイトヘルメット」と知られるようになった。特定の災害援助の訓練を受けたアルゼン
チンの代表者が、特定の惨事が起こった時にポランティアとして労力を提供している。

各種宗派の教会も、災害援助のプランを設けている。それらの宗派に属するライオンズは、
自分たちの教会に協力して、緊急援助活動をしている。

総統的な災害援助プランを設けている人道主義的機関も多くある。最も良く知られているもの
には、赤十字社と赤十字協会、救世軍、国境なき医師団、スイス災害援助部隊がある。地元
では、消防者が緊急事態に応じることに責任を持っている場合が多い.

イタリア北部のライオンズクラブの多くは、イタリア退役軍人アルペン協会と協力している。この
協会は、最初アルプス山脈地帯マ1880年代に編成された特別歩兵連隊であるアルペン軍隊
の退役軍
人をメンバーとしている。そのモットーは、「死者を思って生存者を助ける」である。

イタリア全域に120の事務局と機関を設置しており、4,225のグループと342,056人のメンバ一
が活
動をしている。第二次世界大戦以来は、州や国の政府と協力して社会奉仕を施すことに
的を絞って、天災が起こった際に救援活動を行っている。そのような努力で、同協会は巡回病院
を設けることに資金を出すことができた。この病院には、被災地を援助するのに必要な備品が
すべて備わっており、これを数日間に飛行機で送ることができる。

このグループが関係した例は、1980年代にイタリア東部で起こった地震、バルテリナでの地崩れ、
ビードモント地帯での洪水の救済事業などである。1990年代の主な活動は、地震に襲われた
アルメ
ニアのトルコ人地帯の住民を援助することである。

このグループに協力したいライオンズは、108−IA地区のライオンズに連絡する。