第二段階 能力と危険の分析

直面しそうな危険や問題について情報を集め、会員がそのような事態
に対処する能力があるかについての情報も集める。

 A.ボランティア集め
  どのライオンズクラブにも、地区人道主義タスクフオースのための
  ボランティアになれる人がいる。人道主義タスクフオース委員会は、
  20人から30人の有資格のポランティをリス
トにしておく。それぞれの
  資格や、いつでも出動できるかなどについて、各ボランティアを慎重
  に選ぷ必要がある。ライオンズ・ボランティアには、医者、看護人、技師、
  栄養士、カウンセラー、その他保健、コミュニケーション、教育、環境な
  どの分野の専門家などがいるだろう。災害援助に従事した経験のある 
  ライオンズは、特に好ましい。緊急事態に応じて労力を提供できることが、
  特に重要である。真剣に献身の意を固めることが非常に大事なので、 
  申込用紙には、どの位時間を費やす必要があるかということも、応募資
  格の外にはっきりと明記しておくと良い。応募者の中からボランティアを
  選ぶ場合、申込用紙を使って審査する。特にストレスの多い環境で肉体
  労働をすることになるので、協力したいという善意があるだけでは、実際
  にボランティアになれる訳ではないことを、応募者に良く分かってもらうよう
  にする。申込用紙には、必要な技能、専門知識、費やすべき時間を、具
  体的に記入し、その条件を満たした人だけを受け入れる。この規則は、時
  間的にも地理的にも自分たちのクラブから速い所で働く場合には、特に重
  要である。その場合には、被災地の言葉や文化の知識など、その地域特
  定の問題に関する特技を備えているライオンズだけがボランティアになる
  べきである。(付録Bには申込み用紙見本が掲載されている)

  B.訓練

  優れた技能の重要性は、強調しても強調しきれない。ライオンズ人道主義
  タスクフオース・ボランティアは、避難所管埋、コミュニケーション、緊急援助、
  被害評価、大衆治療、人材や資材調達の手配などの分野で専門的訓練を
  受けるよう、極力努めるべきである。赤十字社や、国又は国際的な災害援助
  機関が、そのような訓練を提供してくれる。(付録Cには、4−L3地区がボラン
  ティアに専門的訓練を受けることを促すパンフレットの見本が載っ
ている)

   国際赤十字社は、基本的、中級、上級の講習会を行っている。更に、特定
   のグループに対する専門的訓練なども行っている。赤十字社は、模擬訓練
   を行うことも奨励している。救世軍などの組織は、自分たちの関係者を赤十
   字社に送って訓練を受けさせている。
   このような訓練を受けたいライオンズは、地元の赤十字社支部に連絡する。
   少なくとも、災害援助サービスの基礎を学ぶ必要がある。赤十字社は又、
   ボランティアが標準応急手当や心肺蘇生術の免許を取ることを奨励している。
   例えばカリフォルニア州のある郡では、市政府の緊急事態対応チームに参加
   するためには、17時間半の訓練を条件としている。


第三段階プラン開発

 計画を立てるにあたり最初にすることは、協力の的を示すために使命声明文を作る
 ことである。協力の程度は、(前記のサンアントニオ・ファウンダーズ・クラブのように)
 資金援助だけの場合もあるし、資金の外に、労力を提供する場合もある。この声明
 文には、目的と、その達成のための機構がはっきりと記されていなければならない。

  A.統制

   プラン開発の際には、他の災害援助組織と協力することの可能性を考慮する。
   どの地域にも、災害援助に関係する組織が幾つかある。これは、政府の機関、
   国連機関、赤十字、赤い三日月、救世軍、宗教団体、国境なき医師団、スイス
   災害援助団などである。ライオンズは、他の組織の活動との統制を図るべきで
   ある。

   アメリカには、26種のボランティア機関がお互いの努力を統制するためのNOVAD
   (全国災害
害援助ボランティア組織)という組織がある。NOVADに属していること
   の大きな利点は、
個々の組織別ではなく、一つの全国的なグループと直接に協力
   できることである。

   NOVADの支局はVOAD(災害援助ボランティア組織)と呼ばれ、幾つかの地域に
   存在してい
る。災害援助に経験のある組織と一緒に仕事をしたいアメリカのライオ
   ンズクラブは、VOADに連絡すると良い。

   救世軍は、巡回食堂車を持っており、被災者のために数時間内に水と温かい食べ
   物を運んでくれるし、人材も提供してくれる。赤十字社も、毛布、缶詰の食品、避難
   所や衣服の引換券な・どを直ちに配布できるよう、場所によっては、24時間以内に
   動員される。赤十字社
は医療品も備えており、要請があれば医療団も派遣できる。

   1995年以前には、各援助機関との間でお互いに同意した標準の手順が設けられて
   いなかっ
た。1994年には、70種類以上の援助機関がルワンダに即刻駆けつけた。
   すべての機関が必
ずしも災害援助の専門家ではなかったが、CNNや地元のテレビな
   どマスコミに自分たちの
組織の名や紋章が現れて良いPRになることは、非常に魅力
   的だったのである。マスコミの
報道が止まったら、ルワンダの事情はほとんど改善され 
   ていなかったが、これらの機関は去って行った。要するに1995年以前の一般的考えは、
   「被災者を助けるためなら、どんな
活動でもよい」というものだった。

   しかし1995年には、赤十字社と赤い三日月の国際連盟が各機関のために活動基準
   を設け、
援助活動に関係する機関に同意の著名を求めた。これには10項目あり、参加
   する期間に次
のようなことを約束させる.つまり、人種や信条又は国籍に関係なく援助
   を施すこと、政治的又は宗教的の目的推進に助力するための援助はしないこと、政府
   方針の推奨者にならないこと、住民を支える地元の能力を強化すること、資金の提供者
   と受領者の両方に村して責任を持って資金を使うこと、である。

  B 資金調達

   クラブ…災害援助基金。クラブのレベルで集めて、地元の災害援助に使うか、地区
   又は複合地区、あるいは国際災害援助のために提供する資金である。

   地区…地区災害援助基金。どの資金も受け取り次第、災害援助委員会に渡すことが
   大切であり、これを必要な時にはいつでも使えるよう、預金しておくことが大事である。
   お金は、寄贈されなかった必要品を買うために使えるので一番大切である。災害が
   起こったことを地区内のどのクラブにも知らせ、被災地のために資金獲得運動をする
   よう各クラブを奨励する。

   複合地区・・・複合地区災害援助基金。ボランティア・タスクフォース(一地区につき20人)
    の活
動をサポートするための資金が含まれる。

   LCIF・・・緊急援助及び大災害援助のための交付金が用意されている。

.保険関係

一般責任保険

  ライオンズクラブ国際協会の保険では、法的責任が問われる事故の結果、ライオンズ
  ではなくボランティアでない人が負傷した湯合、1件につきUS$100万までの賠償金が
  支払わ
れ、年間の合計額はUS事200万である。1件の事故とは、同じ事業で10人か20
  人の人が負傷
した場合かもしれない。例えば、ライオンズが立てたテントが崩れて20人
  の非ライオンズ
が負傷したとすると、ライオンズが責任を問われる事故は1件とみなさ
  れる。


  ライオンズとボランティアの負傷に関しては、他のライオンズ会員、クラブ、地区、ある
  いは協会に法的責任があったことを立証した場合、賠償金は1件につきUS$100万まで
  であ
る。

除外事項

 ● 医師、看護人、あるいは専門技師であるライオンズ又はボランティアの医療過誤

 ● ライオンズが所有又は責任を持つ資産の損害に対する責任

 ● 航空機又は水上機の使用又は維持が原因で問われる責任

 ● 自動車やトラックなどの所有者及び運転者に対する責任、並びにそのような車の
   損害に対する責任