第四段階 プラン実施

緊急援助プランの実施は、政府のの規定に左右されることもあり得る。その規定
に従うため、緊急事態管理に関して特定の機能を果たさなければならないかもし
れない。それぞれの政府機関に問合せるべきである。

ライオンズ人道主義タスクフオースを実施することは、単にこの観念に同意するだ
けのことではない。それは、勧告に従って行動を起こし、プランを会員たちの全般的
活動に組入れ、事業実施の資金を調達し、時折このプランを評価することである。
実施に関して一番簡単な方法は、自分の地域で惨事が起ころうと地区や複合地区
で起ころうと、災害援助のために資金を集めることである。

幾つかのクラブや地区にとっては、災害問題に対処することは災害援助委員会を
任命して、人材や資源の有無などを評価することである。クラブ・レベル以上の場合
には、ゾーン、リジョン、地区の役員と常に協力するべきである。

 A.寄贈された物品の収集

   ライオンズは資金を集める外に、食品、医薬品、衣類なども集めることができる。
  被災地の近くで事業を行っている場合には、その被災地内又はすぐ近くのライオ
  ンズ収集センターに、物資が届くよう計らう。災害地から離れた所で集めた場合に
  は、具体的に必要な物資だけが、被災地内の収集センターに届けられるよう、地区
  委員長に連絡して適切な手配をするべきである。

  食品は密封されたもので、内容が表示されていなければならない。医薬品や衝生
  用品も、密封されて内容が表示されていなければならない。衣類や寝具は、汚れて
  おらず、きちんと修理されていなければならない。

 B.タスクフオース・メンバー提供

  ボランティアとして協力したい人の住所氏名と電話番号がすぐに分かるように手配
  しておく。これらのボランティアは、特定の分野の技能を持っており、災害援助の訓
  練を受けた人でなければならない。ポランティア活動をする地域が自分たちの地域
  よりも遠ければ遠いほど、この訓練はますます重要になる.例えば、地元に洪水が
  起こったので砂袋を作ることと、複雑な問題になり兼ねない避難民を援助すること
  とは、かなり違う。

  クラブや地区は、ボランティアの住所氏名、電静番号、技能のデータベースを常に
  用意しておくべきである。必要に応じて、この人たちの情報を担当のチームに渡す。
  自分の地域のライオンズが次のレベルで働きたい場合、その人たちに申込書を記
  入しておいてもらうと、その手続は簡単である。クラブ委員長は、それらライオンズに
  関して、申込書に記入きれている情報を伝達するだけで良い。地区委員長は同じ 
  ように、複合地区の委員会に情報を伝える。

  主に、災害援助に必要とされる技能の持主とは次のような人である。医者、看護人、
  献眼医、会計士、トラックの運転手、技師、獣医、警察官、消防士、医療補助員、その
  他保健、栄養、教育、通信、環境などの分野の専門家である。

  ライオンズ・ボランティア申込み用紙については、付録のBを参照する。



C.災害援助事業評価

1.地区又は地域社会の被災者の援助が完了し、すべての用紙や報告書を担当の
  委員会に提
出したら、事業の成果を検討し、評価するべきである。

2.評価の結果、次のような成果が出るべきである。

 a.参加者が惨事における自分たちの役割を更に深く理解する。

 b.主な問題を一つずつ見極め、個人の問題に焦点を合わせる。

  c.運営上又は手続上の問題を解決する。

  d.以前気がつかなかった問題を発見する。

  e.お互いに話し合えば、問題は解決できることを認識する。

3.気になること、提案事項、解決案につき、各グループが簡単な報告書を提出
   する。

  a.この報告書を利用するのは、災害援助事業に参加した人たちである。 

  b.このような報告書は、問題、解決案、勧められる活動などについて正確で
    完全な記
録を含んでいなければならない。

D.長期的に必要なこと

 惨事が過ぎた後にも、資金獲得運動や奉仕事業を通して応じられるニーズがある。
 具体的に何が必要で、どの位の期間必要かは、いろいろ異なる。災害地に一番近
 いライオンズクラブが、そのようなニーズに.応えることが勧められる。


E.ライオンズの努力を認める

  国連に対するアルゼンチンの提案で、ボランティアの価値が(白いヘルメットという
  名で)認められたように、ライオンズの努力も認めてもらうべきである。カリフォルニア
  州とネバダ州のライオンズは、「災害援助をするライオンズ」という腕章を付けて活
  動する。惨事が起こった時には、ライオンズPR委員長が大いに活躍する必要があ
  る。クラブ・レベルで
は、毎日写真撮り、被災者援助にライオンズが何をしているか
  マスコミに報告する。地区PR委員長は、地元のクラブPR委員長から新開発表用
  記事を送ってもらい、これをマスコ
ミに送る。ライオンズが人道主義的援助を施して
  いる場合はどのレベルでも、同じような原理でライオンズの活動を広報するべきである。

その他の考慮事項

A.アマチュア無線家

アマチュア無線交信は、天災が起こった際、主な連絡法である。無線家のライオンズ
は、緊急連絡網を設けることができる。アマチュア無線家は、 電気、電話、鉄道や車の
交通などが中断された時、緊急に必要な援助は 何か、援助を必要とする地域はどこか
などを識別することができる。

国際本部では、電波によるライオン狩コンテストに参加したライオンズ・アマチュア無線
家の交信記号のリストを保管している。このコンテストでは、ライオンズと非ライオンズの
無線家が、コミュニケーションの向上を強調しながら電波を通して新しい友人を作ってい
る。このような交信は、大災害が起こった時には不可欠である。ライオンズ人道主義タス
クフォースに協力したいライオンズで、アマチュア無線家の人は、国際本部のプログラム
企画課に連絡して、ライオンズ・アマチュア無線家のリストを取り寄せると良い。

. 緊急医療記録

幾つかの国のライオンズは過去何年聞か、メディックアラートという組織と協力関係を結
んでいる。この組織は、特定の健康問題を持つ人の記録を維持しており、健康問題を持つ
人はその問題を記したブレスレットを手首に着けている。種々健康問題の記録を維持する
方法は、外にも幾つかある。

このような記録は、緊急事態に人力を避難させたり負傷者を手当する際などに役立つの
で、この事項がここに載っている.ライオンズのボランティアは、保健の訓練に参加する
際にこのような制度について学ぶことができる。