2015.12.11 (金曜日)

『 十二月後半の開花状況 』

順調に開花して、量も安定してくる。ドラムビート(トライアンフ)と、ハワイ

アンホーナーの自然物が咲いてくる。グランデとエベレットも開花量が増

えてくる。抑制崩れのフィニー系も咲いてくる。白系は冬咲き系が本格的

に咲いて、品質は抜群。10月狙いだった、抑制から冷房短日処理と、

ふた手間かけたムーンビーチが遅れていたが、今頃になって、まとまっ

て咲く。梅雨を感じさせる方法へ来年は転換する。


2015.11.28 (土曜日)

『 十二月前半の開花状況 』

抑制物のエベレットと梅雨での反応を回避したグランデが開花してくる。

冬の開花量は順調に推移しそうで、年末に向かうほど開花量は増えてく

る。



2015.11.12 (木曜日)

『 十一月後半の開花状況 』

目標通りの開花量には至らないが、増える方向に転じている。秋の欠品

対策に力を入れているので、もうひと頑張りというところ。気持ちが折れ

ないように、日々の栽培管理に集中する。結果を出すのに時間がかか

る仕事は、忍耐が成功の秘訣といえる。


2015.10.28 (水曜日)

『 十一月前半の開花状況 』

秋咲き系品種が開花遅れで、10月は少ない開花量で終わった。抑制

処理で、若い株は成熟株より効果が遅く、目標とした時期に照準が合わ

なかった。品種更新の難しさが開花コントロールの面でも現れた。自然

開花をさせないで、任意の時期に開花調節する栽培技術は安定供給に

は必須であり、大きな気象変化の影響をうけても、相対的に開花量を安

定させる効果がある。自然開花で市場があふれている中で、欠品を出

す状況もできてしまうが、逆に端境期には十分な供給ができることがあ

る。十年平均で安定性をみる観点が大事で、一時的な苦境で判断を誤

らない。十一月初旬は少ないが中旬から順調な開花が見込める。



2015.10.13 (火曜日)

『 十月後半の開花状況 』

エベレットが咲きだして、開花量は回復してくる。苗上がり株で2輪から3

輪咲きが多く、面積の割に量が切れないが、来年は4輪から5輪咲く株

に成長してきた。実生から選抜したメリクロン苗も初花が見られ、秋の

開花を安定させる品種更新が着実に進んでいる。十年単位になる育種

のスパンは消費状況と合致しない現実があり、経営難とのはざまで苦悩

している。花全般の消費が激減している社会状況を打開する方策は何

か。フラワーマネージメント、カネと流通の論理は卸売市場まで自滅の

方向へ導いた。花の文化を再生させる力は、花そのもの。美と癒し、人

間が生きる根源的な要素としての存在に気が付くことだ。良いものを作

る気概を奨励し、応分の対価で評価することだ。



2015.9.28 (月曜日)

『 十月前半の開花状況 』

短日処理した秋咲き系品種が咲きだして、量は回復に向かうが本格化

するのは後半になりそう。


2015.9.12 (土曜日)

『 九月後半の開花状況 』

順調な開花も、月末へ向かい減少してしまう。フィニーが終わり、促進物

エベレットへ切り替わるタイムラグができてしまった。今年は日照不足が

影響して開花遅れとなっている。夜間冷房とシェード処理のタイミングを

はかる実証実験は、データとして集積され、失敗経験も財産となる。




2015.8.27 (木曜日)

『 九月前半の開花状況 』

シェード物のフィニーが順調に咲く。促進物エベレットの残りもあり、多

い開花量になる。この時期の欠品対策がうまくいっている。開花コント

ロールの技術が向上した点と、苗上がり株が仕上がって、戦力となって

いることが大きい。この数年間のマイナス要因を克服してプラス成長へ

転じることができた。カトレヤ需要の減少局面に当たり、不運とも思える

が、洋蘭経営は栽培期間が五年以上かかる作物の特殊性ゆえ、時代

の変化にマッチしない場合がある。永年植物としての財産価値があるが

洋蘭の消費不況のなか、換金の難易度は高い。育種の費用はマイナス

要因のままだが、花色、花形のバラエティーを豊富にしてゆくことが復活

へつながると信じて取り組んでいる。


2015.8.12 (水曜日)

『八月後半の開花状況 』

フィニー系の抑制物が咲き、順調な開花が継続する。盆明けの端境期

を克服できた。スプリングベストはリップが弱く、光りやすい。イングリッド

のほうが優れている。エベレットの促進物もステムが伸びて正常に咲い

てくる。冷房効果は抜群で高品質を維持している。



2015.7.26 (日曜日)

『 八月前半の開花状況 』

順調な開花が継続する。今年の開花調節は短日処理と夜間冷房の組

み合わせが成功している。パソコンに集積した過去のコントロールデー

タの利用は、「感に頼る親の職人技」をしのぐレベルになった。フィニー

系の超抑制はより確実になった。秋咲系品種の促進処理も試作がうまく

いっているようで、予定した開花時期を狙う処理タイミングが計れるよう

になりそうだ。さらに来年は安定した開花体系を構築していけるだろう。

カトレヤの需要動向とは別次元で栽培技術の向上を目指す。




2015.7.12 (日曜日)

『 七月後半の開花状況 』

1号棟の電照物イングリッドが順調に開花する。梅雨空から一転、猛暑

日となり、昼は気化熱冷房、夜はヒートポンプ冷房をフル回転。抜群の

品質、夏はイングリッドが不動の女王。残念なのは品質評価より低価格

が標準値とされているマーケットの現状。費用対効果でみると放任栽培

の自然咲き品種に負けている。園芸人としてのプライドも傷つき、経営

能力に自信がなくなることがある。価格形成が正常になる時代はくるの

だろうか。自問自答しながら、職人気質を捨てられない自分に、負ける

なと自ら励ましている。



2015.6.27 (土曜日)  

『 七月前半の開花状況 』

イングリッド100パーセントで、多い開花量になる。エベレットの狂い咲

きは、蕾の状態のうちに摘まんで捨てた。夏のロス率を減らす品種とし

て、納品後の貯蔵性はイングリッドが優れ、花屋さんの利益にむすびつ

く。「カトレヤ」というブランドの代名詞とステイタスを備えた力のある花容

で咲き、一番好きな品種だ。品質より低価格を求められる時代でも、こ

だわって栽培している。カトレヤのイメージを傷つける品種は栽培しない

し、納品しない。一時的な利益を追求した低品質のカトレヤの流通は業

界の低迷に拍車をかける。洋蘭全体のブランド力の復活をかけた、栽

培技術の向上、出荷における選別の徹底、安定供給のための開花調

節技術の確立。基本的な栽培技術の上に販売戦略を構築する。目利き

の優れる花屋とのコラボレーション企画が経営を持続可能にする。良い

ものを作っていれば必ずパートナーは現れる。人間の生活に花と植物

は必須アイテムであるから再生の道は必ず開ける。



2015.6.12 (金曜日)

『 六月後半の開花状況 』

1号棟の抑制物イングリッドが開花して、量は安定してくる。古い株でワ

ンバルブしか伸びないが、厚肉、巨大輪で4から5輪は咲く。市場ニーズ

からいえば、過剰品質そのものだ。スプリングベストでも充分な品質で、

面積当たり収量も多く、株も小さく栽培しやすい。品種の切り替えに取り

組んでいるさ中で、不安定な開花状況に直面する期間がたび重なって

いる。長い安定期から代替わりする時期の試練であり、避けられない

コースといえる。経営的に窮地に追い込まれる年もできる。財産を食い

つぶしながら再生の夢を見ている。



2015.5.28(木曜日)

『 六月前半の開花状況 』

少ない開花量が続く。イングリッドが予定より遅れている。苗上がりの株

が仕上がらない影響が大きい。「育たないメリクロン変異」と思えるくらい

に戦力にならない。古い株からの採芽はリスクが高い。オリジナル株で

あってもウイルス濃度が高く、生育が悪い。若い実生からメリクロンした

株は、 CPの葉から数えて6番目のバルブで初花が咲き、7番バルブか

らはグングン太る。カトレヤは面積当たりの収益率が落ちている。マー

ケットの縮小と生産構造は連動して、存在価値のある農園のみが残る

時代に、漠然とした楽観が日々の仕事をささえている。栽培期間が長い

分、まったく先が見えないが、次の洋蘭ブームを夢見ている。



2015.5.14 (木曜日)

『 五月後半の開花状況 』

やや少な目な開花になる。シドニーが補強して大きな穴はあかない。イ

ングリッドしか栽培しないと、これから六月前半までが不安定な開花量

になりやすい。契約量ギリギリの線と過剰の交差する初夏を繰り返して

きた。年ごとの気象条件による自然開花期間とのからみで、開花コント

ロールの難しい期間だ。放任栽培で、咲いただけ売る農園の経費率と

周年開花の経費を同等な計算をされては、再生産はできない。安いも

のが価格の基準になる原理を超えるには、高くても欲しいものを作る、

価値が価格を超える花を作る、創作の原点を見つめなおすような、育種

に取り組んでいる。



2015.4.28 (火曜日)

『 五月前半の開花状況 』

イングリッドの電照物が順調に咲いて開花量は多い。白カトレヤも量が

増える。白は利益率が低いので栽培面積を減らしている。この冬は半

分も売れず、大量に捨てた。夏になると花命と販売期限の短さに苦しむ

ことになる。注文売り限定で経営する以上、廃棄量は覚悟で栽培してい

る。定価とブランドを維持するには競売は禁じ手、安売りで需要は伸び

ないことは証明された。装飾文化に占める花の割合が減少する中、華

道の復活を目指す取り組みが必要と感じる。小手先の販売戦略から脱

する機会が今ではないか。



2015.4.10 (金曜日)

『 四月後半の開花状況 』

3号棟のイングリッドが咲いてくる。シドニーも前進開花ぎみで多い開花

量になる。苗上がり株がようやく及第点の品質で咲くようになり戦力とし

て当てになる段階になった。品種更新の計画年度から二年遅れの達成

となった。当初の読みの甘さから、三年間も苦しい経営展開が続いた。

量的な回復と販売しきれる量のバランス調整が今後の課題となる。秋

の端境期に開花量をシフトする栽培体系を確立することが当面の目標

となる。


2015.3.27 (金曜日)

『 四月前半の開花状況 』

少ない開花量になる。フィニーの無処理区が咲き始めたが本格化する

のは後半から。冬咲き系品種との連携が難しい期間で、過剰になったり

不足したり、不安定になりやすい。三月の需要が見込めるようだと促進

電照でカバーできる期間だが、冬咲き品種とのダブりで余剰開花のリス

クが大きな時期でもある。なかなか完璧な開花コントロールはできない

が、精度を上げる方向性で考える。面積で解決する手法では経費率の

上昇で経営内容を圧迫する。下がった重油価格も2円値上げの68円に

なり、相場は上げ基調になっている。円安の影響で輸入バークも値上げ

になり、資材全般の価格も上がっている。消費不況の出口が見えない

状況でも、栽培実験と新商品の提案を続け、洋蘭の魅力を引き出す育

種に情熱をかたむける。




2015.3.10 (火曜日)

『 三月後半の開花状況 』

中旬までは多いが、月末には丁度よい量になりそう。ドラムビートは栽

培面積を減らしたが、冬の消費量が減っている影響で、無駄に咲かせ

た量があった。冬咲く品種の代表で、「 トライアンフ 」が最も大量に栽

培されている。メリクロン変異した株は小さい花しか咲かない。アメリカ

から輸入された初期の株からは巨大な花が咲く。合成植物ホルモンを

添加した培地で大量増殖した時代の遺産が栽培されている。本来の遺

伝的価値を残すため、再メリクロンに挑戦している。



2015.2.26 (木曜日)

『 三月前半の開花状況 』

多い開花量が続く。パメラフィニーがピークになり、ドラムビートも多い。

グランデは、肥料を少なくした栽培で二番バルブの発生が少なく開花は

終了してくる。品質は最高に咲いたが収量は低下した。「無駄に巨大に

咲かせている」。「花の大きさは要求されていない」。過剰品質よりコスト

カットによる低価格供給を要望されている。消費環境の理解が足らない

、職人気質より経営センスを磨け。天の声が聞こえる自分と、極めずに

はいられない自分がいる。




2015.2.10 (火曜日)

『 二月後半の開花状況 』

ドラムビートが一斉に咲きだして開花量は多い。セパルの蜜にバクテリ

アが繁殖して透ける状態から、溶ける症状に進みやすく、ロス率が高く

なる。他の品種は出ないので、ドラムビート特有の欠点といえる。若いう

ちに切り花すれば問題ないが、契約量を上回る開花量の時は捨ててい

る。白カトレヤも注文がなければ捨てている。市場競売とは違う経営の

特徴で、余剰のリスクはついて回る。苗の更新で欠品に苦しんだ期間か

ら、復活と挽回へ転じる予兆は見えてきた。



2015.1.29 (木曜日)

『 重油価格66円 』

ローサル油がシーズンスタート93円から66円まで下落した。11000

リッターの給油で、297000円の差額。しばらくは横ばいで60円台を推

移するとみられる。中東情勢は危機の中にあり、原油の上昇と供給不

安は去る気配はない。早めに満タンの状態にするよう心掛けている。



2015.1.27 (火曜日)

『 二月前半の開花状況 』

開花量は多くなる。一月の開花エリアが遅れていた分だけ後ずさりして

いる。予定した開花日より遅れている原因を考察すると、電照にLED球

を導入したこと、ヒートポンプ暖房主力に切り替えたことが大きな変更点

であり、要因になっているのだろうか。気象条件が主因なのか判断がで

きない。



2015.1.11 (日曜日)

『 一月後半の開花状況 』

グランデを中心に順調な開花が継続する。原油安でガソリン価格は下

がっているが、燃油の下げ幅はどうなのだろうか。昨年の最高値で満タ

ンにしたまま、エアコン主力で補助暖房のシステムに切り替えたばかり

だ。凡人では予想できない世界経済の変化に翻弄されるばかりだ。施

設園芸にとって苦難の時代は続く。花の需要は減少しているが、二極化

した商品構成になっていない点が他業種と違うと感じている。大衆化路

線、ホームユースを声高に叫んだ結果、高級花材が消滅してしまい、安

物のオンパレードになってしまった。職人技を軽視したローコスト花材の

みを強要するマーケットも、いずれ存続できなくなる。格差の時代に対応

した富裕層をターゲットにした高級花商品を開発することが経営再生の

カギになると考えている。



2015.1.3 (土曜日)

『 結果が出せる年へ 』

主力品種の若返りを目的にしたメリクロンは、イングリッドとエベレット

が開花株サイズになり、グランデが4号鉢へ、ドラムビートが3号鉢へ

あがり、アメリカから輸入した補完品種も4号サイズになった。実生か

ら選抜したオリジナル2個体は、3号鉢、2号鉢へあがり、4個体は今

年中にはフラスコが仕上がってくる。カトレヤは品種構成の再構築は確

実に進んでいる。開花量も結果が出る年になる。パフィオは栽培面積の

拡大と育種への挑戦で新しい花材として提案できるよう、さまざまな交

配を試みる。


『 一月前半の開花状況 』

寒波の影響で開花速度が遅いが、順調な開花が見込める。グランデと

トライアンフが主力で咲き、若い株のエベレットが補強する。