2016.12.13 (火曜日)


『 十二月後半の開花状況 』


遅れていたエベレットを主軸にハウザーマン系の順調な開花が継続する。


国産の選抜個体である、ストラスフェアの「エデン」はフィニーのヨークに似


た美しい花を咲かせる。株が大型になる欠点はパメラフィニーやタイチャン


ビューティーと同じ。面積当たりの収量はフィニー系と変わらない。現状の


低価格ではドラムビート系のように株が素直で開花輪数の多い種類が営


利性において優位となる。品質が優先する洋蘭業界への回帰をあきらめ


ない、ファイトを持ち続けていたい。



2016.11.27 (日曜日)


『 十二月前半の開花状況 』


開花量は増える方向になるが、満足できる段階に達するのは後半からに


なりそう。昼の晴天日が極端に少なく、開花スピードが遅い。歳には勝てな


いと思い、インフルエンザの予防接種をした。カトレヤの繁忙期に寝込まな


い対策、冬の開花面積は多く、仕事が集中する季節となる。




2016.11.15 (火曜日)


『 十一月後半の開花状況 』


相変わらず二輪から三輪開花の株が多く、量は増えてこない。エベレット


が順調に咲く十二月まで少ない開花が続く。冷え込みもあり、短日期間の


影響で蕾から咲くまでの日数が長い。フィニー系の植え替え作業で繁忙な


毎日と、欠品のストレスか、咳風邪をひきこみ、先週は寝込んだ。




2016.10.30 (日曜日)


『 十一月前半の開花状況 』


開花面積の割合に量が切れていない状況を引きずっている。蕾が透けて


見える段階にあるので、もう一息といったところ。




2016.10.15 (土曜日)


『 十月後半の開花状況 』


ようやく順調な開花が見込める。積算日照時間の不足は開花量の減少に


もつながり、一鉢当たり、二輪から三輪開花の割合が多い。太陽光エネル


ギーなくして施設園芸は成り立たない。植物工場的な発想で栽培環境の整


備をするが、極端な天候不順には対応できない。洋蘭栽培も農業であるこ


とを実感する。本来、高コスト構造の洋蘭経営は低価格競争に耐えられな


い本質をもち、高単価、高品質を競うもの、時代の要請にあわない嗜好品


となってしまったのか。それでも、十年先、二十年先を見据え育種を継続


する意思に変わりはない。




2016.9.30 (金曜日)


『 10月前半の開花状況 』


電照抑制していたハウザーマン系の品種が咲きだす。九月の日照不足で


大幅に開花が遅れた。短日と低温の影響で年内開花の条件が揃うドラム


ビートは電照抑制を続けている。自然放置型の栽培法では開花量の増減


が激しくなる。開花コントロールの失敗と放任栽培の成功という年もある


が、栽培データの蓄積は将来への投資として意味をもつ。




2016.9.14 (水曜日)


『 九月後半の開花状況 』


秋咲き品種が開花してくる月末までは少ない、フィニー系に偏り過ぎた作


付が原因で、来年への課題ができた。冷房したエベレットは蕾の確認がで


きる。短日処理のスタート日を早めるようにする。



2016.8.27 (土曜日)


『 九月前半の開花状況 』


シェード物のフィニーが順調に咲き、安定した開花量が見込める。八月後


半の開花調整と九月前半の開花量のリレーが難しく、完璧に開花コント


ロールできた年はない。どちらかというと、過剰に開花させる場合が多く、


販売しきれないで捨てた記憶が深い。不足したのに安堵感がある。夏の


需要は少ない傾向にあり、余剰を咲かせない方向で作付している。




2016.8.13 (土曜日)


『 八月後半の開花状況 』


半減した開花量も月末には回復に向かう。シェード物のフィニーに切り替


わる難しい時期でもあり、過剰に咲かせたり、不足したり、安定しない期間


になりやすい。




2016.7.26 (火曜日)


『 八月前半の開花状況 』


電照抑制したフィニー系が順調に咲く。曇天が多い七月だった。積算日照


時間の不足が影響して開花遅れも予想されるが、八月からの高温で相殺


されて丁度良い開花量になるだろう。




2016.7.17 (日曜日)


『 七月後半の開花状況 』


イングリッドが主で、スプリングベストの苗上がり株が補充で咲いてくる。秋


咲き品種の抑制処理も完璧で、余剰開花量はなく、無駄のない栽培体系


になっている。



2016.6.29 (水曜日)


『 七月前半の開花状況 』


順調な開花が継続する。イングリッドと並列に栽培ベンチを構成するスプリ


ングベストのほうが、開花スイッチが早い。積算日照時間の多い、朝日の


当たるベンチと、夕日のさしている場所が早く咲き始まる。これから苗上が


りの若株がメインで開花チェーンを展開してくる。やっとここまでたどり着い


た。長い道のりの果てに待つ消費不況、永年作物の宿命を受け入れなが


ら、栽培と育種に励む「洋蘭道」の前途は多難を極めそうだ。金融バルブ


の経済と真逆な地道さに、人間のまっとうさを感じる。物を作ることで利益


が生まれる経済へ転換する時代がいつか来る。洋蘭を絶やしてはいけな


い、標語のような使命感から、仕事の面白さへ自然と変わるようになる。蘭


の魔力ともいえる不思議な力がやる気を支えている。蘭の本家イギリスの


混迷はどこへ向かうのだろう。ヨーロッパの挑戦は一歩前進二歩後退、、


EUは崩壊しない。金融政策から実体経済の再興へ舵を切る、歴史の節目


とみている。




2016.6.12 (日曜日)


『 六月後半の開花状況 』


イングリッドの電照物が順調に咲く。秋咲き系のバルブも充実してきたが


狂い咲きはなく、抑制は効いている。梅雨空が続かない場合の開花処理


を頭の中で構成する段階となり、シェード処理したイングリッドの開花期間


の後の構成をどうするか、秋咲き品種の冷房短日処理のタイミングを考え


ている。初秋に山を張る程の面積もないので、欠品のない安定開花を目


標に栽培体系を構築している。



2016.5.29 (日曜日)


『 六月前半の開花状況 』


無駄なく販売しきれる量で開花する。全体の栽培面積を減らしている中で


夏の開花面積を削って、秋から冬の面積を維持している。カトレヤからの


作目転換に挑戦するリスクは大きいが、夢を見る楽しさがある。現状維持


でいる精神的鬱屈からも開放される。



2016.5.14 (土曜日)


『 五月後半の開花状況 』


少な目の開花量が続くが、月末へ向かい増えてくる。イングリッド主力で夏


いっぱいをまかなう。巨大輪で面積当たり採花量が少なく、低単価では採


算が合わない品種になった。最強の営利品種だった地位を過剰品質との


そしりをうけている。芸術性からかけ離れたビジネス志向は留まるところを


知らない。カトレヤの復権はないかもしれない。将来不安の中で植え替え


作業にとりかかっている。




2016.4.27 (水曜日)


『 五月前半の開花状況 』


イングリッドの電照物が咲いて、自然開花エリアとうまくつながりそう。丁度


良い量で無駄なく販売しきれる。開花コントロールの精度が上がり、カトレ


ヤの栽培面積を減らしても、欠品のでない栽培体系が構築できてきた。新


規分野の開拓に必要なハウス面積の確保ができ、パフィオペディラム部門


の拡充に力を入れられる。親子二代で洋蘭業にたずさわる蘭園が、いま


の消費不況をどうのりこえて三代目へつなげるか、育種の継続性と種の保


存を誰がやれるのか、利益が出せないと継続できない。倒産のリスクと、


廃業覚悟の崖っぷちの挑戦をしている。




2016.4.16 (土曜日)


『 四月後半の開花状況 』


順調な開花が継続する。シドニーとイングリッドが開花コントロールの狙い


どおりに咲いている。白はシカゴが咲いている。熊本地震の被害は甚大の


ようで、災害列島日本であることを思い知らされる。火山国、地震国であり


ながら漫然と過ごしている日常がある。いつ起こるかわからない自然災害


に備えるとしても、食糧の備蓄しか思いつかない。いざという時、避難する


しかなく、命をまもることができれば良しとする。



2016.3.29 (火曜日)


『 四月前半の開花状況 』


フィニーの季節がはじまり、順調な開花が見込める。赤紫色のグランデの


色から桜色、淡いピンク色にハウスが染められる。兄弟種の中にはダーク


ビューティーのような濃色花もある。従妹種のドロシーフィンは赤紫色の花


で、春咲く系統の中では一番に濃色で咲く。葬儀需要の用途では、ストック


期間に耐える淡い色のイングリッドが最適だが、デザイン装飾の場合、濃


色花が引き立つようだ。カトレヤの場合、色の構成は品種を変えた開花コ


ントロールで実現は可能だが、これから夏に向かう期間は、花もちの短さ


と質感に不安があり、高いロス率に見合う、価格の上げが必要になる。



2016.3.11 (金曜日)


『 三月後半の開花状況 』


短期的に少ない開花量の期間ができるかもしれない。春咲き系品種の開


花と、うまくつながれば順調な開花が見込める。グランデが完全に終了、


ドラムビートの二番花が少し残るのみ、補完品種の開花も終わる。フィ


ニー系の自然開花がはじまるまで不安定な開花量になる。葬儀需要の減


少は死生観の変化にあるのだろうか、震災から五年、人間にとって花とは


何なんだろう、山や川、樹木、鳥や動物、豊かな自然を凝縮した造形美と


して、太古から人間を癒し、活性化してきた心の糧、大きな役割をもって存


在している。




2016.2.29 (月曜日)


『 三月前半の開花状況 』


順調な開花が継続する。ドラムビートの二番花が主でグランデも残ってい


る。遅れていたパメラフィニーとエデンが補完する。白も順調に咲く。




2016.2.12 (金曜日)


『 二月後半の開花状況 』


植え替え二年目で、満作の状態にあるグランデとドラムビートの二番花が


咲いて、多い開花量が続く。植え替え一年目の、パメラフィニーと苗上がり


のエデンはワンバルブしか咲かない。植え替えのサイクルは、二年毎にす


る方が良質な花を咲かせる。集合美を追求するには、芽かきをしないで三


年置くと大株になり、摘蕾をしないで大量に咲かせれば、蘭展へ出品でき


る株に仕立てられる。生産者が収量を激増させる方法も同じだが、一輪毎


の品質が落ちる。輪は小さく、弁質は薄く、花もちは短命になる。流通の主


流が高品質を求めないとしても、カトレヤ本来の豪華さと質感を提供し続


けるのが、生産者の本分と考えている。




2016.1.28 (木曜日)


『 二月前半の開花状況 』


順調な開花が続く。抑制処理したグランデとドラムビートが中心で、エベ


レットとエデン、パメラフィニーが補完する。開花コントロールが成功してい


て、一斉に咲いてしまう状況を回避できている。二月の開花量は多めな設


定で作付ている。需要の増加を期待している。



2016.1.12 (火曜日)


『 一月後半の開花状況 』


全体に開花遅れで、量はやや落ち着く。ドラムビートの二番花が遅れ気味


で、パメラフィニーは一番花から遅れている。エベレットの二番花が主力で


ムーンビーチが補完する。白は大量に咲く。



2016.1.1 (金曜日)


『 一月前半の開花状況 』


多い開花量が続く。ドラムビートとグランデが主力でムーンビーチが追い打


ちをかけて咲く。これから需要が増えても十分に対応できる。白も大量に


咲く。



『 重油価格が51円に 』


一年前の92円から下落、電気代より割安になった。エアコン設備は冷房


で生かす工夫をしないと過剰投資になってしまう。経費は上がり、売り上げ


は下がる状況のなかで、重油の占める割合は大きく、価格が下がったの


は経営的にプラスになる。中東危機は解決の道筋がつかめず混迷のま


ま、この先も価格の乱高下は覚悟してかからないといけない。売り上げを


伸ばすことが経営改善になり、経費の圧縮ばかりではモチベーションが維


持できない。良いものを作り続けることが存在のあかしであり、花のマー


ケットで支持される蘭園でありたい。