104_G 01 3歳0か月児のほとんどが到達している発達レベルはどれか。 a 丸を模写する。 b 一人で服を着る。 c 三語文を復唱する。 d スキップができる。 e 高い、低いがわかる。 02 薬物動態と薬力学理論とを考慮して抗菌薬を使う場合、1日投与総量を同じにした際、分割投与よりも単回投与が治療効果をあげるのはどれか。 a キノロン系薬 b ペニシリン系薬 c カルバぺネム系薬 d セファロスポリン系薬 e テトラサイクリン系薬 03 胸部大動脈から直接分枝する正常血管はどれか。 a 右総頸動脈 b 右鎖骨下動脈 c 右椎骨動脈 d 内胸動脈 e 気管支動脈 04 産科手術と合併症の組合せで正しいのはどれか。 a 帝王切開術-膀胱損傷 b 吸引分娩術-Erb麻痺 c 頸管鏠縮術-子宮穿孔 d 鉗子分娩術-臍帯脱出 e 骨盤位牽出術-帽状腱膜下血腫 05 社会的支援(social support)の効果で誤っているのはどれか。 a ADLの向上 b QOLの向上 c 死亡率の低下 d 機能障害の軽減 e 参加制約の軽減 06 上部消化管内視鏡写真(別冊No. 1)を別に示す。 内視鏡治療として最も適切なのはどれか。 a 凝固 b クリッピング c 硬化療法 d 切除 e レーザー 別冊 No. 1 07 因果関係を推論するときにエビデンスレベルが最も低いのはどれか。 a 症例研究 b 介入研究 c 症例対照研究 d コホー卜研究 e メタアナリシス 08 緩和ケアチームについて正しいのはどれか。2つ選べ。 a 遺族のケアも担当する。 b 心のケアの担当者が含まれる。 c 診断早期の患者は対象としない。 d 最終的な方針は医師が決定する。 e 病状を未告知の患者は対象としない。 09 Bellocqタンポンの留置部位(別冊No. 2①~⑤)を別に示す。 正しいのはどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 別冊 No. 2①~⑤ 10 体重減少を生じやすいのはどれか。2つ選べ。 a 脳梗塞 b うつ病 c 狭心症 d 膵癌 e ネフローゼ症候群 11 けいれんの原因部位が左右どちらにあるかの判定に有用なのはどれか。 a 幻嗅 b 嘔吐 c 意識低下 d 眼球偏位 e ロ部自動症 12 正しいのはどれか。2つ選べ。 a 上行性網様体賦活系は大脳に存在する。 b Broca野は感覚性言語野として機能する。 c 記憶の形成には側頭葉内側が深く関わる。 d パーソナリティの基礎をなす先天性の特性を気質という。 e 知能指数は生活年齢を精神年齢で除し、100を掛けたものである。 13 頭部MRIのT1強調冠状断像(別冊No. 3)を別に示す。 Alzheimer型認知症の記憶障害と関係がある部位はどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 14 室温15℃前後の室内において死後約12時間経過した死体にみられるのはどれか。 a 瞳孔が透視できない。 b 腹壁の緑変が始まる。 c 関節の硬直が高度である。 d 体温が15℃に下がっている。 e 体位を変えると死斑が容易に転移する。 15 パニック発作中にみられるのはどれか。2つ選べ。 a 解離 b 徐脈 c 呼吸促迫 d 死の恐怖 e 予期不安 16 血液透析について正しいのはどれか。 a 浸透圧の差で除水をする。 b 透析後に血液重炭酸イオン濃度は低下する。 c カリウムよりもクレアチニンの方が除去されやすい。 d 透析液イオン化カルシウム濃度は正常~高値に設定する。 e 透析時の不均衡症候群は血漿浸透圧の上昇によって発現する。 17 過粘稠度症候群でみられないのはどれか。 a 頭痛 b 腰痛 c めまい d 視力障害 e 悪心・嘔吐 18 肝予備能の評価に有用な血液検査項目はどれか。3つ選べ。 a AST b カリウム c アルブミン d 総ビリルビン e プロトロンビン時間 19 学校保健について誤っているのはどれか。 a 学校給食は教育の一環である。 b 小学生で被患率が最も高いのはう歯である。 c 小学校において胸部エックス線撮影は毎年全員に実施される。 d 学校管理下における児童生徒の死因の第1位は突然死である。 e 学校職員の健康診断は学校保健安全法(旧学校保健法)に基づいて実施される。 20 母子保健法による健康診查が行われる時期はどれか。2つ選べ。 a 1歳 b 1歳6か月 c 2歳 d 2歳6か月 e 3歳 21 有機リン中毒でみられるのはどれか。3つ選べ。 a 血尿 b ロ渇 c 縮瞳 d 発汗 e けいれん 22 医師法に規定されているのはどれか。3つ選べ。 a 守秘義務 b 堕胎の禁止 c 無資格診療の禁止 d 無診察治療の禁止 e 死体検案書の交付 23 胎生16週の胎児の造血の場はどれか。 a 卵黄囊 b 肝臓 c 脾臓 d 骨髄 e 胸腺 24 放射線感受性の高い腫瘍はどれか。 a 膵癌 b 腎細胞癌 c Ewing肉腫 d 悪性黒色腫 e 神経膠芽腫 25 腹部大動脈から分枝するのはどれか。 a 上膀胱動脈 b 内腸骨動脈 c 子宮動脈 d 閉鎖動脈 e 卵巣動脈 26 認知症で正しいのはどれか。 a 患者のQOLは測定できない。 b 環境が変わると認知機能が改善する。 c がん疼痛のコントロールが困難である。 d リハビリテーションの対象にならない。 e 情動障害などの周辺症状はかかわり方によって改善する。 27 消化吸収について正しいのはどれか。3つ選べ。 a 糖質は上部小腸から吸収される。 b トリグリセリドはリパーゼで消化される。 c 蛋白質はアミラーゼで消化される。 d ビタミンは内因子と結合して吸収される。 e 鉄は回腸末端から吸収される。 28 組合せで誤っているのはどれかI a 脾臓摘出後の成人-肺炎球菌ワクチンの接種 b 臨床実習前の医学生-B型肝炎ワクチンの接種 c 医療従事者-C型肝炎免疫グロプリンの投与 d 性暴行の被害女性-淋菌、クラミジアの検査 e 妊婦-B群レンサ球菌のスクリーニング 29 展退について正しいのはどれか。 a 外子宮ロから進行する。 b 破水すると進行しにくい。 c 経膣超音波検査で診断する。 d 100%なら子宮ロは全開大している。 e 子宮頸管の短縮度として表現される。 30 人エ膝関節置換術の適応となるのはどれか。3つ選べ。 a 関節リウマチ b 化膿性関節炎 c 特発性膝骨壊死 d 血友病性関節症 e 神経病性関節症 31 家族から虐待を受けた居宅高齢者を診察した際の通報先として最も適切なのはどれか。 a 保健所 b 家庭裁判所 c 精神保健福祉センター d 地域包括支援センター e 訪問看護ステーション 32 医療保険者に実施が義務付けられているのはどれか。 a がん検診 b 生活機能評価 c 特定健康診査 d 肝炎ウイルス検診 e 結核の定期健康診断 33 我が国の国際保健医療協力について正しいのはどれか。2つ選べ。 a 非政府機関の活動の主体は企業である。 b 世界保健機関では東アジア地域に属している。 c 国際労働機関に加盟して労働者の健康を擁護している。 d 国際協力機構の国際保健協力をWHOを通して行っている。 e 政府開発援助による資金協力を無償と有償とで行っている。 34 我が国の母子保健の向上を目指した施策はどれか。2つ選べ. a 健康日本21 b 健やか親子21 c ゴールドプラン d 新障害者プラン e 新エンゼルプラン 35 児童相談所の扱う相談でないのはどれか。 a 虐待 b 非行 c 虚弱児 d 不登校 e 予防接種 36 溶血性貧血でみられないのはどれか。 a 黄疸 b 胆石 c 脾腫 d 尿路結石 e ヘモグロビン尿 37 放射線の全身被曝で早期にみられないのはどれか。 a 悪心 b 倦怠感 c 白内障 d 皮膚炎 e リンパ球数減少 38 妊娠末期の胎児管理の指標として有用でないのはどれか。 a 胎動 b 羊水量 c 胎児筋緊張 d 胎児腸儒動 e ノンストレステスト 39 骨盤部単純MRIのT1強調像で高信号を示すのはどれか。2つ選べ。 a 膀胱内の尿 b 子宮内膜 c 石灰化した子宮筋腫 d 皮様囊胞腫の内容 e 卵巣チョコレ一ト囊胞の内容 40 8か月の乳児。首がすわらないことを主訴に来院した。在胎30週、体重1,200g、Apgarスコア3点(1分)、5点(5分)で出生した。新生児期に無呼吸と哺乳障害とがあった。両下肢は硬く、伸展し内転している。両下肢の健反射は亢進している。 まず行う治療はどれか。 a 装具装着 b 作業療法 c 理学療法 d 排尿訓練 e 言語聴覚療法 41 39歳の男性。腹痛を主訴に来院した。10年前からたびたび腹痛発作で通院加療を受けている。来院時の腹部造影CT(別冊No. 4A、B)を別に示す。 診断に有用なのはどれか。3つ選べ。 a 胃液検査 b BT-PABA 試験 c pHモニタリング d 経ロブドウ糖負荷試験 e 磁気共鳴胆管膵管撮影 別冊 No. 4 A、 B 42 42歳の男性。全身麻酔下で緊急脳動脈瘤クリッピング術を行う。術前の胸部エックス線写真(別冊No, 5)を別に示す。 使用すべきでない麻醉薬はどれか。 a 亜酸化窒素 b セボフルラン c イソフルラン d チオペンタール e プロポフォール 別冊 No. 5 43 45歳の男性。独身。事務職。会社の定期健康診断の結果を持って医務室を訪れた。自家用車で通勤している。普段は朝食をとらずに出社し、昼と夜の食事は外食が多い。休日は自宅で映画のDVDを鑑賞して過ごしている。喫煙歴はない。飲酒は曰本酒2合/週を23年間。定期健康診断の結東:身長165cm、体重60kg、腹囲78cm。血圧142/88mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液生化学所見:空腹 時血糖100mg/dL、HDL-コレステロール36mg/dL、LDL-コレステロール120mg/dL(基準65~139)、トリグリセリド120mg/dL、AST 25 IU/L、ALT 30 IU/L、γ-GTP 40 IU/L(基準8~50)。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。同時に実施した食事調査では摂取エネルギー量2,200kcal/日、塩分摂取量12.5g/日であった。 指導として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 禁酒 b 塩分摂取の制限 c 摂取エネルギー量の制限 d 身体活動量の増加 e 精神的ストレスの軽減 44 45歳の男性。意識障害のため搬入された。職場の同僚によると、昼食中に突然、激しい頭痛を訴えた後、意識が低下したという。搬入時は傾眠状態で呼びかけによって開眼する程度である。既往歴に特記すべきことはない。家族歴は姉に未破裂脳動脈瘤が指摘されている。 この患者にみられる可能性がある徴候はどれか。2つ選べ。 a 兎眼 b 除皮質硬直 c 一側の眼球突出 d Bruzdinski 徴候 e 一側の散瞳と眼瞼下垂 45 46歳の男性。脱力感を主訴に来院した。3か月前、胃癌のため胃全摘術を受けた。1か月前から食後2、3時間すると脱力感が出現し、動悸、冷汗および手指振戦を認めるようになった。意識は清明。身長172cm、体重62kg。脈拍72/分、整。血圧134/86mmHg。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は正中部に手術創瘢痕を認め、平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 この病態に関係しているのはどれか。 a インスリン b セロトニン c ヒスタミン d ブラジキニン e ソマトスタチン 46 47歳の男性。左上背部痛を主訴に来院した。喫煙は20本/日を25年間。身長170cm、体重68kg。脈拍88/分、整。血圧130/90mmHg。血液生化学所見:AST 30 IU/L、ALT 26 IU/L、LD 300 IU/L(基準176~353)。免疫学所見:CRP 1.0mg/dL、CEA 15ng/mL(基準5以下)。胸部エックス線写真(別冊No. 6A)と胸部造影CT(別冊No. 6B)とを別に示す。 症候としてみられるのはどれか。2つ選べ。 a 顔面浮腫 b 嚥下困難 c 左眼縮瞳 d 左險裂狭小 e 左上肢冷感 別冊 No. 6 A、B 47 生後15日の新生児。第2子として正期産、頭位分娩で出生した。筋緊張低下、独特の顔貌、手掌の猿線、耳介低位などを認める。両親の了解を得て染色体検査を実施した。20個中20の細胞全てに図(別冊No. 7)に示すような核型を認めた。 親に対する説明として正しいのはどれか。 a 「兄弟の染色体検査が必要です」 b 「両親の染色体検査が必要です」 c 「次の子が同じ病気になる確率は約25 %です」 d 「次の子が男児なら同じ病気になる確率は約50 %です」 e 「次の子が同じ病気になる確率は性別に関連しません」 別冊 No. 7 48 53歳の男性。会社員。連日深夜まで働いていたが、1か月前に脳出血をきたし片麻痺を生じた。歩行が困難である。一時は気が滅入りがちであったが、妻の励ましもあり現在は意欲的にリハビリテーションに取り組んでいる。仕事は休職している。 この患者の状態と対応する国際生活機能分類の項目の組合せで誤っているのはどれか。 a 休職-参加制約 b 脳出血-個人因子 c 片麻痺-機能障害 d 歩行困難-活動制限 e 配偶者の存在-環境因子 49 54歳の男性。半年前からの労作時の息切れを主訴に来院した。眼險結膜に貧血を認める。血液所見:赤血球130万、Hb 5.2g/dL、Ht 17%、網赤血球1.2%。考えられるのはどれか。2つ選べ。 a 赤芽球癆 b サラセミア c 鉄芽球性貧血 d 巨赤芽球性貧血 e 骨髄異形成症候群 50 54歳の男性。皮疹を主訴に来院した。数か月前から頸部、前胸部および両上腕伸側に紅色皮疹が出現し、徐々に増数、拡大してきた。皮疹は圧迫で消退する。頸部から前胸部にかけての写真(別冊No. 8)を別に示す。 行う検査はどれか, a 頭部MRI b 胸部エックス線撮影 c 腹部超音波検査 d サーモグラフィー e ガリウムシンチグラフィ 別冊 No. 8 51 56歳の男性。就労して社会復帰したいと希望して相談に来た。22歳から統合失調症で治療中である。これまでに被害妄想と幻聴を主症状として3回の入院治療歴がある。最近、欠勤が多く作業能率も低下していることから10年間勤めた工場を解雇された。それ以来、自宅で何もしないで過ごすようになった。 適切なのはどれか。2つ選べ。 a 任意入院 b 介護保険の利用 c 精神障害者授産施設の利用 d 精神医療審査会への申し立て e 精神障害者社会適応訓練事業の利用 52 58歳の男性。生来健康で医者にかかったことはほとんどない。喫煙歴はない。飲酒は日本酒2合/日を38年間。健康診断で、身長163cm、体重68kg、腹囲87cm。血圧128/72mmHg。血液生化学所見:空腹時血糖122mg/dL、HbA1c 5.6%、HDL-コレステロ一ル46mg/dL、LDL-コレステ口一ル126mg/dL(基準65~139)、トリグリセリド138mg/dL。安静時心電図で心房細動を認める。 産業医としてのこの男性への対応で最も適切なのはどれか。 a 糖尿病の薬物療法 b 脂質異常の薬物療法 c 心房細動の精査・治療勧奨 d 特定保健指導の積極的支援 e 翌年の健康診断受診の指示 53 65歳の男性。悪心、下腿浮腫および労作時呼吸困難を主訴に来院した。10年前の健康診断で、蛋白尿と高血圧とを指摘されたが放置していた。1か月前から呼吸困難が徐々に出現し、体重が3kg増加した。血圧178/96mmHg。下腿に圧痕浮腫を認める。血液所見:赤血球230万、Hb 6.8g/dL、Ht 21%、白血球6,000、血小板23万。血液生化学所見:血糖180mg/dL、尿素室素98mg/dL、クレアチニン9.1mg/dL、Na 121mEq/L、K 8.2mEq/L、Cl 85mEq/L、Ca 8.1mg/dL、P 6.6mg/dL、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.32、Pa02 98Torr、PaCO2 29Torr、HCO3- 15mEq/L。胸部エックス線写真(別冊No. 9A)と心電図(別冊No. 9B)とを別に示す。 緊急血液透析の準備中にまず行う治療はどれか。 a 濃厚赤血球輸血 b 20% NaClの静注 c ベラパミルの持続静注 d グルクロン酸Caの静注 e 速効型インスリンの皮下注射 別冊 No. 9 A、B 54 65歳の男性。右眼の急激な視力低下を主訴に来院した。視力は右0.04(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。両眼の前眼部、中間透光体および左眼底に異常を認めない。血液検査と尿検査とに異常を認めない。心房細動に対して抗凝固薬を内服中である。右眼底写真(別冊No. 10A)と右眼の視野検査の結果(別冊No. 10B①~⑤)とを別に示す。 この患者でみられるのはどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 別冊 No. 10 A、B①~⑤ 55 72歳の男性。呼吸困難のため搬入された。1か月前から労作時の息切れを感じていた。1週前から就寝中に咳が出て息苦しくなり目が覚めることがあった。前日から座っていても息苦しさを生じるようになった。高血圧と心筋梗塞との既往がある。喫煙歴はない。診察時には苦悶様であり、咳と喘鳴とを認める。意識は清明。体温36.0℃。脈拍108/分、整。血圧170/104mmHg。心尖部に2/6度の収縮期逆流性雑音を聴取し、両肺でcoarse cracklesを広範囲に聴取する。 診断に有用な診察所見はどれか。3つ選べ。 a 奇脈 b 頸静脈怒張 c 胸部の鼓音 d Ⅲ音 e 浮腫 56 76歳の男性。尿回数の減少と腹部膨満感とを主訴に来院した。昨年までの健康診断で異常を指摘されたことはない。4日前から尿量が減少し、2日前から排尿がない。本日から腹部膨満感も自覚するようになった。意識は清明。血圧148/76mmHg。下腹部の膨隆と下腿の軽度の圧痕浮腫とを認める。血液生化学所見:尿素室素30mg/dL、クレアチニン2.2mg/dL、Na 136mEq/L、K 5.1mEq/L、Cl 108 mEq/L。 まず行うのはどれか。 a 腹部単純CT b 腹部超音波検査 c 経静脈的腎盂造影 d 腹部エックス線撮影 e ループ利尿薬静注による利尿確認 57 83歳の男性。8年前にAlzheimer型認知症と診断された。5年前までは徘徊も多く家族も苦労したが、2年前からは自宅内で過ごすことが多くなった。1年前から経口摂取量が減少し、むせることが多くなった。1年間で体重は7kg減少した。3か月前からはベッド上での生活となり、経口摂取量もさらに減少した。2週前に肺炎のため、急性期病院に入院した。抗菌薬の投与で回復したが、意識レベルが低下して経管栄養となり、療養病床を持つ病院へ転院となった。入院時の意識レベルはJCS Ⅱ-30、家族を認識することは困難であった。転院後2か月、意識レべルはJCS Ⅲ-100まで徐々に低下した。これまで献身的に介護してきた家族は、本人の事前の意志もあり、延命措置を望まないと医師に伝えた。 対応として適切なのはどれか。 a 膀胱留置カテーテルを挿入する。 b 家族の希望により経管栄養を中止する。 c 面会時間以外の家族付き添いを許可する。 d 経口摂取は困難なため口腔ケアを中止する。 e 体位変換は身体への負担が大きいため中止する。 次の文を読み、58~60の問いに答えよ。 84歳の男性。両足の痛みを主訴に来院した。 現病歴:3年前から長い距離を歩くと両足が痛くなって休憩するようになった。徐々に歩ける距離が短くなってきた。現在では、自宅から300mのところにある畑まで歩くのに2回休憩する。動棒や労作時の息切れは自覚しておらず、歩行以外で日常生活には支障を感じていない。 既往歴:50歳から糖尿病のため食事療法と経口糖尿病薬の服用とを行っている。 生活歴:喫煙は20本/日を20歳から30年間であったが、その後禁煙している。飲酒は機会飲酒。 現症:意識は清明。身長160cm、体重51kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧154/82mmHg。眼臉結膜に貧血を認める。眼球結膜に異常を認めない。心尖部で2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。前脛骨部と足背部とに浮腫を認めない。 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖2+。血液所見:赤血球319万、Hb 7.1g/dL、Ht 24%、白血球5,800、血小板14万。血液生化学所見:血糖134mg/dL、HbA1c 6.8%、総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.7g/dL、尿素窒素25mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸6.4mg/dL、総コレステロール146mg/dL、トリグリセリド66mg/dL、総ピリルビン0.3mg/dL、直接ピリルビン0.1mg/dL、AST 17 IU/L、ALT 9 IU/L、LD 186 IU/L(基準176~353)、ALP 242 IU/L(基準115~359)、Na 139mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 107mEq/L。CRP 1.3mg/dL。下肢MRA(別冊 No. 11A、B)と腰部単純MRI(別冊No. 11 C、D)とを別に示す。 別冊 No.11 A、B、C、D 58 主訴と関連する変化が起きているのはどこか。 a 腎臓 b 腰椎 c 脊髄 d 動脈 e 筋 59 貧血の原因を探るために検査を施行したところ、腫瘍が同定された。病期を確定するために行った腹部単純CT(別冊No. 11 E、F、G、H)とポジトロンエミッション断層撮影(別冊No. 11 I)とを別に示す。 病変部位はどこか。 a 上行結腸 b 下行結腸 c 直腸 d 尿管 e 膀胱 No. 11 E、F、G、H、I 60 この腫瘍への対応として適切なのはどれか。 a 経過観察 b 手術 c 放射線治療 d 内視鏡治療 e 抗癌化学療法 次の文を読み、61~63の問いに答えよ 43歳の男性。嗄声と息苦しさとを主訴に搬入された。 現病歴:庭で草花の手入れをしていて指を蜂に刺された。数分後口渇感に続いて嗄声を生じ、息苦しさを感じた。一緒にいた家族が救急車を要請した。 既往歴:以前、蜂に刺されたことがあったが、治療を要するほどではなかった。アレルギ一歴に特記すべきことはない。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:意識は清明。身長172cm、体重60kg。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧90/58mmHg。顔面は浮腫状である。心音に異常を認めない。呼気時に喘鳴を聴取する。四肢は温かい。 検査所見:動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.50、PaO2 78 Torr、PaC02 30 Torn、HCO3- 20mEq/L。 61 この患者の訴えで病態の重症化を示唆するのはどれか。 a 「鼻がむずむずしてきました」 b 「水を飲みたくなってきました」 c 「目の前が暗くなってきました」 d 「声が響くようになってきました」 e 「刺された部分の痛みが強くなってきました」 62 直ちに使えるように用意しておく器具はどれか。 a 耳鏡 b 検眼鏡 c 前鼻鏡 d 喉頭鏡 e 胸腔鏡 63 処置として適切でないのはどれか。 a 胃管挿入 b 血管確保 c 酸素投与 d 心電図モニタ一装着 e 連続測定血圧計装着 次の文を読み、64~66の問いに答えよ。 51歳の男性。口渇、多飲および全身倦怠感を主訴に来院した。 現病歴:1か月前から口渇が出現し、清涼飲料水を多飲している。2週前から全身倦怠感を自覚している。 既往歴:1年前にC型肝炎で、インターフェロンα-2bとリバビリンとの治療が開始され、1か月前に終了した。 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴:特記すべきことはない。 現症:意識は清明。身長162cm、体重57kg。体温36.9℃。脈拍92/分、整。血圧142/86mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 検査所見:尿所見:蛋白(±)、糖2+、ケトン体2+。血液所見:赤血球451万、Hb 12.6g/dL、Ht 40%、白血球4,300(好中球39%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球52%)、血小板13万。血液・尿生化学所見:血糖626mg/dL、HbA1c 12.5%、総蛋白7.3g/dL、アルブミン3.9g/dL、尿素窒素10.2mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸6.9mg/dL、総コレステロール241mg/dL、トリグリセリド239mg/dL、総ビリルピン0.3mg/dL、AST 37 IU/L、ALT 38 IU/L、LD 181 IU/L(基寧176~353)、ALP 215 IU/L(基準115~359)、Na 140 mEq/L、K 5.1mEq/L、Cl 102mEq/L、FT3 2.9pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 1.1ng/dL(基準0.8~2.2)、尿中アルブミン208mg/g・Cr(基準22以下)。CRP 1.2mg/dL。24時間クレアチニンクリアランス78m/L分(基準90以上)。 64 この病態でみられる症候はどれか。 a 難聴 b 体重減少 c 眼球突出 d 女性化乳房 e 黒色表皮腫 65 診断に有用なのはどれか。 a 自己抗体 b 補体 c 免疫グロブリン d 細胞性免疫 e 食菌能 66 対応として適切なのはどれか。2つ選べ a 食事療法 b 降圧薬投与 c 脂質低下薬投与 d インスりン投与 e 経口血糖降下薬投与 67 リハビリテーションについて正しいのはどれか。 a 介護保険では行わない。 b ゴールは医療者が決める。 c 疾病の急性期には行わない。 d 住居環境整備の指導は行わない。 e 疾病の三次予防にはかかわらない。 f 自立が期待できる患者を優先して行う。 g 疾病の治癒よりも障害の軽減を目指す。 h ノーマライゼーシヨンの概念とは相容れない。 68 都市Aは人口50万人で、疾患Bの登録事業を実施している。2008年の初めの時点での疾患Bの患者数は120人、2008年に疾患Bが新たに発症したのは40人、疾患Bが治癒したのは20人、疾患Bで死亡したのは30人であった。 都市Aにおける2008年の疾患Bの罹患率(人口10万対)はどれか。 a 4 b 6 c 8 d 20 e 24 f 32 g 50 69 78歳の男性。帰宅途中に転倒し顔面を打撲したため搬入された。72歳から胃食道逆流症で通院治療中である。10日前に仕事からの帰宅時に尿失禁をしたが、意識障害や麻痺は伴わなかった。5日前の定期来院時、同伴の家族は少し元気がないと訴えたが、本人はそれを否定した。バイタルサイン、心肺および神経学的に異常所見を認めず帰宅した。搬入時、激しい頭痛や嘔吐はないが、右上肢が動かしづらいと訴える。意識は清明。体温36.8℃。脈拍92/分、整。血圧154/64mmHg。右前額部から眼窩部にかけて皮下出血を認める。眼險結膜に貧血を認めない。右眼球結膜に出血を認める。胸部と腹部とに異常を認めない。神経学的所見で右指鼻試験がやや稚拙であるが、他に異常を認めない。尿所見、血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。頭部単純CT(別冊No. 12)を別に示す。 考えられるのはどれか。 a 脳膿瘍 b 脳内出血 c 正常圧水頭症 d 転移性脳腫瘍 e 慢性硬膜下血腫 f 急性硬膜外血腫 g 外傷性くも膜下出血 別冊 No. 12