105_D 01 破水に伴う長期の羊水過少と関連が深い児の異常はどれか。 a 無呼吸発作 b 一過性多呼吸 c 肺出血 d 胎便吸引症候群 e 肺低形成 02 気胸を合併しやすいのはどれか。 a 肺分画症 b 肺過誤腫 c 過敏性肺炎 d 肺カルチノイド e 肺リンパ脈管筋腫症 03 単純型熱性けいれんの特徴はどれか。 a 好発年齢は1〜2歳である。 b てんかんの家族歴がある。 c 片側性のけいれんを呈する。 d 24時間以内に反復する。 e けいれん後に運動麻痺を残す。 04 疾患と発生母地の組合せで正しいのはどれか。 a 乳房外Paget病-Bowen病 b 有棘細胞癌-熱傷瘢痕 c 悪性黒色腫-黒色表皮腫 d 血管肉腫-血管拡張性肉芽腫 e 菌状息肉症-体白癬 05 小児の溶血性尿毒症症候群の原因疾患として最も頻度が高いのはどれか。 a 赤痢 b サルモネラ感染症 c 腸管出血性大腸菌感染症 d Kasabach-Merritt 症候群 e 血栓性血小板減少性紫斑病 06 Down症候群にみられる眼所見はどれか。 a 鬼眼 b 白内障 c 黄斑円孔 d 眼險下垂 e 角膜ジストロフィー 07 乳房超音波写真(別冊 No.1)を別に示す。 最も考えられる疾患はどれか。 a 囊胞 b 乳癌 c 脂肪腫 d 線維腺腫 e 悪性リンパ腫 別冊 No.1 08 病因と疾患の組合せで誤っているのはどれか。 a 石綿-胸膜中皮腫 b たばこ煙-COPD c パラコ一ト-間質性肺炎 d 遊離ケイ酸-じん肺症 e ホルムアルデヒド-気管支拡張症 09 発作性夜間ヘモグロビン尿症でみられるのはどれか。 a 血清銅低下 b 環状鉄芽球増加 c ビタミンB12低下 d 血清フェリチン低下 e 赤血球浸透圧抵抗性減弱 10 前立腺肥大症でみられないのはどれか。 a 残尿感 b 夜間頻尿 c 尿線途絶 d 排尿後尿滴下 e 腹圧性尿失禁 11 肩関節周囲炎のため右肩に疼痛と運動制限とがある患者にTシャツの着衣指導を行う場合、シャツに通す順番で適切なのはどれか。 a 左上肢→右上肢→頭 b 左上肢→頭→右上肢 c 右上肢→左上肢→頭 d 右上肢→頭→左上肢 e 頭→右上肢→左上肢 12 Fallot四徴症の乳児に多呼吸、不機嫌およびチアノーゼの増強を認めたときの対応として誤っているのはどれか。 a 酸素投与 b 胸膝位保持 c 刺激薬投与 d モルヒネ投与 e アシドーシス補正 13 感染症と腎疾患の組合せで正しいのはどれか。 a 梅毒-IgA腎症 b B型肝炎-アミロイド腎症 c C型肝炎-膜性増殖性糸球体腎炎 d HIV感染症-膜性腎症 e細菌性心内膜炎-巣状系球体硬化症 14 軸捻転症が起こり得るのはどれか。2つ選べ。 a 胃 b 十二指腸 c 下行結腸 d S状結腸 e 直腸 15 原発性免疫不全症候群と所見の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 a 慢性肉芽腫症-好中球遊走能低下 b DiGeorge症候群-新生児テタニ一」 c Wiskott-Aldrich症候群-運動失調 d Chédiak-Higashi症候群-ペルオキシダ一ゼ陽性巨大顆粒 e X連鎖無ガンマグロブリン血症-アデノシンデアミナ一ゼ欠損 16 労働形態と健康障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 a 重量物取扱い作業-職業性頸肩腕障害 b 潜水作業-低酸素血症 c 中腰作業-職業性腰痛 d 道路建設作業-熱中症 e VDT作業-白内障 17 周産期異常と発症時期の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ a 微弱陣痛-分娩第1期 b 肩甲難度-分娩第2期 c 弛緩出血-分娩第2期 d 臍帯脱出-分娩第3期 e 常位胎盤早期剝離-分晩第3期 18 尿路結石症の危険因子はどれか。3つ選べ。 a 糖尿病 b 長期臥床 c 悪性腎硬化症 d Cushing症候群 e 尿細管性アシドーシス 19 緊急手術を要するのはどれか。3つ選べ。 a 蜂巣炎 b 壊死性筋膜炎 c Brodie骨膿瘍 d 手の化膿性腱鞘炎 e 乳児化膿性股関節炎 20 56歳の女性。下腹部の違和感と膨満感とを主訴に来院した。50歳で閉経するまでは月経痛が強く、月経時以外でも腰痛と排便痛とがみられた。身長156cm、体重60kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧132/84mmHg。下腹部は膨隆し、恥骨上から臍下にかけて約8cmの柔らかい腫瘤を触知する。血液生化学所見に異常を認めない。免疫学所見:CEA1.3ng/mL(基準5以下)、CA19-9 25U/mL(基準 37以下)、CA125 88U/mL(基準35以下)。術前の骨盤部MRIのT2強調矢状断像(別冊 No.2 A)と造影T1強調矢状断像(別冊 No.2 B)とを別に示す。手術が施行され、卵巣腫瘍と診断された。摘出された腫瘍の病理組織H-E染色標本(別冊 No 2 C、D)を別に示す。 考えられるのはどれか。 a 明細胞腺癌 b 粘液性囊胞腺癌 c 未分化胚細胞腫 d 子宮内膜症性囊胞 e 成熟囊胞性奇形腫 別冊 No.2 A、B、C、D 21 68歳の男性。健康診断で肝障害を指摘され来院した。20年前にB型肝炎ウイルス感染を指摘されたがそのままにしていた。意識は清明。身長165cm、体重61kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛を認めない。血液所見:赤血球408万、Hb13.2g/dL、Ht39%、白血球6,700、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.1g/dL、総ビリルビン0.5mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST59IU/L、ALT83IU/L、LD275IU/L(基準176〜353)、ALP159IU/L(基準115〜359)、γ-GTP125IU/L(基準8〜50)、Na141mEq/L、K3.7mEq/L、Cl103mEq/L。腹部超音波写真(別冊No.3 A)と腹部ダイナミックCT(別冊No.3B、C)とを別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 肝細胞癌 b 肝内胆管癌 c 肝囊胞 d 胆囊癌 e 転移性肝癌 別冊 No.3 A、B、C 22 60歳の男性。従来は周囲に対する配慮ができていたが、最近は著しく自己中心的な言動が目立つようになったことを心配した家族に伴われて来院した。1年前から気力がなくなり、ぼ一っとたたずんでいることが多くなった。自室内には、数か月前から収集し続けているぺットボトルが山積みになっているという。 最も考えられる疾患はどれか。 a Alzheimer型認知症 b Lewy小体型認知症 c 前頭側頭型認知症 d 強迫性障害 e 統合失調症 23 62歳の女性。めまいを主訴に来院した。今朝、目が覚めて起き上がろうとしたとき、周りがぐるぐる回る激しいめまいと嘔気とを自覚した。めまいは臥位安静によって数十秒で軽快する。頭痛、耳鳴、難聴および四肢の筋力低下を認めない。頭位変換眼振検査で左下懸垂頭位にて時計回り、右側臥位にて反時計回りの減衰する回旋性眼振を認める。 考えられるのはどれか。 a 前庭神経炎 b Ménière 病 c 起立性低血圧 d 一過性脳虚血発作 e 良性発作性頭位眩暈症 24 57歳の女性。労作時の胸部圧迫感を主訴に来院した。1か月前から通勤時の坂道歩行で呼吸困難と胸部圧迫感とを自覚したが、立ち止まると軽快していた。症状が徐々に増悪するため来院した。意識は清明。呼吸数16/分。脈拍76/分、整。血圧146/82mmHg。心音に異常を認めない。トレッドミル運動負荷心電図(別冊No.4)を別に示す。 診断のために最も有用な検査はどれか。 a 心エコ一検査 b Holter心電図 C 胸部MRI d 胸部単純CT e 冠動脈造影 別冊 No.4 25 76歳の男性。黄疸を主訴に来院した。3日前に家族に皮膚の黄染を指摘されていた。3年前に唾液腺腫瘤を摘出した。飲酒は機会飲酒。意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.4℃。呼吸数16/分。脈拍72/分、整。血圧126/82mmHg、眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・牌を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球465万、Hb14.1g/dL、Ht45%、白血球8,100、血小板16万。血液生化学所見:血糖201mg/dL、HbA1c6.7%(基準4.3〜5,8)、総蛋白9.6g/dL、アルブミン4.6g/dL、尿素室素19mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、総ピリルビン6.8mg/dL、AST86lU/L、ALT78IU/L、LD540IU/L(基準176〜353)、ALP1,230IU/L(基準115〜359)、Na138mEq/L、K4.OmEq/L、Cl102mEq/L。免疫学所見:CRP O.8mg/dL、抗核抗体 陽性、IgG 3,890mg/dL(基準739〜1,649)、IgA 118mg/dL(基準107〜363)、IgM 132mg/dL(基準46〜260)、CEA 2.8ng/mL(基準5以下)、CA19-9 26U/mL(基準37以下)。腹部造影CT(別冊No.5 A)と内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真(別冊No.5 B、C)とを別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 膵癌 b 肝内胆管癌 c 総胆管結石症 d 自己免疫性膵炎 e 十二指腸乳頭部癌 別冊 No.5 A、B、C 26 26歳の女性。会社の定期健康診断で高血圧を指摘され来院した。脈拍72/分、整。血圧(右上肢)176/98mmHg。心音に異常を認めない。上腹部に血管性雑音を聴取する。血液所見:赤血球450万、Hb13.4g/dL、Ht42%、白血球4,200、血小板24万。血液生化学所見:尿素窒素16mg/dL、クレアチニン1.Omg/dL、総コレステロ一ル160mg/dL、Na142mEq/L、K3.0mEq/L、Cl98mEq/L、アルドステロン60ng/dL(基準5〜10)、血漿レニン活性16ng/mL/時間(基準1.2〜2.5)。CRP 3.8mg/dL。 最も考えられるのはどれか。 a Liddle症候群 b Bartter症候群 c 大動脈炎症候群 d 甲状腺機能亢進症 e 原発性アルドステロン症 27 40歳の女性。動悸と息切れとを主訴に来院した。10日前から月経出血が止まらず、出血量もこれまでより多かった。さらに数日前から階段を昇るときに息切れと動悸とを感じるようになった。脈拍96/分、整。血圧120/78mmHg。皮膚は蒼白で前胸部と下腿とに点状出血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球250万、Hb7.5g/dL、Ht24%、網赤血球3%、白血球8,800(骨髄球1%、桿状核好中球9%、分葉核好中球55%、好酸球1%、単球9%、リンパ球25%)、血小板3,000。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.6 A、B)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 血栓性血小板減少性紫斑病 b 特発性血小板減少性紫斑病 c 急性骨髄性白血病 d 慢性骨髄性白血病 e 再生不良性貧血 別冊 No.6 A、B 28 32歳の女性。未経妊。不正性器出血を主訴に来院した。挙児希望があるため、子宮に癌がないかと心配している。1年前から月経周期は40〜45日型で不整、月経痛も自覚している。子宮頸がん検診は26歳から毎年受けているが、異常は指摘されていない。身長152cm、体重66kg。血圧144/92mmHg。内診で子宮は正常大で可動性良好。経膣超音波検査で子宮内膜厚は12mmでやや肥厚している。 現時点で最も適切な対応はどれか。 a 経過観察 b 排卵誘発 c 子宮全摘出 d 子宮内膜組織診 e GnRHアゴニスト投与 29 10歳の男児。右下肢痛のため家族に伴われて来院した。4か月前から誘因なく右大腿部痛が出現したという。痛みは安静時、運動時ともにあり、夜間に増悪する。右下肢の皮膚、筋および関節に異常を認めない。右大腿骨のエックス線検査で異常が疑われたため撮影した両大腿部の単純CT(別冊No.7)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 骨肉腫 b 類骨骨腫 c 軟骨肉腫 d 骨軟骨腫 e 好酸球性肉芽腫 別冊 No.7 30 20歳の男性。頭痛を主訴に来院した。3週前から頭痛が出現し徐々に増強してきた。食欲がなくなり、歩行時にふらつきもみられた。母と叔父とが脳腫瘍の手術を受けている。入院時血圧180/100mmHg。失調性歩行を認め、入院後も血圧高値が持続している。眼底検査で網膜血管腫を認める。腹部CTで左副賢に腫瘤を認める。頭部造影MRIのT1強調矢状断像(別冊No.8)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a Chiari奇形 b 結節性硬化症 C 神経線維腫症1型 d Sturge-Weber 症候群 e von Hippel-Lindau 病 31 40歳の男性。右耳痛と右顔面神経麻痺とを主訴に来院した。今朝から右難聴、耳鳴および軽い回転性めまいがある。右外耳道入口部に皮疹を認める。 原因として考えられるのはどれか。 a EBウイルス感染症 b アデノウイルス感染症 c サイトメガロウイルス感染症 d 単純へルぺスウイルス感染症 e 水痘・帯状疱疹ウイルス感染症 32 42歳の男性。同性愛者。全身倦怠感、体重減少および皮疹を主訴に来院した。1年前から全身倦怠感と10%の体重減少とがあった。3か月前から痒みのない皮疹が多発してきた。口腔内にも同様の病変を認める。体幹部の写真(別冊No.9)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 二期梅毒 b 皮膚結核 c 悪性黒色腫 d Kaposi 肉腫 e 悪性リンパ腫 別冊 No.9 33 38歳の女性。看護師。全身の強い痒みを主訴に来院した。2か月前から全身に痒みがあり、この1週間は痒みのために夜も眠れないという。腋窩、乳房下、臍の周囲および陰部に赤い丘疹がみられる。夫と子どもとの3人暮らしで、ネコを室内で飼っている。丘疹部から採取した検体の顕微鏡写真(別冊No.10)を別に示す。 診断はどれか。 a 疥癬 b マダニ症 c ネコノミ症 d ケジラミ症 e コロモジラミ症 別冊 No.10 34 32歳の女性。人間ドックで白血球減少とリウマチ反応陽性とを指摘され来院した。眼と口腔粘膜の乾燥がある。白血球3,100(好中球55%、好酸球5%、好塩基球1%、単球10%、リンパ球29%)。免疫学所見:リウマトイド因子陽性、抗核抗体陽性(斑紋型)、抗SS-A抗体陽性、抗SS-B抗体陽性。 この疾患で正しいのはどれか。 a 易感染性である。 b 遺伝性疾患である。 c 流産の可能性が高い。 d う歯の多発傾向がある。 e 乾燥症状に副腎皮質ステロイドが有効である。 35 15歳の男子。不登校を心配した母親に伴われて来院した。10歳時に急に首を傾けたり、顔をしかめたり、咳払いや「オッ」という声を発作的に発したりするようになった。自分では制御できずに卑猥な言葉も発するようになった。緊張すると顔しかめや発声の発作が増えるため、学校では奇異な目で見られ、いじめられた。2年前から欠席が目立ち始め、1か月前から不登校となった。身体所見に異常を認めない。尿、血液および血液生化学所見に異常を認めない。頭部CTと脳波とに異常を認めない。 治療薬として適切なのはどれか。 a L-dopa b 炭酸リチウム c パロキセチン d ハロペリドール e メチルフエニデート 36 83歳の男性。左眼の視力低下を主訴に来院した。6か月前から左眼の見え方に違和感があった。1か月前から視力低下が進行した。75歳時に両眼の白内障手術の既往がある。視力は右1.0(矯正不能)、左0.6(矯正不能)。眼圧は右14mmHg、左14mmHg。眼内レンズが両眼に挿入されている。両眼の眼底写真(別冊No.11 A、B)を別に示す。 6か月前からあったと推定される症候はどれか。 a 羞明 b 夜盲 c 変視症 d 弓状暗点 e Mariotte盲点の拡大 別冊 No.11 A、B 37 53歳の女性。3日前からの発熱を主訴に来院した。2週前から空咳と労作時の息切れとを自覚していた。6か月前から関節リウマチの診断で抗リウマチ薬と副腎皮質ステロイドとを服用し、症状は安定している。胸部エックス線写真で異常を指摘されたことはない。意識は清明。体温38.4℃。呼吸数24/分。脈拍96/分、整。血圧122/78mmHg。両側肺野にfine cracklesを聴取する。白血球8,600(桿状核好中球2%、分葉核好中球74%、好酸球3%、単球5%、リンパ球16%)。LD450IU/L(基準176〜353)。免疫学所見:CRP11.8mg/dL、β-D-グルカン6pg/mL(基準10以下)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.40、PaCO2 35Torr、Pa02 76Torr、HCO3- 20.9mEq/L、受診時の胸部エックス線写真で両側肺野にびまん性すりガラス陰影を認める。胸部単純CT(別冊No.12)を別に示す。気管支肺胞洗浄液の細胞診にて核内封入体を認める。 治療方針として適切なのはどれか。 a 副賢皮質ステロイドの増量 b ガンシクロビルの投与 c 抗TNF-α抗体の投与 d 免疫抑制薬の投与 e ST合剤の投与 別冊 No.12 38 19歳の男性。サッカーの試合中に左側腹部を蹴られ、左側腹部痛と血尿とを主訴に来院した。意識は清明。身長171cm、体重68kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧104/62mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。左側腹部に皮下血腫と圧痛とを認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+。血液所見:赤血球360万、Hb11.8g/dL、Ht35%、白血球8,600、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL。CRP 0.3mg/dL まず行う対応として適切なのはどれか。 a 輸血 b レノグラム c 左腎摘除術 d 膀腕鏡検査 e 腹部造影CT 39 生後3日の新生児。チアノ一ゼのため搬入された。38週3日、体重2,869gで出生した。生後2日からチアノ一ゼを認めていたが、徐々に増強し、体動も不活発となった。身長49.3cm、体重2,812g。体温37.2℃。心拍数144/分、整。血圧88/56mmHg。心音はII音が単一で、胸骨左縁第2肋間にわずかに連続性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。右肋骨弓下に肝を2cm触知する。右心室造影写真(別冊No.13 A、B)を別に示す。 この患児に使用すべき治療薬はどれか。 a フロセミド b インドメタシン C プロプラノロール d イソプロテレノ一ル e プロスタグランディンE1 別冊 No.13 A、B 40 52歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。1か月前に歯科治療を受け、数日後に全身倦怠感と発熱とが出現した。その後、労作時の息切れが出現し、徐々に増悪したため来院した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温38.5℃。脈拍104/分、整。血圧140/82mmHg。心尖部で3 / 6度の全収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。神経学的に異常を認めない。血液培養検査にてグラム陽性球菌が検出された。抗菌薬の静注を開始したが、炎症所見の改善はみられなかった。心エコ一図(別冊No.14)を別に示す。 この病態で出現すると考えにくいのはどれか。 a 脳塞栓症 b 肺塞栓症 c 眼底出血 d Osler結節 e 心不全の増悪 別冊 No.14 41 生後1日の新生児。頻回の嘔吐を認めている。身長48.0cm、体重3,026g。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆しており、軟である。吐物(別冊No.15 A)と腹部エックス線写真(別冊No.15 B)とを別に示す。手術治療が予定された。 適切な術式はどれか。 a 噴門形成術 b 幽門筋切開術 c 人工肛門造設術 d 中腸軸捻転解除術 e 十二指腸・十二指腸吻合術 別冊 No.15 A、B 42 70歳の男性。大腸がん検診で便潜血反応陽性であったため、精密検査を勧められて来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。血液所見:赤血球410万、Hb13.2g/dL、Ht40%、白血球7,200、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン4.0g/dL、AST20IU/L、ALT18IU/L、LD312IU/L(基準176〜353)、ALP275IU/L(基準115〜359)。CRPO.1mg/dL。注腸造影写真(別冊No.16)を別に示す。 対応として適切なのはどれか。 a 内視鏡的ポリぺクトミ一 b 無治療で経過観察 c 腹腔ドレナ一ジ d 結腸右半切除術 e 抗癌化学療法 別冊 No.16 43 1歳7か月の女児。脾腫の精査を目的に来院した。1歳6か月児健康診查で脾腫を指摘された。出生後の発育と発達とは正常である。眼球結膜に軽度の黄染を認める。腹部で肝を1cm、脾を4cm触知する。血液所見:赤血球347万、Hb8.7g/dL、Ht27%、白血球12,100、血小板36万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン2.0mg/dL、AST41IU/L、ALT23lU/L、ALP558lU/L(基準361〜958)、ハプトグロビン10mg/dL(基準19〜170)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.17)を別に示す。合併によって原疾患が急激に増悪する可能性があるのはどれか。 a 手足ロ病 b 突発性発疼 c 伝染性紅斑 d 伝染性軟属腫 e 伝染性単核球症 別冊 No.17 44 67歳の女性。3か月前からの腹部膨満感を主訴に来院した。脈拍76/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し、右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を5cm触知する。血液所見:赤血球360万、Hb10.5g/dL、Ht32%、白血球18,700(骨髄芽球1%、好中球58%、好酸球5%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球30%、赤芽球4個/100白血球)、血小板65万。末梢血塗抹標本で巨大血小板を認め、骨髄穿刺はdry tapであった。骨髄の生検組織のH-E染色標本(別冊No.18 A)と鍍銀染色標本(別冊No.18 B)とを別に示す。 適切な対応はどれか。 a 自家骨髄移植 b 抗癌化学療法 c 無治療で経過観察 d エリスロポエチン投与 e 副腎皮質ステロイド投与 別冊 No.18 A、B 45 64歳の男性。浮腫と全身倦怠感とを主訴に来院した。10年前に健康診断で血糖高値と血圧高値とを指摘されたが受診しなかった。半年前から夜間排尿回数の増加を自覚していた。1か月前から浮腫と全身倦怠感とが出現し、次第に増悪するために受診した。飲酒は日本酒1合/日を40年間。喫煙は15本/日を40年間。身長168cm、体重74kg。体温36.0℃。呼吸数16/分。脈拍80/分、整。血圧166/100mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は軽度に膨隆し、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。前脛骨部に浮腫を中等度認める。尿検査:蛋白3+、糖1+、潜血1+。血液所見:赤血球280万、Hb8.2g/dL、Ht22%、白血球5,000、血小板20万。血液生化学所見:空腹時血糖146mg/dL、HbA1c6.8%(基準4.3〜5.8)、総蛋白5.8g/dL、アルブミン3.0g/dL、尿素室素30mg/dL、クレアチニン2.2mg/dL、尿酸8.2mg/dL、Na140mEq/L、K6.0mEq/L、Cl114mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比56%であり、心電図で左室肥大を認める。 治療として適切でないのはどれか。 a インスリン皮下注射 b アルブミン点滴静注 c エリスロポエチン皮下注射 d カルシウム拮抗薬経口投与 e 重炭酸ナトリウム経口投与 46 32歳の女性。1回経妊、1回経産。1年間の無月経を主訴に来院した。1か月前からのぼせとイライラ感とが出現している。挙児希望がある。経膣超音波検査で子宮はやや萎縮しており、卵巣には卵胞が認められない。 高値を示すのはどれか。 a プロラクチン b 卵胞刺激ホルモン c エストラジオ一ル d 副賢皮質刺激ホルモン e トリヨードサイロニン 47 40歳の男性。小学校教諭。5日間続く発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。2週前に林間学校から帰ってきた。林間学校では野外活動を引率した。帰宅して9日後から発熱と倦怠感とを訴え、自宅近くの診療所でセフェム系抗菌薬の投与を受けていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍92/分、整。呼吸数24/分。血圧122/76mmHg。右前腕に皮疹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を4cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球396万、Hb12.0g/d/、Ht38%、網赤血球1.2%、白血球7,800(桿状核好中球12%、分葉核好中球51%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球28%)、血小板8.1万。血液生化学所見:尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST364IU/L、ALT451IU/L、LD736IU/L(基準176〜353)。CRP8.3mg/dL。皮疹の写真(別冊No.19)を別に示す。 病原体として考えられるのはどれか。 a 真菌 b 原虫 c ウイルス d リケッチア e マイコプラズマ 別冊 No.19 48 38歳の女性。血液検査値異常の精査目的で来院した。1週前から37℃台の発熱と咽頭痛とがみられていた。昨日、自宅近くの診療所で実施した血液検査で異常がみられたため紹介されて受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温37.6℃。脈拍92/分、整。血圧98/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。口腔粘膜に点状出血が散在し、咽頭発赤を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。牌は触知しない。両側下腿に点状出血を認める。血液所見:赤血球330万、Hb10.2g/dL、Ht33%、白血球1,800(桿状核好中球6%、分葉核好中球58%、好酸球単球12%、リンパ球22%)、血小板2.8万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.20)を別に示す。 初期治療として適切なのはどれか。 a 全トランス型レチノイン酸 b シ卜シンアラピノシド c 同種造血幹細胞移植 d プレドニゾロン e イマチニブ 別冊 No.20 49 4か月の乳児。予防接種を受けた部位の変化を心配して来院した。3日前に左上腕にBCG接種を受けた。昨日から接種部位の発赤を認め、接種痕が膿疱様になってきたという。体温36.8℃。身体診察所見に異常を認めない。哺乳力や機嫌に変化はない。接種部位の写真(別冊No.21)を別に示す。 説明として適切なのはどれか。 a 「通常の反応であり、検査や処置は不要です」 b 「1週後にまた受診してください」 C 「黄色い膿を採取して顕微鏡で検査しましょう」 d 「黄色い膿を採取して培養検査をしましょう」 e 「ツベルクリン反応の検査をしましよう」 別冊 No.21 50 23歳の女性。発熱と発疹とを主訴に来院した。10日前から微熱と咽頭痛とがあり、イブプロフェンを含有する市販感冒薬を内服していた。3日前から顔面と体幹とに紅斑を認め、眼球結膜の充血と口腔粘膜のびらんとが出現した。体温38.2℃。体幹の一部の紅斑は標的様で、中央に水疱を形成している。 考えられる疾患はどれか。2つ選べ。 a 固定薬疹 b 扁平苔癬 c 尋常性乾癬 d 中毒性表皮壊死症 e Stevens-Johnson 症候群 51 67歳の男性。人間ドックで血中PSA値の異常を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長167cm、体重65kg。体温36.2℃。呼吸数14/分。脈拍72/分、整。血圧148/80mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診でクルミ大の前立腺を触知するが、硬結を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血液所見:赤血球480万、Hb15.0g/dL、Ht45%、白血球6,600、血小板23万。PSA 6.8ng/mL(基準4.0以下)。前立腺生検で高分化型の前立腺癌を認める。腹部造影CTでリンパ節腫大を認めない。骨シンチグラフィで異常集積を認めない。患者は治療を希望している。 治療法として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 抗癌化学療法 b 密封小線源治療 c 前立腺全摘除術 d 経尿道的前立腺切除術 e インターフェロン投与 52 2歳の女児。意識障害のため搬入された。なかなか泣きやまないことに激昂した父親によって、肩を持たれ何度も強く揺さぶられた。しばらくするとぐったりして意識がなくなったという。意識レペルはJCS III-100で、全身に多数の熱傷瘢痕が散在し、新旧の皮下出血斑が多数認められる。 この患児に認められる可能性が高いのはどれか。2つ選べ。 a 脳出血 b 頸髄損傷 c 硝子体出血 d 硬膜下血腫 e 顔面神経麻痺 53 45歳の女性。多飲と多尿とを主訴に来院した。6か月前からコップ1、2杯の水を飲んでも、すぐにのどが乾くようになった。夜間に何度も尿意を催すため、睡眠不足になっているという。身長155cm、体重55kg。体温37.0℃。呼吸数20/分。脈拍72/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:尿量4,500mL/日、浸透圧35mOsm/L(基準50〜1,300)、糖(-)。 次に行う検査として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 視野検査 b 頭部MRI c 状態特性不安検査 d 経ロブドウ糖負荷試験 e 甲状腺放射性ヨード摂取率測定 54 38歳の女性。気分の高揚、多弁および不眠を主訴に来院した。3年前に母親を亡くした後、憂うつで何も手につかなくなり、3か月仕事を休んだ。その後、逆に気分が高揚して活動性が亢進する時期と、気分が落ち込んで活動性が低下して寝込んでしまう時期とを交互に繰り返すようになった。 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。 a ジアゼパム b 炭酸リチウム c パロキセチン d クロミプラミン e バルプロ酸ナトリウム 55 14歳の女子。学校の健康診断で高コレステロール血症を指摘されたため精査目的で来院した。1年半前から友人と一緒に食事量を減らしてダイエツ卜を開始した。半年前からは筋力トレーニングも開始した。最近は倦怠感を強く自覚している。減量開始前の体重は43kgであった。意識は清明だが、表情は乏しい。身長151cm(-0.9SD)、体重27kg(—2.8SD)。体温35.6℃、脈拍44/分、整。血圧110/92mmHg、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。皮膚は乾燥が目立ち、四肢に冷感を認める。血液生化学所見:総コレステロール268mg/dL、卜リグリセリド82mg/dL、TSH 4.6μU/mL(基準0.2〜4.0)、FT3 1.8pg/mL(基準2.5〜4.5)、FT4 0.8ng/mL(基準0.8〜2.2)。頭部MRIで軽度の脳萎縮を認める。 この疾患に認められる症候はどれか。3つ選べ。 a 無月経 b 粘液水腫 c むちゃ食い d 自己誘発性幅吐 e アキレス腱肥厚 56 25歳の男性。自転車で転倒し右側頭部を強打したため搬入された。意識は清明。右顔面神経麻痺を認める。側頭骨高分解能CT(別冊No.22)を別に示す。 この患者に認められる可能性の高い症候はどれか。3つ選べ。 a 嗄声 b 難聴 c めまい d 嗅覚障害 e 味覚障害 別冊 No.22 57 48歳の女性。意識障害のため搬入された。付き添ってきた母親によると、うつ病の通院歴があり、熟睡できないため日本酒5合を毎晩飲んでいたという。2週前から全身倦怠感が、1週前から食思不振が出現した。昨日、友人の結婚式でワインをボトル1本一気に飲み干した後、発熱が出現した。搬入時の意識レベルはJCS II-10。身長157cm、体重65kg。体温38.2℃。呼吸数24/分。脈拍108/分、整。血圧146/92mmHg。腹部に軽度の膨満を認め、心窩部に肝を4cm触知し、圧痛を認める。左肋骨弓下に牌を3cm触知する。尿所見:蛋白(-)、糖1+。血液所見:赤血球325万、Hb10.8g/dL、Ht32%、白血球13,500、血小板8.7万。血液生化学所見:血糖143mg/dL、HbA1c 6.7%(基準4.3〜5.8)、総蛋白5.7g/dL、アルブミン2.8g/dL、総コレステロール116mg/dL、トリグリセリド234mg/dL、総ビリルビン2.7mg/dL、直接ピリルビン2.2mg/dL、AST 134IU/L、ALT 98IU/L、ALP 420IU/L(基準115〜359)、γ-GTP 757IU/L(基準8〜50)。CRP 2.5mg/dL。 この疾患の肝生検組織標本で特徴的にみられるのはどれか。3つ選べ。 a リンパ濾胞 b 肝細胞風船化 c Mallory 小体 d 分葉核好中球浸潤 e 非化膿性破壊性胆管炎 58 67歳の男性。進行喉頭癌と診断され、昨日、甲状腺全摘を含む拡大手術を受けた。今朝から両手のしびれ感を訴えている。手指の有痛性筋攣縮を認める。 輸液に加えるのはどれか。 a Na b K c Cl d Ca e P f Mg g Cu h Fe i Zn 59 17歳の女子。左膝の痛みを主訴に来院した。バスケットボールでジャンプして着地した際、バランスを崩して転倒した。左膝の疼痛と腫脹とが著しく、関節穿刺で30mLの血性関節液を吸引した。その後1か月で疼痛は次第に軽減したが、斜面を歩いたときに膝がガクッと曲がってしまうことが何度かあった。左膝関節を前方から見た模式図(膝蓋骨は示していない)を示す。 この患者で損傷されている可能性が高いのはどれか。 60 交互対光反射試験の結果の模式図を示す。 ただし、外円は角膜輪部、内円は瞳孔を示す。 右眼に光を当てる。 光を左眼へとすばやく移動する。 光を右眼へとすばやく移動する。 考えられるのはどれか。 a 右球後視神経炎 b 左球後視神経炎 c 右動眼神経麻痺 d 左動眼神経麻痺 e 右顔面神経麻痺 f 左顔面神経麻痺 g 右後頭葉の腫瘍 h 左後頭葉の腫瘍