105-I 01 中高年女性に対するホルモン補充療法が最も有効なのはどれか。 a 便秘の改善 b 尿失禁の改善 c 動脈硬化の改善 d 骨粗鬆症の予防 e Alzheimer型認知症の予防 02 Schönlein-Henoch紫斑病の血液検査所見で正しいのはどれか。 a 出血時間の延長 b 血小板数の減少 c 第XIII因子の低下 d プロトロンビン時間の延長 、 e 活性化部分トロンボプラスチン時間の延長 03 膵炎を合併した急性胆管炎の初期対応として正しいのはどれか。 a 血獎交換を行う。 b 緊急開腹手術を行う。 c 高脂肪食に変更する。 d 胆道ドレナ一ジを行う。 e 非ステロイド性抗炎症薬を投与する。 04 高齢者のうつ病でよくみられる妄想はどれか。 a 注察妄想 b 貧困妄想 c 被毒妄想 d 誇大妄想 e 替え玉妄想 05 外陰の潰瘍をきたすのはどれか。 a Bowen 病 b カンジダ症 c 性器へルぺス d トリコモナス症 e 尖圭コンジローマ 06 血漿ADHが低値を示すのはどれか。 a 脱水症 b SIADH c 腎性尿崩症 d 心因性多飲症 e 非代償性肝硬変 07 卵管癌で最も高頻度にみられる症状はどれか。 a 貧血 b 腰痛 c 不妊 d 水様帯下 e 下腿浮腫 08 前庭神経炎で正しいのはどれか。 a 補充現象が陽性である。 b 頭位変換眼振を認める。 c 低音障害型感音難聴を伴う。 d 温度眼振検査は正常である。 e めまいは数日から2か月程度続く。 09 Wilson病でみられないのはどれか。 a アミノ酸尿 b 溶血性貧血 c 血清銅の低値 d 血清尿酸の高値 e 血清セルロプラスミンの低値 10 成人気管支喘息の長期管理で、重症度にかかわらず第一選択薬となるのはどれか。 a テオフイリン徐放製剤 b 長時間作用性β2刺激薬 c 副腎皮質ステロイド吸入薬 d ロイコトリエン受容体拮抗薬 e 長時間作用性抗コリン吸入薬 11 表皮真皮境界部に免疫グロプリンが沈着するのはどれか。 a 全身性エリテマト一デス b 全身性硬化症<強皮症> c 結節性多発動脈炎 d 関節リウマチ e 皮膚筋炎 12 15歳未満のインフルエンザ患者に使用する解熱薬として適しているのはどれか。 a アスピリン b メフエナム酸 c インドメタシン d アセ卜アミノフエン e ジクロフエナクナ卜リウム 13 血漿レニン活性と血漿アルドステロン濃度とがいずれも高値なのはどれか。 a Liddle症候群 b Cushing症候群 c 腎血管性高血圧症 d 原発性アルドステロン症 e 甘草による偽性アルドステロン症 14 結節性紅斑を伴うのはどれか。 a Hansen 病 b Addison 病 c Buerger 病 d Churg-Strauss 症候群 e Kasabach-Merritt 症候群 15 食中毒について正しいのはどれか。 a 腸炎ビブリオ食中毒の原因食品は生肉が多い。 b サルモネラ食中毒の潜伏期間は2〜5時間である。 c ボツリヌス食中毒の治療には抗毒素血清が有効である。 d ブドウ球菌食中毒の予防には食品の食前加熱が有効である。 e 毒素原性大腸菌食中毒は溶血性尿毒症症候群を高率に合併する。 16 じん肺症について誤っているのはどれか。 a 原因物質へのばく露がなくなると病状の進行は止まる。 b 植物由来物質が原因に含まれる。 c 診断には職業歴が重要である。 d 肺癌は重要な合併症である。 e 線維増殖性の疾患である。 17 睡眠障害と治療薬の組合せで誤っているのはどれか。 a ナルレコレプシー-メチルフエニデート b 睡眠時無呼吸症候群-ジアゼパム c 睡眠覚醒スケジュール障害-メラトニン d むずむず脚症候群-プラミぺキソール e レム睡眠行動障害-クロナゼパム 18 若年者の難治性痔瘻の原因で最も可能性が高いのはどれか。 a 直腸癌 b Crohn 病 c アメーバ赤痢 d 潰瘍性大腸炎 e 過敏性腸症候群 19 膵管内乳頭粘液性腫瘍で誤っているのはどれか。 a 主膵管内のイクラ状隆起性病変 b 主膵管のびまん性狭窄 c 膵管内の乳頭状増生 d 膵管分枝のブドウの房状拡張 e Vater乳頭ロの開大 20 アナフィラキシーを誘発する頻度が最も高いのはどれか。 a 針反応 b 皮内テスト c パッチテスト d プリックテス卜 e スクラッチテス卜 21 肥大型心筋症で誤っているのはどれか。 a β刺激薬が予後を改善する。 b 左室拡張末期圧が上昇する。 c 心電図でT波の陰転化を認める。 d 心筋細胞の錯綜配列が特徴的である。 e サルコメア蛋白の遺伝子異常で発症する。 22 ヘルパンギーナのアフタが好発する部位はどれか。 a 舌 b 口角 c 口唇 d 頰粘膜 e 軟口蓋 23 急性の細菌感染症はどれか。 a 丹毒 b 掌蹠膿疱症 c 壊疽性膿皮症 d 急性汎発性膿疱性乾癬 e 顔面播種状粟粒性狼瘡 24 外傷後ストレス障害について誤っているのはどれか。 a 自律神経過覚醒状態が起こる。 b 感情が鈍くなり物事を楽しめなくなる。 c ストレス反応は1か月以内に消失する。 d 外傷体験の想起につながる状況を回避する。 e 外傷体験となった出来事を繰り返し回想する。 25 Helicobacter pylori除菌治療の適応でないのはどれか。 a 胃潰瘍 b 逆流性食道炎 c 十二指腸潰瘍 d 特発性血小板減少性紫斑病 e 胃MALT<粘膜関連リンパ組織>リンパ腫 26 受傷直後の完全頸髓損傷でみられないのはどれか。 a 頻脈 b 排尿障害 c 血圧の低下 d 発汗の消失 e 腱反射の消失 27 新生児がけいれんを起こすと考えられる状態はどれか。 a 血糖 50 mg/dL b 血请総ビリルビン12.0mg/dL c 血清 Na 132 mEq/L d 血清 K 3.2 mEq/L e 血清 Ca 6.2 mg/dL 28 アナフィラキシーでショック状態を示唆するのはどれか。 a 嘔吐 b 喘鳴 c 鼻汁 d 頻脈 e 膨疹 29 腎性急性腎不全の原因となるのはどれか。 a 糖尿病腎症 b 腎性尿崩症 c 尿管結石症 d 良性腎硬化症 e 横紋筋融解症 30 右半身の感覚障害と左上下肢の筋力低下とを訴える30歳台女性の頭部MRIのFLAIR像(別冊No.1 A、B)を別に示す。 脳脊髓液検査で異常を示す可能性が高いのはどれか。 a タウ蛋白 b 14-3-3蛋白 c アミロイドβ蛋白 d ミエリン塩基性蛋白 e アデノシンデアミナ一ゼ 別冊 No.1 A、B 31 産業中毒物質と健康への影響の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 a 鉛-貧血 b ニッケル-末梢神経炎 c ベリリウム-膀胱癌 d マンガン-Parkinson症候群 e 無機水銀-視野狭窄 32 サルコイドーシスでみられる検査所見はどれか。2つ選べ。 a 補体価低下 b 抗核抗体陽性 c γ-グロブリン増加 d 可溶性免疫複合体増加 e ツベルクリン反応陰性 33 網膜に軟性白斑をきたすのはどれか。2つ選べ。 a 黄斑円孔 b 糖尿病網膜症 c 網膜中心動脈閉塞症 d 網膜中心静脈閉塞症 e 中心性漿液性脈絡網膜症 34 切迫性尿失禁を起こすのはどれか。2つ選べ。 a 脳血管障害 b Parkinson 病 c 馬尾神経障害 d 糖尿病性神経障害 e 腰椎椎間板ヘルニア 35 たばこ煙の成分とその影響の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 a アンモニア-冠動脈硬化 b カドミウム-消化性潰瘍 c シアン化水素-チアノ一ゼ d ニコチン-侬存 e ベンゾ[a]ピレン-喉頭癌 36 乳癌患者の胸部造影CT(別冊No.2)を別に示す。 この画像上で癌の直接浸潤が認められるのはどれか。2つ選べ。 a 皮膚 b 縦隔 c 大胸筋 d 肩甲骨 e 対側乳腺 別冊 No.2 37 脳血管造影写真側面像(別冊No.3)を別に示す。 この疾患の初発症状として多くみられるのはどれか。3つ選べ。 a 頭痛 b 振戦 c 片麻痺 d 結膜充血 e けいれん 38 45歳の女性。自転車で走行中に車と衝突し、直後から意識障害をきたしたため搬入された。入院時および翌日の頭部単純CTに異常を認めなかった。入院後3日で意識が回復し、上下肢には麻痺を認めず、歩行も正常であった。日常会話に支障はないが、食事後5分経つと食事をしたことを忘れている。自分では物覚えは正常だと思っている。行きたいところがあると、一人でどんどんその方向に歩いて行ってしまう。この患者が入院後3週で自宅に退院することとなった。 家族への説明で適切でないのはどれか。 a 口論しやすい。 b 浪費しやすい。 c 転倒しやすい。 d 戸締りを忘れやすい。 e 火を消し忘れやすい。 39 54歳の女性。顔と手足のむくみを主訴に来院した。10年前から疲れやすく便秘がちになったが、加齢によるものと思い、そのままにしていた。数か月前から指輪や靴がきつくて入らなくなったことを気にしていた。2日前、数年ぶりに帰省した娘から「顔が腫れている。声も以前はそんなにしわがれていなかった」と指摘され、心配になって受診した。身長156cm、体重58kg。体温35.0℃。呼吸数16/分。脈拍52/分、整。血圧124/90mmHg。皮膚は乾燥。下肢に指圧痕を残さない浮腫を認める。血液所見:赤血球360万、Hbl2.6g/dL、Ht39%、白血球4,500、血小板21万。血液生化学所見:空腹時血糖96mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 103mEq/L。 この病態でみられるのはどれか。 a 総コレステロール低値 b CK高値 c コルチゾール高値 d 眼底の軟性白斑 e 胸部エックス線写真で滴状心 40 76歳の女性。右膝痛を主訴に来院した。以前から時々右膝の腫脹と疼痛とがあったが、1週間程度で改善していた。10日前から右膝痛が出現し、昨日から増悪し歩行困難となった。体温38.7℃。右膝関節に腫脹、発赤、局所熱感および関節水症を認める。関節穿剌液は黄色半透明である。右膝関節エックス線写真(別冊No.4)を別に示す。 右膝痛の原因として最も考えられるのはどれか。 a 痛風 b 偽痛風 c 特発性骨壊死 d 変形性膝関節症 e 化膿性膝関節炎 別冊 No.4 41 12歳の男児。右肘部痛を主訴に来院した。8歳から野球のリトルリーグに所属し、1日4時間の投球練習を毎日行ってきた。6か月前からボールを投げるときに右肘部の痛みを自覚し、2か月前から増悪してきた。身長167cm、体重64kg。右肘関節外側に軽度の圧痛を認める。関節可動域は屈曲125度、伸展0度である。屈曲伸展運動でひっかかる感じがある。右肘閨節エックス線写真(別冊No.5)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 骨軟骨腫 b 疲労骨折 c 慢性骨髄炎 d 上腕骨外顆骨折 e 離断性骨軟骨炎 別冊 No.5 42 61歳の女性。頭痛と嘔吐とを主訴に来院した。1週前から頭痛と嘔吐とがあり、2日前から38℃台の発熱も加わった。既往歴に副鼻腔炎がある。来院時の意識レベルはJCS I-2。右半身の運動感覚障害、失算および失書を認める。頭部MRIの拡散強調横断像(別冊No.6 A)と造影T1強調矢状断像(別冊No.6 B)とを別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 髄膜腫 b 脳膿瘍 c 胚細胞腫 d 神経膠腫 e 転移性脳腫瘍 別冊 No.6 A、B 43 35歳の女性。2回経妊、1回経産。不正性器出血を主訴に来院した。月経は30日型、整。最終月経は6月5日から7日間。7月20日から嘔気、嘔吐および少量の性器出血を認めるようになり、改善しないため8月16日に受診した。子宮は手拳大で軟。妊娠反応陽性。経膣超音波写真(別冊No.7)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 子宮筋腫 b 双胎妊娠 c 胞状奇胎 d 子宮内胎児死亡 e 卵管膨大部妊娠 別冊 No.7 44 59歳の男性。人間ドックで右腎の腫瘤を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長166cm、体重61kg。体温36.2℃。呼吸数12/分。脈拍64/分、整。血圧128/78mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血1+。血液所見:赤血球507万、Hb15.5g/dL、Ht44%、白血球7,000、血小板21万。血液生化学所見:血糖98mg/dL、総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.3g/dL、尿素窒素17mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸6.8mg/dL、総ピリルビン0.8mg/dL、AST 19 IU/L、ALT 16 IU/L、LD 195 IU/L(基準176〜353)、ALP 249 IU/L(基準115〜359)、Na 140 mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 105mEq/L、Ca 9.3mg/dL。CRP 0.1mg/dL。腹部超音波検査で右腎に長径5cmの占拠性病変を認める。胸腹部単純CTで腎以外に明らかな異常を認めない。骨シンチグラフィに明らかな異常を認めない。腹部造影CT(別冊No.8)を別に示す。 対応として適切なのはどれか。 a 経過観察 b 分子標的薬投与 c 根治的右腎摘除術 d 経皮的右賢動脈塞栓術 e インターフェロンa投与 別冊 No.8 45 71歳の男性。上腹部不快感を主訴に来院した。2週前に上腹部の不快感が出現し徐々に増悪してきた。意識は清明。身長165cm、体重54kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。腹部は平坦、軟で、肝・牌を触知しない。血液所見:赤血球440万、Hb14.1g/dL、Ht41%、白血球6,200、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン4.0g/dL、総ピリルビン0.6mg/dL、直接ピリルビン0.2mg/dL、AST 14 IU/L、ALT 5 IU/L、LD 267 IU/L(基準176〜353)、ALP 79 IU/L(基準115〜359)、γ-GTP 15 IU/L(基準8〜50)、Na 144 mEq/L、K 4.lmEq/L、Cl 106mEq/L。免疫学所見:CEA 8.4ng/mL(基準5以下)、CA19-9 1,772U/mL(基準37以下)。腹部造影CT(別冊No.9 A、B)と内視鏡的逆行性胆管脾管造影写真(ERCP)(別冊No.9 C)とを別に示す。 最も考えられるのはどれか。 a 膵癌 b 膵囊胞 c 慢性膵炎 d 下部胆管癌 e 十二指腸乳頭部癌 別冊 No.9 A、B、C 46 70歳の女性。自宅近くの診療所で初めて受けた血液検査で異常を指摘され来院した。飲酒歴はない。輸血歴はない。常用薬はない。意識は清明。身長158cm、体重74kg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球310万、Hb10.9g/dL、Ht31%、白血球4,200、血小板9.7万、PT 68%(基準80〜120)。血液生化学所見:HbA1c 6.8%(基準4.3〜5.8)、アルブミン3.3g/dL、IgG 2,614mg/dL(基準739〜1,649)、IgM 82mg/dL(基準46〜260)、総コレステロール122mg/dL、トリグリセリド140mg/dL、AST 84 IU/L、ALT 98 IU/L、γ-GTP 62 IU/L(基準8〜50)。免疫学所見:HBs抗原・抗体陰性、HBc抗体陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体陰性、抗ミトコンドリア抗体陰性。腹部超音波検査で肝表面の凹凸不整、肝腎コントラストの明瞭化および軽度の脾腫を認める。 最も考えられるのはどれか。 a 薬物性肝障害 b 自己免疫性肝炎 c 原発性胆汁性肝硬変 d 特発性門脈圧冗進症 e 非アルコール性脂肪性肝炎 47 62歳の女性。貧血を主訴に来院した。高血圧症の治療中、血液検査で貧血を指摘され、消化管の精査のために紹介された。意識は清明。身長168cm、体重57kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧136/86mmHg。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球302万、Hb7.9g/dL、Ht26%、白血球8,100、血小板15万。血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.4g/dL、尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、総ビリルビン1.8mg/dL、AST 26 IU/L、ALT 34 IU/L、LD 540 IU/L(基準176〜353)、ALP 286 IU/L(基準115〜359)、Na 138mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L。免疫学所見:CRP 0.8mg/dL、CEA2.8ng/mL(基準5以下)、CA19-9 26U/mL(基準37以下)。上部消化管内視鏡検査で胃内に病変を認める。胸腹部CTでは胃の病変以外に異常を認めない。 上部消化管内視鏡写真(別冊No.10)を別に示す。 治療として適切なのはどれか。 a 手術 b 動脈塞栓術 c 放射線治療 d ステント留置 e 抗癌化学療法 別冊 No.10 48 1か月の乳児。嘔吐を心配した母親に伴われて来院した。哺乳後しばらくして、噴水状の無胆汁性嘔吐を認めることが頻回にある。嘔吐後は通常どおり哺乳している。発熱はない。 最も考えられる疾患はどれか。 a 肥厚性幽門狭窄症 b Hirschsprung 病 c 腸回転異常症 d 胃食道逆流症 e 細菌性腸炎 49 21歳の男性。動悸発作を主訴に来院した。以前から年に数回、1〜2時間持続する動悸を自覚していた。失神発作はない。血圧126/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。非発作時の心電図(別冊No.11)を別に示す。 動悸発作の原因として最も考えられる不整脈はどれか。 a 心室性期外収縮 b 房室ブロック c 心室性頻拍 d 上室性頻拍 e 心房粗動 別冊 No.11 50 14歳の女子。低身長と初経の遅れとを主訴に母親に伴われて来院した。身長140cm、体重45kg。第二次性徴はみられず、翼状頸と外反肘とを認める。 この疾患で正しいのはどれか。 a 子宮は存在しない。 b 多囊胞状の卵巣である。 c 血中FSHは高値を示す。 d 染色体数は47本である。 e 先天性心疾患の合併頻度が高い。 51 6歳の男児。就学時健康診断で両眼の視力不良を指摘されたため来院した。遮閉を含め既往に特記すべきことはない。視力は右0.5(0.6 x +5.00D)、左0.4(0.6 x +5.00D)。調節麻痺薬点眼後の屈折検査は右+5.00D、左+5.00D。眼位は正位。固視の異常を認めない。細隙灯顕微鏡検査と眼底検査とに異常を認めない。 診断はどれか。 a 不正乱視 b 遠視性乱視 c 屈折異常弱視 d 調節性内斜視 e 間欠性外斜視 52 28歳の男性。人前に出るのが怖くなったため、自ら治療を希望して精神科外来を受診した。3か月前から誰かと会って話をするときに、その相手を殴ってしまうのではないかと繰り返し考えるようになった。自分でもばかばかしいことと感じているが、最近では閉じこもりがちの生活に陥っている。 最も考えられるのはどれか。 a パーソナリティー障害 b 妄想性障害 c 解離性障害 d 強迫性障害 e 適応障害 53 33歳の初産婦。妊娠30週に妊娠糖尿病の疑いで産科診療所から紹介され受診した。妊娠34週からインスリン治療を開始した。現在、妊娠39週で推定胎児体重4,000g。 経膣分晚を行う場合、新生児合併症として起こりにくいのはどれか。 a 低血糖 b 分娩外傷 c 壊死性腸炎 d 胎便吸引症候群 e 高ビリルピン血症 54 8か月の乳児。高熱を主訴に来院した。2日前から39℃台の発熱、鼻汁および軟便を認めている。両親と3歳の兄との4人暮らし。機嫌は比較的良く、食欲は良好である。意識は清明。身長70cm、体重8.2kg。体温38.9℃。呼吸数24/分。心拍数120/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。咽頭は軽度発赤し、永山斑を認める。 この児の家族への説明で適切なのはどれか。 a 「熱が下がったときに全身に発疹が出る可能性があります」 b 「妊娠している人にお子さんを接触させないでください」 c 「お兄ちゃんに感染する可能性が高いです」 d 「抗ウイルス薬を服用させてください」 e 「入院が必要です」 55 27歳の男性。腹痛と発疹とを主訴に来院した。3日前から腹痛と両下肢の赤い発疹とを生じた。両下腿から足背に浸潤を触れ、硝子圧試験で消退しない発疹が多発している。皮膚の病理組織学的検索で真皮上層に血管周囲性の炎症性細胞浸潤を認める。同時に蛍光抗体直接法を施行したところ免疫グロプリンの沈着を認める。下腿の写真(別冊No.12 A)と皮膚生検組織の蛍光抗体直接法の写真(別冊No.12 B)とを別に示す。 沈着している免疫グロブリンはどれか。 a IgA b IgD c IgE d IgG e IgM 別冊 No.12 A、B 56 68歳の男性。排尿困難と頻尿とを主訴に来院した。1か月前から尿意切迫感と夜間頻尿とを認めた。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長164cm、体重64kg。脈拍68/分、整。血圧128/82mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で表面平滑で腫大した弹性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。PSA 1.6ng/mL(基準4.0以下)。国際前立腺症状スコア:14点(軽症0〜7点、中等症8〜19点、重症20〜35点)。残尿量30mL。腹部超音波写真(別冊No.13 A)と尿流測定の結果(別冊No.13 B)とを別に示す。 対応として適切なのはどれか。 a 経過観察 b 遮断薬投与 c 抗男性ホルモン療法 d 前立腺生検 e 経尿道的前立腺切除術 別冊 No.13 A、B 57 20歳の女性。全身浮腫を主訴に来院した。3日前から顔面と下腿とに浮腫が出現し、急速に増悪してきた。現在までに体重が6kg増加した。身長156cm、体重60kg、体温35.6℃。脈拍72/分、整。血圧110/76mmHg。全身浮腫が高度である。尿所見:蛋白4+、糖(-)、潜血(-)。血液生化学所見:総蛋白5.0g/dL、アルブミン2.2g/dL、総コレステロール320mg/dL、尿素窒素40mg/dL、クレアチニン1.8mg/dL、尿酸8.0mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 100 mEq/L、腎生検のPAS染色標本(別冊No.14)を別に示す。 この患者の尿所見として考えにくいのはどれか。 a 尿比重1.030 b 尿Na濃度8mEq/L c 尿沈渣で脂肪円柱 d 尿蛋白1.6g/日 e 尿Na分別排泄率 0.2% 別冊 No.14 58 3歳の男児。顔色不良と発熱とを主訴に来院した。母親は1か月前から顔色不良に気付いていた。1週前から発熱し、自宅近くの診療所で抗菌薬を投与されていたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。体温38.3℃。脈拍120/分、整。呼吸数24/分。皮膚は蒼白で、下肢に点状出血を認める。眼臉結膜に貧血を認める。眼球結膜に黄染を認めない。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を4cm触知する。血液所見:赤血球196万、Hb5.8g/dL、Ht18%、網赤血球0.3%、白血球5,600(桿状核好中球1%、分葉核好中球6%、好酸球1%、単球2%、リンパ球86%、異常細胞4%)、血小板1.9万。血液生化学所見:尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.3mg/dL、尿酸6.2mg/dL、AST 72 IU/L、ALT 58 IU/L、LD 691 IU/L(基準335〜666)。CRP 1.3mg/dL。骨髄検査を行ったところ、骨髄で増加している細胞はペルオキシダーゼ染色陰性で、表面マーカ一検査ではB前駆細胞の形質を示す。骨髄染色体所見は51、XY、+4、+6、+10、+17、+21である。脳脊髄液検査に異常を認めない。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.15)を別に示す。 この疾患の治療について誤っているのはどれか。 a 多剤併用抗癌化学療法を行う。 b 副腎皮質ステロイドが有効である。 c 最も多い治療関連合併症は感染症である。 d 中枢神経予防療法は必須である。 e 約半数の症例が造血幹細胞移植の適応となる。 別冊 No.15 59 79歳の男性。急激に生じた胸痛と嘔吐のため搬入された。救急隊接触時の血圧は80/56mmHgであった。高血圧症で治療中である。来院時、胸痛は軽快しており、意識は清明。脈拍72/分、整。血圧184/96mmHg。頸静脈の怒張はなく、全身状態は安定している。血液生化学所見と心電図とに明らかな異常を認めない。胸部造影CT(別冊No.16 A、B)を別に示す。 まず行うべき治療はどれか。 a 降圧療法 b 緊急手術 c 冠動脈形成術 d 抗血小板薬投与 e 心囊ドレナージ 别冊No.16 A、B 60 35歳の1回経産婦。妊娠40週に陣痛発来し入院した。5年前に回旋異常のため妊娠38週で2,700gの女児を帝王切開で分娩した。今回の妊娠経過は良好であった。身長158cm、体重62kg。脈拍84/分、整。血圧120/84mmHg。児は第1頭位。膣鏡診で外子宮ロから少量の羊水流出を認めた。超音波検査では胎児推定体重は3,400g、胎盤は子宮底部を中心に存在し異常所見を認めなかった。入院時の内診所見で先進部の下降度SP-1cm、子宮ロ3cm開大。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮は3分間隔。胎児心拍数パターンに異常を認めなかった。その後陣痛は増強し 頻回となり入院後2時間には2分間隔となった。内診では子宮ロは全開大し、児頭下降度はSP+2cmであった。この時点から産婦は陣痛に合わせて努責を開始した。30分経過したころ気分不快を訴えた。呼吸困難はない。意識は清明。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧80/52mmHg。顔面は蒼白。少量の性器出血を認める。再度の内診では、児頭下降度はSP-3cmである。胎児心拍数陣痛図では陣痛は微弱となり、遷延性徐脈を認める。 治療として最も適切なのはどれか。 a 吸引分晚 b 開腹手術 c 胎児圧出法 d 子宮収縮薬投与 e 子宮動脈塞栓術 61 45歳の男性。動悸を主訴に救急外来を受診した。失神の既往はない。以前から2度にわたる心筋梗塞で入院加療を受けており、最近の心エコー検査による左室駆出率は20%であった。救急外来におけるモニタ一心電図所見(別冊No.17)を別に示す。 処置として適切でないのはどれか。 a 酸素投与 b 強心薬投与 c β遮断薬投与 d 抗不整脈薬投与 e 植え込み型除細動器移植術 別冊 No.17 62 50歳の男性。健康診断で異常を指摘され来院した。精査の結果、肺癌と診断された。初診時の胸部エックス線写真(別冊No.18 A)と胸部造影CT(別冊No.18 B)とを別に示す。 最も起こりやすいのはどれか。 a 右全無気肺 b Horner症候群 c 右腕神経叢障害 d 右反回神経麻庫 e 上大静脈症候群 別冊 No.18 A、B 63 60歳の女性。1か月前からの労作時の息切れを主訴に来院した。6か月前から咳嗽を自覚していた。体温36.7℃。呼吸数20/分。脈拍92/分、整。血圧138/76mmHg。聴診で両側下肺野にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球420万、Ht42%、白血球5,800、血小板28万。免疫学所見:CRP 0.3mg/dL、CEA 2.3ng/mL(基準5以下)。血液生化学検査に異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No.19 A)、胸部CT(別冊No.19 B)及び気管支肺胞洗浄液の写真(別冊No.19 C)を別に示す。 治療として適切なのはどれか。 a 利尿薬の投与 b 抗癌化学療法 c ペンタミジンの投与 d 全身麻酔下での全肺洗挣 e ニューキノロン系抗菌薬の投与 別冊 No.19 A、B、C 64 70歳の男性。のどの違和感と出血とを主訴に来院した。数日前からのどに違和感があり、咋日のどの奥から出血があった。喫煙は40本/日を30年間であったが、3年前から禁煙している。飲酒は日本酒2合/日を45年間。3年前に膀胱癌治療の既往がある。体温37.2℃。嗄声はない。頸部リンパ節を触知しない。血液所見:赤血球436万、Hb13.5g/dL、Ht41%、白血球5,800、血小板35万。CRP 0.3mg/dL。頸部造影CTでリンパ節の腫大を認めない。喉頭内視鏡写真(別冊No.20 A)と生検組織のH-E染色標本(別冊No.20 B)とを別に示す。 治療法として適切なのはどれか。 a 凍結療法 b 放射線治療 c 抗菌薬投与 d 抗ウイルス薬投与 e 喉頭•下咽頭全摘術 別冊 No.20 A、B 65 50歳の男性。四肢の脱力を主訴に来院した。10日前に微熱と咽頭痛とが出現したが2日間で消失した。3日前に手先と足先のしびれ感が出現し、翌朝には両下肢の脱力、午後には両上肢の脱力が出現して、今朝は歩行が困難となった。10年前に強い頸椎症性変化を指摘された。3年前に房室ブロックのため心臓ペースメーカー植え込み術を受けた。意識は清明。四肢に中等度の脱力がみられる。腱反射は消失している。四肢遠位部の軽度の感覚低下を認める。 診断のために有用な検査はどれか。 a 頸部単純CT b 頸椎MRI c 針筋電図 d 神経伝導検査 e 腓腹神経生検 66 70歳の男性。物忘れを心配した娘に伴われて来院した。3年前に妻と死別し、現在は娘夫婦と同居している。1年前から物忘れが目立つようになり、徐々に進行した。半年前から「妻が赤い服を着て現れる」と言うようになった。表情は乏しく、暗算をさせると右手がふるえて、手関節に筋強剛がみられる。Mini-Mental State Examinationでは15点(30点満点)である。 この患者の診断に最も有用なのはどれか。 a 脳波検査 b 脳SPECT c 頭部MRA d 脳脊髄液検査 e 頭部造影MRI 67 28歳の女性。妊娠36週。けいれん発作のため搬入された。家族によると、突然 意識を失った後に全身のけいれんが起こったという。受診時にけいれんは治まっていたが、昏睡状態は続いている。頭部MRIのT2強調像(別冊No.21 A)と拡散強調像(別冊No.21 B)とを別に示す。 この患者の脳にみられる病態はどれか。 a 梗塞 b 出血 c 腫瘍 d 脱髄 e 浮腫 別冊 No.21 A、B 68 出生直後の新生児。呼吸不全のためNICUに入院となった。母親が妊婦健康診查を受けていなかったため、妊娠経過は不明である。3,026gで出生した。Apgarスコアは3点(1分)、4点(5分)。呼吸数72/分で非常に浅い。心拍数88/分、整。全身にチアノ一ゼを認める。筋緊張は低下し、自発運動に乏しく、泣き声はほとんど聞き取れない。心音と呼吸音とを右胸部でわずかに聴取する。腹部は陥凹し、肝・脾を触知しない。マスクによる酸素投与が行われたが経皮的動脈血酸素飽和度50%のため、直ちに気管挿管し、100%酸素で人工換気を行った。気管挿管後、Sp02は70%まで上昇したが、それ以上の改善は認められなかった。気管挿管後の胸部エックス線写真(別冊No.22)を別に示す。 この新生児の呼吸不全の原因はどれか。 a 肺炎 b 肺低形成 c 縦隔腫瘍 d 気腫性肺囊胞 e 横隔神経麻海 別冊 No.22 69 介護老人福祉施設において、多数の入所者が嘔吐と下痢とを発症した。複数の患者の糞便試料から、PCR法によって原因ウイルスが確定された。 感染の拡大を抑えるために適切なのはどれか。2つ選べ。 a 手洗いの励行 b エタノールによる消毒 c 塩素系薬剤による消毒 d 入所者の魚介類摂取の禁止 e 入所者への抗ウイルス薬の予防投与 70 48歳の女性。前頸部の疼痛を主訴に来院した。2週前に咽頭痛と38℃台の発熱とがあり解熱薬を服用した。3日前から前頸部に疼痛を伴う腫脹が生じた。腫脹は増悪し、疼痛が激しくなったため受診した。身長159cm、体重60kg。体温38.4℃。呼吸数24/分。脈拍92/分、整。血圧132/78mmHg。甲状腺右葉下極が腫大し、同部に自発痛と圧痛とを認める。血液所見:赤血球420万、Hbl2.6g/dL、Ht39%、白血球9,000、血小板22万。血液生化学所見:LD 234 IU/L(基準176〜353)、ALP 394 IU/L(基準115〜359)、TSH 0.06μU/mL(基準0.2〜4,0)、T3 240ng/dL(基準80〜220)、T4 15.8μg/dL(基準5〜12)。 この患者で上昇していると考えられるのはどれか。2つ選べ。 a サイログロブリン b CRP c 抗TSH受容体抗体 d 甲状腺放射性ヨード摂取率 e 腫大部位のエコ一輝度 71 34歳の女性。右手のしびれ感を主訴に来院した。2か月前から右手のしびれ感が断続的に続いていた。脈拍68/分、整。血圧120/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。頸椎に異常を認めない。右上腕二頭筋反射と腕橈骨筋反射とに異常を認めない。握力は両側上肢とも正常範囲内である。右手関節を屈曲するとしびれ感が増強する。触覚低下を認める領域を斜線で表した図を示す。 この患者の初期治療として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 时関節の装具固定 b 手関節の装具固定 c シクロスポリンの内服 d 副腎皮質ステロイドの局所注射 e 屈筋支帯の切離 72 56歳の男性。妻に顔色が悪いといわれて来院した。1か月前から強い腰痛を自覚していた。眼瞼結膜に貧血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腰部に叩打痛を認める。血液所見:赤血球353万、Hb10.8g/dL、Ht33%、白血球3,600(好中球70%、単球2%、リンパ球28%)、血小板22万。総蛋白8.8g/dL。胸腰椎エックス線写真(別冊No.23)を別に示す。 診断確定のために必要な検査はどれか。2つ遷ベ。 a 骨髄穿刺 b 血清LD測定 c 血漿粘稠度測定 d 血清免疫電気泳動 e 血清クレアチニン測定 別冊 No.23 73 59歳の男性。鼻出血と膿性鼻漏とを主訴に来院した。1か月前から著しい鼻痛が続いている。鼻腔内粘膜の発赤とびらんとを認める。血液所見:赤血球408万、Hb12.1g/dL、Ht34%、白血球8,300、血小板35万。免疫学所見:CRP 16.8mg/dL、PR3-ANCA陽性。副鼻腔単純CTで鼻腔から上顎洞、篩骨洞、眼窩内に及ぶ腫瘤を認める。鼻内腫瘤の生検で壊死組織、炎症細胞浸潤および多核巨細胞を認める。 確定診断のために精査が必要な臓器はどれか。2つ選べ。 a 脳 b 肺 c 肝 d 脾 e 腎 74 51歳の男性。息切れを主訴に来院した。3か月前から階段昇降時の息切れを自覚し、徐々に増悪してきたという。父方の家系に心疾患が多い。意識は清明。身長172cm、体重62kg。呼吸数24/分。脈拍84/分、整。血圧104/64mmHg。III音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。心エコ一図(別冊No.24 A、B、C)を別に示す。 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 硝酸薬 b α遮断薬 c β遮断薬 d カルシウム捨抗薬 e アンジオテンシンII受容体拮抗薬 別冊 No.24 A、B、C 75 75歳の男性。右眼の視力低下を主訴に来院した。細隙灯顕微鏡検査を施行し、組織の混濁程度から手術適応と判断した。前眼部の写真(別冊No.25)を別に示す。 術前検査に必要な検査項目はどれか。2つ選べ。 a 眼軸長 b 角膜厚 c 前房深度 d 水晶体厚 e 角膜曲率半径 別冊 No.25 76 32歳の女性。くしゃみ、鼻汁および鼻閉を主訴に来院した。3年前から、毎年2月から4月にかけて同様の症状を繰り返していた。症状は外出時に増強し流涙を伴う。体温36.4℃。眼球結膜は軽度発赤している。咽頭扁桃に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球410万、Hb14.0g/dL、Ht39%、白血球4,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球41%、好酸球13%、好塩基球2%、単球5%、リンパ球37%)、血小板21万。免疫学所見:CRP0.3mg/dL、IgE 260 IU/mL(基準250未満)、IgE RASTスコア:スギ3(基準0)。 治療薬として適切なのはどれか。3つ選べ。 a β刺激薬 b 抗コリン薬 c 抗ヒスタミン薬 d 副腎皮質ステロイド点鼻薬 e ロイコトリエン受容体拮抗薬 77 放射線治療中に静脈栄養・経管経腸栄養管理の必要性が最も低いのはどれか。 a 上咽頭癌 b 中咽頭癌 c 舌癌 d 歯肉癌 e 口腔底癌 f 下咽頭癌 g 声門癌 h 頸部食道癌 78 Cushing症候群でみられないのはどれか。 a 多毛 b 高血圧 c 低血糖 d 易感染性 e 骨粗鬆症 f 精神障害 g 中心性肥満 h 満月様顔貌 79 68歳の男性。進行する下腿の浮腫を主訴に来院した。2か月前から両側下腿の浮腫を自覚していたが、次第に増悪するため紹介されて受診した。10年前から高血圧症で降圧薬を服用している。6年前から関節リウマチで自宅近くの診療所にて薬物治療中である。脈拍76/分、整。血圧138/86mmHg。尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血(+-)。血液生化学所見:総蛋白5.5g/dL、アルブミン2.6g/dL、総コレステロ一ル368mg/dL、尿素窒素22mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、尿酸7.4mg/dL。腎生検の蛍光抗体IgG染色標本(別冊No.26)を別に示す。 この腎病変をきたす原因として可能性が低いのはどれか。 a 金製剤 b 大腸癌 c B型肝炎 d 高血圧症 e 関節リウマチ f 悪性リンパ腫 g D-ペニシラミン h 全身性エリテマトーデス 別冊 No.26 80 慢性呼吸不全患者の動脈血ガス分析(自発呼吸room air)の結果を示す。 pH 7.41、PaC02 44Torr、PaO2 57Torr、HCO3- 27mEq/L FiO2 21%、大気圧761Torr、飽和水蒸気圧47Torr、呼吸商(ガス交換率)が0.8であるとき、A-aD02を求めよ。 ただし、小数点以下第1位を四捨五入すること。