106_A 01 心不全に特徴的な心臓の聴診所見はどれか。 a Ⅲ 音 b 駆出音 c 大砲音 d クリック音 e 心膜ノック音 02 胎児水腫の原因となるのはどれか。 a クラミジア b 風疹ウイルス c パルボウイルスB19 d 単純ヘルペスウイルス e 水痘・帯状疱疹ウイルス 03 電離放射線による晩発性障害はどれか。 a 脱毛 b 頭痛 c 白内障 d 皮膚炎 e 白血球減少 04 特発性血小板減少性紫斑病の先行感染として最も多いのはどれか。 a 伝染性紅斑 b 突発性発疹 c 風疹 d 流行性耳下腺炎 e 溶連菌感染症 05 歩行時に増強し、立ち止まることでは軽快せず、座ることで消退する両下肢痛を認める。 最も考えられるのはどれか。 a 脊椎分離症 b Buerger病 c 腰椎圧迫骨折 d 腰部脊柱管狭窄症 e 閉塞性動脈硬化症 06 健常の若年成人女性に比較し、閉経後の女性で高値を示すことが多いのはどれか。 a 糸球体濾過量 b 末梢血白血球数 c 血中アンモニア d 血清総ビリルビン e 血清総コレステロール 07 Monoclonal gammopathy of undetermined significanceについて正しいのはどれか。 a 貧血をきたす。 b 溶解性骨病変をきたす。 c 多発性骨髄腫には移行しない。 d 血清M 蛋白量は3g/dl以上である。 e M蛋白以外の免疫グロブリン量は正常である。 08 肝胆膵疾患とその原因の組合せで正しいのはどれか。 a 胆道癌-先天性胆道拡張症 b 膵管癌-原発性硬化性胆管炎 c Gilbert 症候群-胆囊炎 d Mirizzi症候群-十二指腸傍乳頭部憩室 e Lemmel症候群-胆囊結石 09 ステロイド抵抗性の重症潰瘍性大腸炎への対応で適切なのはどれか。 a アメーバ赤痢の治療を追加する。 b 注腸二重造影で全大腸を観察する。 c モルヒネの投与で腸管の安静を図る。 d サイトメガロウイルスの検索を行う。 e 非ステロイド性抗炎症薬を投与する。 10 顔面神経麻痺をきたしにくいのはどれか。 a 耳下腺癌 b 側頭骨骨折 c 顔面神経鞘腫 d 滲出性中耳炎 e 真珠腫性中耳炎 11 羊水塞栓症について正しいのはどれか。 a 未破水例に多い。 b 播種性血管内凝固を伴う。 c 母体の予後は良好である。 d 産婦の下腹部は板状硬となる。 e 妊娠高血圧症候群に合併しやすい。 12 胃食道逆流症の増悪因子でないのはどれか。 a 臥位 b 硝酸薬 c 高脂肪食 d 体重の減量 e カルシウム拮抗薬 13 糸球体と尿細管の模式図を示す。 ① ② ③ ④ ⑤ 尿細管疾患と障害部位の組合せで誤っているのはどれか。 a Fanconi症候群① b Liddle 症候群② c Bartter症候群③ d Gitelman 症候群④ e 腎性尿崩症⑤ 14 Vogt-小柳-原田病でみられるのはどれか。2つ選べ。 a 豚脂様角膜後面沈着物 b 前房蓄膿 c 雪玉状硝子体混濁 d 漿液性網膜剝離 e 夕焼け状眼底 15 Philadelphia染色体を認めるのはどれか。2つ選べ。 a 急性前骨髄球性白血病 b 急性リンパ性白血病 c 成人T細胞白血病 d 慢性骨髄性白血病 e 慢性リンパ性白血病 16 胸部単純CT(別冊No. 1)を別に示す。 この患者の肺機能検査所見として考えられるのはどれか。2つ選べ。 a A-aDO2正常 b 拡散能低下 c 残気量増加 d 肺活量低下 e 1秒率低下 別冊 No. 1 17 クラミジア感染症が原因となるのはどれか。2つ選べ。 a 不妊症 b 子宮頸癌 c 骨盤腹膜炎 d 子宮内膜症 e 尖圭コンジローマ 18 疾患と治療薬の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 a West 症候群-ACTH b 憤怒けいれん-バルプロ酸ナトリウム c 複雑部分発作-ビタミンB6 d 単純型熱性けいれん-フェニトイン e Lennox-Gastaut 症候群-クロナゼパム 19 長期にわたる大量飲酒の結果としてアルコール依存症となった患者が、飲酒中止 後の数時間から数日以内に発症する可能性が高いのはどれか。2つ選べ。 a 意識障害 b 過眠 c けいれん d 作話 e 徐脈 20 甲状腺眼症でみられるのはどれか。2つ選べ。 a 眼球突出 b 眼瞼下垂 c 瞼裂開大 d 眼瞼けいれん e 眼瞼部拍動性雑音 21 71 歳の男性。6か月前からの排尿困難と夜間頻尿とを主訴に来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長162 cm、体重60 kg。体温36.4 ℃。脈拍72/分、整。血圧154/82 mmHg。呼吸数14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で超鶏卵大の前立腺を触知するが、硬結を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血清PSA 3.5 ng/ml(基準4.0以下)。国際前立腺症状スコア22 点(軽症0〜7点、中等症8〜19点、重症20〜35 点)。腹部超音波検査で推定前立腺体積58 ml。尿流測定で排尿量120 ml、最大尿流率3.8 ml/秒、残尿量210 ml。 対応として誤っているのはどれか。 a α1遮断薬の投与 b 抗コリン薬の投与 c 抗男性ホルモン薬の投与 d 5α還元酵素阻害薬の投与 e 経尿道的前立腺切除術 22 39 歳の男性。同性愛者。頭痛を主訴に来院した。2週前から微熱と全身倦怠感とを自覚していた。2日前から頭重感を伴うようになった。昨日から持続的な頭痛が加わり、次第に増悪してきたため受診した。これまでの経過で嘔吐したことはないという。意識レベルはJCSⅠ- 1。体温37.6 ℃。脈拍92/分、整。血圧162/70 mmHg。呼吸数21/分。SpO2 96 %(room air)。口腔内に白苔を認める。Kernig徴候は陽性である。血液所見:赤血球400万、Hb 13.2 g/dl、Ht 41 %、白血球6,200、血小板11 万。免疫学所見:CRP 8.2 mg/dl。HIV抗体陽性。脳脊髄液所見:外観は水様、初圧200 mmH2O(基準70〜170)、細胞数42/mm3(すべて単核球:基準0〜2)、蛋白55 mg/dl(基準15〜45)、糖40 mg/dl(基準50〜75)。脳脊髄液の墨汁染色標本(別冊No. 2)を別に示す。 診断として考えられるのはどれか。 a HIV脳症 b 神経梅毒 c 結核性髄膜炎 d トキソプラズマ脳炎 e クリプトコックス髄膜炎 別冊 No. 2 23 65 歳の男性。頸部腫瘤を主訴に来院した。6か月前から頸部に腫瘤を自覚しており、徐々に増大してきたため受診した。眼瞼結膜に貧血を認めない。左頸部に径2cmのリンパ節を3個、右腋窩に径2cmのリンパ節を1個触知する。いずれも弾性硬で圧痛はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球398万、Hb 11.0 g/dl、Ht 38 %、白血球6,300、血小板23 万。血液生化学所見:総蛋白7.5 g/dl、アルブミン4.8 g/dl、尿素窒素19 mg/dl、クレアチニン0.9 mg/dl、総ビリルビン0.8 mg/dl、AST 31 IU/l、ALT28 IU/l、LD 447 IU/l(基準176〜353)。胸腹部造影CTで縦隔リンパ節、腹腔内リンパ節および脾臓の腫大を認める。 次に行う検査として最も適切なのはどれか。 a 腹部超音波検査 b ポジトロンエミッション断層撮影 c 上部消化管内視鏡検査 d 骨髄生検 e 頸部リンパ節生検 24 52 歳の男性。健康診断で心雑音を指摘されたため来院した。自覚症状はない。脈拍68/分、整。血圧142/84 mmHg。心エコー図(別冊No. 3A、B)を別に示す。診断として考えられるのはどれか。 a 左房粘液腫 b 僧帽弁狭窄症 c 大動脈弁狭窄症 d 心房中隔欠損症 e 僧帽弁逸脱症候群 別冊 No. 3 A、B 25 78 歳の女性。2日前から全身倦怠感が強いことを主訴に来院した。尿量が少なく色が濃いことも気になっている。8月で猛暑日が続いていたが、胃腸が弱いので冷たい飲料を飲み過ぎないようにしていたという。悪心を認める。意識レベルはJCSⅠ- 1。体温37.8 ℃。脈拍96/分、整。血圧98/54 mmHg。呼吸数24/分。全身に発汗を認める。血液所見:赤血球426 万、Hb 14.2 g/dl、Ht 42 %、白血球13,300、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.2 g/dl、アルブミン4.2 g/dl、尿素窒素30 mg/dl、クレアチニン1.3 mg/dl、総ビリルビン1.6 mg/dl、AST 62IU/l、ALT 33 IU/l、LD 350 IU/l(基準176〜353)、γ-GTP 47 IU/l(基準8〜50)、Na 137 mEq/l、K 5.0 mEq/l、Cl 104 mEq/l。 現時点で使用する輸液製剤として適切なのはどれか。 a 脂肪乳剤 b 注射用蒸留水 c 5%ブドウ糖液 d 乳酸リンゲル液 e 高カロリー輸液製剤 26 25 歳の男性。ランニング中に自覚した右膝の痛みを主訴に来院した。右膝関節内側に腫脹を認める。右膝正面エックス線写真(別冊No. 4A)と病変部の生検組織のH-E 染色標本(別冊No. 4B)とを別に示す。 治療として適切なのはどれか。 a 抗悪性腫瘍薬の投与 b 放射線治療 c 大腿切断術 d 病巣搔爬・骨移植術 e 病巣広範切除・人工関節置換術 別冊 No. 4 A、B 27 70 歳の男性。定期健康診断で検査値の異常を指摘されたため来院した。1年前に脳梗塞の既往がある。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球468 万、Hb 13.9 g/dl、Ht 42 %、白血球12,300(桿状核好中球30 %、分葉核好中球45 %、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板250 万。骨髄検査では線維化を認めず、染色体は正常核型である。末~血塗抹May-Giemsa 染色標本(別冊No. 5A)と骨髄生検のH-E 染色標本(別冊No. 5B)とを別に示す。 診断として最も考えられるのはどれか。 a 骨髄線維症 b 慢性骨髄性白血病 c 骨髄異形成症候群 d 真性赤血球増加症 e 本態性血小板血症 別冊 No. 5 A、B 28 68 歳の女性。咳嗽、喀痰および全身倦怠感を主訴に来院した。2か月前から咳嗽と喀痰とがあり、自宅で経過をみていたが改善しなかった。1週前から37 ℃台の発熱と全身倦怠感とを伴うようになった。自宅近くの診療所で肺炎と診断されてセフェム系抗菌薬を投与されたが、症状が改善しないため紹介されて受診した。3年前から糖尿病腎症による腎不全で透析中である。診療所で撮影されて患者が持参した胸部エックス線写真(別冊No. 6)を別に示す。 外来でまず行うべきなのはどれか。 a 喀痰のGram 染色を行う。 b 胸部単純CTを予約する。 c 喀痰細胞診検査を依頼する。 d 医療従事者が手袋を装着する。 e 患者にサージカルマスクを装着させる。 別冊 No. 6 29 65 歳の男性。10 日前から市中肺炎の治療のため入院中である。肺炎は第三世代セフェム系抗菌薬による治療で軽快し、3日前に投薬終了となった。2日前から下痢が出現し、昨日は下痢が10 回以上認められた。体温37.2 ℃。脈拍96/分、整。血圧128/80 mmHg。呼吸数16/分。胸部に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音の亢進を認める。直腸指診で異常を認めない。下部消化管内視鏡写真(別冊No. 7)を別に示す。 治療のために経口投与するのはどれか。 a アムホテリシンB b アンピシリン c ガンシクロビル d バンコマイシン e リファンピシン 別冊 No. 7 30 62 歳の女性。腹痛と血便とを主訴に来院した。以前から時々便秘をする以外は自覚症状はなかったが、昨夜突然、左下腹部痛が出現し、直後に血便を認めた。腹痛は、排便後一時的に軽減したが今朝から増強し、悪心を伴うようになった。2時間前に再度血便を認めたため受診した。10 年前から自宅近くの診療所で高血圧症に対する治療を受けている。意識は清明。身長153 cm、体重54 kg。体温37.2 ℃。脈拍88/分、整。血圧120/84 mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98 %(room air)。腹部は平坦で、左下腹部に圧痛を認めるが、Blumberg徴候と筋性防御とを認めない。腸雑音は低下し、金属音を聴取しない。血液所見:赤血球350 万、Hb 11.0 g/dl、Ht 43 %、白血球9,200、血小板38万。血液生化学所見:尿素窒素19 mg/dl、クレアチニン1.2 mg/dl。CRP 5.0 mg/dl。立位と臥位の腹部エックス線写真(別冊No. 8A、B)を別に示す。 入院後の対応として適切なのはどれか。 a イレウス管による減圧術 b 開腹手術 c カテーテル塞栓術 d 大腸内視鏡による減圧術 e 保存的治療 別冊 No. 8 A、B 31 78 歳の男性。3時間前から持続する胸痛と冷汗とを主訴に来院した。1か月前に受けた健康診断では心電図の異常を指摘されなかった。10年前から脂質異常症を指摘されている。喫煙は20本/日を50年間。脈拍88/分、整。血圧162/98 mmHg。来院時の心電図(別冊No. 9)を別に示す。 診断として最も考えられるのはどれか。 a 急性心膜炎 b 肥大型心筋症 c 急性冠症候群 d 高血圧緊急症 e 大動脈弁狭窄症 別冊 No. 9 32 58 歳の女性。頭重感を主訴に来院した。10年前から時々洗顔時に鼻出血をきたすことがあったが、そのままにしていた。3か月前からふらつきを自覚するようになった。1週前から頭重感を自覚し、次第に増悪してきたため受診した。32 歳時に喀血したことがある。父と弟も、若年のころから鼻出血を繰り返していたという。意識は清明。身長156 cm、体重55 kg。体温36.6 ℃。脈拍92/分、整。血圧108/80 mmHg。呼吸数14/分。SpO2 92 %(room air)。眼瞼結膜に貧血を認めない。舌尖に小出血斑の点在を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見:赤血球498 万、Hb 14.9 g/dl、Ht 42 %、白血球5,200(桿状核好中球10 %、分葉核好中球42 %、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球39 %)、血小板22 万、PT 115 %(基準80〜120)。CRP 0.2 mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.42、PaCO2 32 Torr、PaO2 62 Torr、 HCO3- 20 mEq/l。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で両側肺野に異常陰影を認める。胸部単純CT(別冊No. 10)を別に示す。 この疾患の主な病態として正しいのはどれか。 a 拡散障害 b 肺胞低換気 c 死腔換気量増加 d 肺内右左シャント e 換気血流比不均等 別冊 No. 10 33 51 歳の女性。咳嗽と膿性痰とを主訴に来院した。3年前から咳嗽と喀痰とを自覚していたがそのままにしていた。6か月前から痰の性状が黄色となり、量も増加してきたため受診した。47 歳時に鼻茸切除術の既往がある。喫煙歴はない。体温36.3 ℃。脈拍88/分、整。血圧112/86 mmHg。呼吸数16/分。後鼻漏を認める。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。白血球7,800(桿状核好中球10 %、分葉核好中球50 %、好酸球1%、単球7%、リンパ球32 %)。CRP 0.5 mg/dl。肺機能検査所見:%VC 82 %、FEV1.0% 58 %。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.41、PaCO2 36 Torr、PaO2 73 Torr、HCO3- 22 mEq/l。喀痰Gram 染色標本で緑膿菌は認めるが、好中球による貪食像を認めない。胸部エックス線写真で両側肺野にびまん性粒状影を認める。胸部単純CT(別冊No. 11)を別に示す。 治療として適切なのはどれか。 a カルバペネム系抗菌薬の点滴静注 b エリスロマイシンの少量長期内服 c 副腎皮質ステロイドの内服 d 抗ウイルス薬の内服 e 抗結核薬の長期内服 別冊 No. 11 34 38 歳の男性。健康診断で検査値の異常を指摘されて来院した。意識は清明。体温36.8 ℃。脈拍84/分、整。血圧128/76 mmHg。呼吸数14/分。眼球結膜に軽度の黄染を認める。右上腹部に鶏卵大の腫瘤を触知する。血液所見:赤血球468 万、Hb 13.9 g/dl、Ht 42 %、白血球7,500、血小板38万。血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白7.5 g/dl、アルブミン3.9 g/dl、尿素窒素12 mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、IgG 1,610 mg/dl (基準960〜1,960)、総ビリルビン3.4 mg/dl、AST 157 IU/l、ALT 158 IU/l、LD 253 IU/l (基準176〜353)、ALP 924 IU/l (基準115〜359)、γ-GTP 307 IU/l(基準8〜50)、アミラーゼ32 IU/l(基準37〜160)。免疫学所見:CRP 0.5 mg/dl。HBs 抗原・抗体陰性、HCV抗体陰性。α-フェトプロテイン 12 ng/ml (基準20以下)、CEA 6.7 ng/ml (基準5以下)、CA19-9 51.3 U/ml(基準37以下)。腹部造影CT(別冊No. 12A)と内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真(別冊No. 12B)とを別に示す。 診断として最も考えられるのはどれか。 a 膵癌 b 胆囊癌 c 肝細胞癌 d 自己免疫性膵炎 e 十二指腸乳頭部癌 別冊 No. 12 A、B 35 83 歳の女性。両上腕の痛みと発熱とを主訴に来院した。3週前から両上腕と両肩とに疼痛とこわばりとが出現した。2週前からは37℃台の発熱を伴うようになった。3日前から大腿にも疼痛がひろがり昼過ぎまで布団から起き上がれなくなったという。体重が3週間で3kg減少した。体温37.5 ℃。脈拍80/分、整。血圧138/72 mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。疼痛のため腕を挙上できない。両側の上腕に圧痛を認める。関節に発赤と腫脹とを認めない。筋力は疼痛とこわばりのため正確に評価できない。赤沈78 mm/1時間。血液所見:赤血球328 万、Hb 9.9 g/dl、Ht 30 %、白血球6,300、血小板39万。血液生化学所見:総蛋白6.0 g/dl、尿素窒素12 mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、AST 24 IU/l、ALT 22 IU/l、LD 220IU/l(基準176〜353)、CK 31 IU/l(基準30〜140)、Na 138 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 102 mEq/l。 診断として最も考えられるのはどれか。 a 偽痛風 b 多発性筋炎 c 関節リウマチ d 大動脈炎症候群 e リウマチ性多発筋痛症 36 48 歳の女性。1か月前からの全身倦怠感を主訴に来院した。42 歳時に右乳癌の治療を受けている。乳癌はエストロゲン受容体陰性、HER2 陰性であった。身長158 cm、体重54 kg。体温36.4 ℃。脈拍72/分、整。血圧120/60 mmHg。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝の辺縁を触知する。血液所見:赤血球324 万、Hb 9.6 g/dl、Ht 34 %、白血球6,700、血小板36万。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dl、アルブミン4.0 g/dl、尿素窒素16 mg/dl、クレアチニン0.7 mg/dl、総ビリルビン0.6 mg/dl、AST 68 IU/l、ALT 80 IU/l。CA15-3150 U/ml(基準30 以下)。腹部造影CT(別冊No. 13)を別に示す。 治療として適切なのはどれか。 a 肝切除術 b 放射線治療 c ホルモン療法 d 全身抗癌化学療法 e 分子標的薬(トラスツズマブ)の投与 別冊 No. 13 37 75 歳の女性。階段を昇ったときに自覚する前胸部の違和感を主訴に来院した。症状は約1年前からあり、頻度や強さに変化はないという。身体診察所見に異常を認めない。胸部エックス線写真と安静時の12誘導心電図とに異常を認めない。アデノシン負荷201Tl 心筋血流SPECT の左室短軸像(別冊No. 14A、B)を別に示す。 原因として考えられるのはどれか。 a 冠攣縮 b 心筋炎 c 左室肥大 d 冠動脈狭窄 e 陳旧性心筋梗塞 別冊 No. 14 A、B 38 50 歳の女性。足の甲のむくみを主訴に来院した。7年前に関節リウマチと診断され、以後メトトレキサートによる治療を継続している。6か月前から腹痛と下痢とを認めるようになり、その頻度が増加してきた。2週前に出現した足背の浮腫が改善しないため受診した。身長154 cm、体重58 kg(6か月前と比べて4kgの体重増加)。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧128/68 mmHg。呼吸数14/分。足背に圧痕を伴う浮腫を認める。両側肩関節、両側手関節、右第2〜4中手指節間関節および両側膝関節に疼痛と腫脹とを認める。尿所見:蛋白3+、糖(-)、ケトン体(-)、潜血1+、沈渣に円柱を認めない。血液所見:赤血球328 万、Hb 9.8 g/dl、Ht 27 %、白血球11,800、血小板48万。血液生化学所見:総蛋白4.8 g/dl、アルブミン2.0 g/dl、尿素窒素28 mg/dl、クレアチニン1.2 mg/dl、総コレステロール328 mg/dl、トリグリセリド182 mg/dl。CRP 16 mg/dl。直腸生検でコンゴーレッド染色陽性の沈着物を認めた。 腎病変として最も考えられるのはどれか。 a 膜性腎症 b 間質性腎炎 c アミロイド腎症 d 巣状糸球体硬化症 e 膜性増殖性糸球体腎炎 39 54 歳の女性。言動が不自然であることを心配した家族に伴われて来院した。1週前に突然、非常に強い頭痛が出現し、自宅で休んでいた。今朝になって、ぼんやりして話のつじつまが合わないことに家族が気付いたという。35 歳時に高血圧症と診断され、降圧薬を服用中である。開眼しているが、名前と生年月日とが言えない。身長151 cm、体重47 kg。体温37.2℃。脈拍84/分、整。血圧138/86 mmHg。呼吸数18/分。右瞳孔は散大し、対光反射は消失している。正面視で右眼球は外転位である。右眼瞼を挙上できない。来院後、徐々に意識レベルが低下し、左片麻痺が出現した。 考えられるのはどれか。 a 出血性脳梗塞 b 正常圧水頭症 c 脳血管攣縮 d 脳室内出血 e 小脳出血 40 32 歳の女性。既婚。挙児希望を主訴に来院した。30 歳時の初回妊娠で、24週ころから羊水量が減少し、26 週で子宮内胎児死亡となった。児体重は330 g、女児であり、外表奇形を認めなかった。分娩後に下肢静脈血栓症の治療を受けたという。次回妊娠のための検査として最も必要性が高いのはどれか。 a 子宮卵管造影 b 血中TSH測定 c 夫婦の染色体検査 d 抗リン脂質抗体測定 e 血中プロゲステロン測定 41 78 歳の男性。黒色便を主訴に来院した。数日前から心窩部不快感を自覚していた。本日、突然の心窩部痛があり、黒色便に気付いたため受診した。2年前から腰痛のため、自宅近くの診療所で治療を受けている。意識は清明。身長168 cm、体重62 kg。体温36.8℃。脈拍92/分、整。血圧130/86 mmHg。呼吸数16/分。SpO298 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。腹部は平坦、軟で、心窩部に軽度の圧痛を認める。腸雑音は亢進している。直腸指診を行うと黒色便が付着した。緊急に施行した上部消化管内視鏡検査の写真(別冊No. 15A、B)を別に示す。 この患者から聴取された病歴で最も重視すべきなのはどれか。 a 胃がん検診の受診歴 b 下部消化管の検査歴 c 癌の家族歴 d 非ステロイド性抗炎症薬の内服歴 e Helicobacter pylori除菌歴 別冊 No. 15 A、B 42 64 歳の女性。息切れと食欲不振とを主訴に来院した。22 歳以降、健康診断のたびに蛋白尿、尿潜血および高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないため受診しなかった。最後に健康診断を受けたのは5年前である。2か月前に両下肢の浮腫が出現し、次第に増強してきた。1週前から歩行時の息切れを自覚し、3日前から食欲がなくなったため受診した。身長164 cm、体重66 kg。脈拍104/分、整。血圧174/104 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 84 %(room air)。マスクで酸素投与(6l/分)を開始した。眼瞼結膜は蒼白である。聴診で収縮期心雑音を聴取し、呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟である。両下肢に圧痕を伴う高度な浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血2+。血液所見:赤血球224 万、Hb 7.2 g/dl、Ht 20 %、白血球7,000、血小板16万。血液生化学所見:アルブミン2.4 g/dl、尿素窒素102mg/dl、クレアチニン9.2 mg/dl、総コレステロール280 mg/dl、Na 130 mEq/l、K 6.8 mEq/l、Cl 102 mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、6l/分酸素投与下):pH7.18、PaCO2 36 Torr、PaO2 98 Torr、HCO3- 13 mEq/l。胸部エックス線写真(別冊No. 16)を別に示す。 対応として適切なのはどれか。 a 血液透析の導入 b 人工呼吸器の装着 c アルブミンの投与 d HMG-CoA 還元酵素阻害薬の投与 e 炭酸水素ナトリウム液の大量投与 別冊 No. 16 43 42 歳の女性。1か月前からの全身倦怠感と高血圧とを主訴に来院した。36 歳時にうつ病との診断で抗不安薬と抗うつ薬とを処方され、継続して服用していた。1年前からめまいがあり、友人の勧めで様々なサプリメントや漢方薬を服用していたという。3か月前の健康診断では、血圧124/74 mmHg、尿蛋白(-)、尿潜血(-)、クレアチニン0.8 mg/dlであった。身長158 cm、体重52 kg。体温36.2 ℃。脈拍96/分、整。血圧162/102 mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜は蒼白である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟である。下腿に浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、潜血3+。血液所見:赤血球241 万、Hb 7.0 g/dl、Ht 21 %、白血球7,000、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.2 g/dl、アルブミン2.9 g/dl、尿素窒素46 mg/dl、クレアチニン6.9 mg/dl、尿酸6.1 mg/dl、Na 135 mEq/l、K4.5 mEq/l、Cl 102 mEq/l。CRP 0.5 mg/dl。腎生検のPAS染色標本(別冊No. 17)を別に示す。 この患者の検査所見として考えられるのはどれか。 a 抗核抗体陽性 b MPO-ANCA陽性 c 代謝性アルカローシス d 血中クリオグロブリン陽性 e 尿中β2 -ミクログロブリン高値 別冊 No. 17 44 86 歳の男性。右上腹部痛を主訴に来院した。数日前から食後の右上腹部痛と背部痛とが出現し、次第に増悪してきたため受診した。意識は清明。体温38.2℃。脈拍104/分、整。血圧108/62 mmHg。呼吸数18/分。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球458 万、Hb 12.9 g/dl、Ht 42 %、白血球16,100、血小板22 万。血液生化学所見:総蛋白7.6 g/dl、アルブミン3.9 g/dl、尿素窒素12 mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、総コレステロール246 mg/dl、総ビリルビン8.9 mg/dl、直接ビリルビン6.2 mg/dl、AST 761 IU/l、ALT 405 IU/l、LD 177 IU/l (基準176〜353)、ALP 563 IU/l(基準115〜359)、γ-GTP 231 IU/l(基準8〜50)、アミラーゼ2,436 IU/l(基準37〜160)、Na 136 mEq/l、K 4.5 mEq/l、Cl 98 mEq/l。免疫学所見:CRP 18 mg/dl。CEA 3.2 ng/ml(基準5以下)。腹部単純CT(別冊No. 18A)と十二指腸乳頭部内視鏡写真(別冊No. 18B)とを別に示す。 治療として適切なのはどれか。 a 抗菌薬の局所注入 b 膵頭十二指腸切除術 c 内視鏡的乳頭切開術 d アルゴンレーザー照射 e 体外衝撃波結石破砕術 別冊 No. 18 A、B 45 8歳の男児。発熱を主訴に来院した。1週前から39℃前後の発熱が持続していた。全身倦怠感、食欲不振および強い咽頭痛を伴うようになり、食事や水分が摂れなくなったため受診した。半年前に肺炎で入院し、アンピシリンによる治療を受けた際に、発疹が出現して治療薬を変更した既往がある。意識は清明。体温39.2 ℃。脈拍120/分、整。呼吸数24/分。両側の頸部に径2cmのリンパ節を3個触知する。リンパ節は表面平滑、軟で、圧痛なく可動性良好である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に軟らかな肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。皮膚緊張度の低下を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球420 万、Hb 12.8 g/dl、Ht39 %、白血球12,800(好中球30 %、好酸球1%、好塩基球1%、リンパ球56 %、異型リンパ球12 %)、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dl、アルブミン3.8 g/dl、尿素窒素20 mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST 320 IU/l、ALT 196 IU/l、LD 650 IU/l(基準277〜580)。咽頭の写真(別冊No. 19)を別に示す。 初期治療として適切なのはどれか。 a 輸液療法 b アシクロビルの投与 c 副腎皮質ステロイドの投与 d ペニシリン系抗菌薬の投与 e インターフェロンαの投与 別冊 No. 19 46 52 歳の男性。血便を主訴に来院した。1か月前から便に少量の血液が付着していることに気付いていた。徐々に血液の量が増加し改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。大腸内視鏡検査で肛門縁から10 cm口側に2型の全周性腫瘍を認める。胸腹部・骨盤部造影CTで、リンパ節転移、肝転移および肺転移を認めない。注腸造影写真(別冊No. 20)を別に示す。 選択すべき術式として適切なのはどれか。 a 直腸切断術 b Hartmann手術 c 高位前方切除術 d 低位前方切除術 e 経肛門的腫瘍摘除術 別冊 No. 20 47 63 歳の女性。未経妊。血性帯下の増量を主訴に来院した。6か月前から少量の褐色帯下に気付いていたという。50 歳で閉経した。身長152 cm、体重68 kg。血液所見:赤血球430 万、Hb 13.1 g/dl、Ht 39 %、白血球8,800、血小板24 万。免疫学所見:CA19-9 68 U/ml(基準37以下)、CA125 54 U/ml(基準35以下)。子宮内膜組織診で高分化型類内膜腺癌が検出された。骨盤部MRI のT2 強調矢状断像(別冊No. 21)を別に示す。 治療として最も適切なのはどれか。 a 子宮全摘出術 b 子宮動脈塞栓術 c 全骨盤放射線照射 d シスプラチンの投与 e 黄体ホルモンの投与 別冊 No. 21 48 66 歳の女性。1か月前からの頰部腫脹を主訴に来院した。28年前に慢性副鼻腔炎に対する手術の既往がある。歯肉部からの刺で粘稠な液体が吸引される。頭部単純CT 冠状断像(別冊No. 22A)と頭部MRI のT1 強調冠状断像(別冊No. 22B)とを別に示す。 診断として最も考えられるのはどれか。 a 上顎洞癌 b 歯性上顎洞炎 c 副鼻腔真菌症 d 慢性副鼻腔炎 e 術後性上顎囊胞 別冊 No. 22 A、B 49 45 歳の女性。左下腿の皮疹を主訴に来院した。1か月前に左下腿に紅斑が生じ、急速に拡大してきたという。30 歳時に潰瘍性大腸炎と診断され、自宅近くの診療所でメサラジンの内服治療を受けている。意識は清明。身長158 cm、体重52 kg。体温36.2 ℃。脈拍76/分、整。血圧134/80 mmHg。呼吸数16/分。左下腿に巨大 な潰瘍を認める。潰瘍面の細菌培養は陰性である。左下腿の写真(別冊No. 23)を別に示す。 診断として最も考えられるのはどれか。 a 蜂巣炎 b 環状肉芽腫 c 基底細胞癌 d 壊死性筋膜炎 e 壊疽性膿皮症 別冊 No. 23 50 9歳の男児。学校で教師や生徒と会話をしないことを指摘され、心配した両親に伴われて来院した。幼稚園の年長のころから、話しかけられてもうなずく程度となり、発語が乏しくなったという。家庭では幼少時から現在まで、家族と普通に会話している。生育歴は言葉の発達が少し遅れた程度で、目立った問題はなかった。成績は中位である。身体診察所見に異常を認めない。 最も考えられるのはどれか。 a 吃音症 b 自閉症 c 学習障害 d 行為障害 e 選択緘黙 51 54 歳の女性。咳嗽と発熱とを主訴に来院した。2日前から38.5 ℃の発熱と咳嗽とがあり、市販の総合感冒薬で様子をみていたが改善しなかった。高熱が持続し、咳嗽が増強してきたため受診した。喀痰を認めない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。2年前から室内でインコを飼っていたが、1週前に死んだという。意識は清明。体温38.7 ℃。脈拍88/分、整。血圧122/76 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。白血球7,300(桿状核好中球20 %、分葉核好中球55 %、好酸球2%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球17 %)。CRP 15 mg/dl。胸部エックス線写真(別冊No. 24)を別に示す。 この疾患に有効な抗菌薬はどれか。 a セフェム系 b ペニシリン系 c マクロライド系 d アミノ配糖体系 e カルバペネム系 別冊 No. 24 52 70 歳の女性。しばしば転ぶようになったことを主訴に来院した。1年前から、椅子から立ち上がったり車の後部座席から降りたりする際に尻もちをつくようになり、次第にその頻度が増加した。1か月前からしばしばむせるようになった。意識は清明。眼球運動は上下方向が制限されており、特に下方視で制限が著しい。入院後の患者の写真(別冊No. 25)を別に示す。 この疾患で認められるのはどれか。 a 静止時振戦 b 腱反射の消失 c 線維束性収縮 d 頸筋の筋緊張亢進 e 筋緊張の著明な左右差 別冊 No. 25 53 36 歳の女性。乏尿と浮腫とを主訴に来院した。2週前に発熱と咽頭痛とが出現した。昨日から尿量が減少し、全身に浮腫が出現してきた。頭痛も伴うようになったため受診した。体温36.0 ℃。脈拍72/分、整。血圧160/100 mmHg。呼吸数18/分。尿所見:蛋白1+、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野。血液所見:赤血球400 万、Hb 12.6 g/dl、Ht 34 %、白血球6,600、血小板22万。血液生化学所見:アルブミン4.2 g/dl、尿素窒素30 mg/dl、クレアチニン1.2 mg/dl、総コレステロール220 mg/dl。入院後7日に施行した腎生検のPAS染色標本(別冊No. 26A)と電子顕微鏡写真(別冊No. 26B)とを別に示す。 この患者の検査所見として考えられるのはどれか。2つ選べ。 a IgE 高値 b ASO高値 c 補体価低値 d 抗核抗体陽性 e MPO-ANCA陽性 別冊 No. 26 A、B 54 20 歳の男性。3年前からつまずきやすくなったことを主訴に来院した。両足関節の背屈が困難で、足尖が下垂している。凹足と下腿筋萎縮とを認める。同伴した父親にも軽度の下腿筋萎縮を認める。 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 短下肢装具の処方 b 神経ブロックの施行 c 経皮的電気刺激の施行 d 下肢の関節可動域訓練 e 副腎皮質ステロイドの投与 55 生後6日の男児。頭部の腫瘤を主訴に新生児搬送された。在胎39週2日、3,120gで頭位自然分娩で出生した。仮死はなかった。出生直後に頭部の腫瘤を認めていた。腫瘤は増大傾向にあり、黄疸と貧血とが出現して次第に増悪してきたため転院した。意識は清明。身長51.0 cm、体重3,080 g。両側の頭頂側頭部に径5cmの軟らかい腫瘤を触知する。大泉門の膨隆を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球233 万、Hb 8.7g/dl、Ht 23 %、白血球28,400、血小板28万、出血時間正常、PT 11秒(基準10〜14)、APTT 70秒(基準対照27〜40)、フィブリノゲン322 mg/dl(基準130〜380)。血液生化学所見:総ビリルビン16.2 mg/dl、直接ビリルビン0.1 mg/dl、AST 45IU/l、ALT 12 IU/l、LD 700 IU/l(基準335〜666)。入院時の頭部単純CT冠状断像(別冊No. 27)を別に示す。 確定診断に必要な検査項目はどれか。2つ選べ。 a 第Ⅶ因子活性 b 第Ⅷ因子活性 c 第Ⅸ因子活性 d 第)因子活性 e von Willebrand因子活性 別冊 No. 27 56 43 歳の男性。頭重感を主訴に来院した。1か月前から後頭部の頭重感を自覚していた。5年前の健康診断で高血圧を指摘されたが、治療を受けていなかった。身長168 cm、体重76 kg。脈拍80/分、整。血圧180/106 mmHg。胸部と腹部とに血管雑音を聴取しない。下腿に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球460 万、Hb 14.0 g/dl、Ht 44 %、白血球9,800、血小板21 万。血液生化学所見:血糖112 mg/dl、総蛋白6.8 g/dl、アルブミン3.7 g/dl、尿素窒素20 mg/dl、クレアチニン0.8 mg/dl、尿酸6.9 mg/dl、総コレステロール240 mg/dl、Na 145 mEq/l、K 3.0 mEq/l、Cl 103 mEq/l。胸部エックス線写真で心胸郭比50 %である。心電図で左室肥大を認める。 この患者の高血圧症のスクリーニングとして行う検査はどれか。2つ選べ。 a 血漿レニン活性測定 b 血清プロラクチン測定 c 血漿バソプレシン測定 d 経口ブドウ糖負荷試験 e 血漿アルドステロン測定 57 18 歳の女子。オートバイを運転中に転倒したため搬入された。意識は清明。頭部に外傷はないが、鼻出血を認める。顔面骨3D-CT(別冊No. 28A)と頭部単純CT(別冊No. 28B)とを別に示す。 この患者の症状として考えられるのはどれか。2つ選べ。 a 複視 b 左眼球突出 c 咬合障害 d 左顔面神経麻痺 e 左頰部知覚障害 別冊 No. 28 A、B 58 72 歳の男性。動悸を主訴に来院した。10年前から高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないため受診しなかった。2日前から感冒症状があった。6時間前から動悸を自覚し、改善しないため受診した。呼吸困難やめまいはないという。脈拍144/分、整。血圧120/76 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。心電図(別冊No. 29)を別に示す。 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。 a アトロピン b ニトログリセリン c プロプラノロール d ベラパミル e リドカイン 別冊 No. 29 59 32 歳の6回経妊4回経産婦。妊娠40週1日で、4,100 gの男児を経腟分娩した。分娩時間は28時間で、分娩時出血量は400 mlであった。分娩4時間後に、凝血塊を含む700 mlの性器出血を認めた。意識は清明。体温36.5 ℃。脈拍96/分、整。血圧96/48 mmHg。呼吸数18/分。腟鏡診で分泌物は血性中等量で、頸管と腟壁とに裂傷を認めない。内診で子宮口は2cm 開大し、子宮底は臍高で軟らかく触知する。血液所見:赤血球360 万、Hb 9.8 g/dl、Ht 37 %、白血球5,600、血小板30万。CRP 0.2 mg/dl。 分娩4時間後の出血の誘因として考えられるのはどれか。3つ選べ。 a 母体年齢 b 分娩回数 c 分娩週数 d 児体重 e 分娩時間 60 4歳の男児。5日前から続く強い腹痛と血便とを主訴に来院した。昨日から尿量が減少したという。体温38.2 ℃。脈拍120/分、整。血圧120/86 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96 %(room air)。顔面は蒼白である。眼球結膜に軽度の黄染を認める。前脛骨部にpitting edemaを認める。尿所見:蛋白3+、糖(-)、沈渣に赤血球多数/1視野。血液所見:赤血球298 万、Hb 7.0 g/dl、Ht 23 %、白血球23,000(桿状核好中球8%、分葉核好中球55 %、単球7%、リンパ球30 %)、血小板5万。末~血塗抹標本で破砕赤血球を認める。血液生化学所見:尿素窒素40 mg/dl、クレアチニン1.1 mg/dl(基準0.2〜0.4)、総ビリルビン3.5 mg/dl、AST 45 IU/l、ALT 16 IU/l、Na 128 mEq/l、K 5.5 mEq/l、Cl 97 mEq/l。 保護者への説明で適切なのはどれか。3つ選べ。 a 「抗菌薬が有効です」 b 「まず、点滴で治療を開始します」 c 「脳に障害が出ることがあります」 d 「病原菌のつくる毒素が原因です」 e 「ほとんどの患者さんには透析が必要になります」