106_B 01 多臓器不全患者の集中治療で適用される持続的血液濾過透析について、 カテーテルを留置するために穿刺する部位で適切なのはどれか。 a 腕頭静脈 b 前腕皮静脈 c 下大静脈 d 大腿静脈 e 大伏在静脈 02 反回神経麻痺をきたしにくいのはどれか。 a 胃癌 b 肺癌 c 食道癌 d 下咽頭癌 e 甲状腺癌 03 幼児における即時型食物アレルギーの診断で最も有用なのはどれか。 a 食物除去試験 b 食物負荷試験 c 特異的IgE 検査 d リンパ球刺激試験 e 皮膚プリックテスト 04 関節構成組織で、損傷によって部分的欠損が生じた場合に自然修復<内因性修復>が起こらないのはどれか。 a 骨 b 滑膜 c 靱帯 d 関節包 e 関節軟骨 05 尿路の機能について誤っているのはどれか。 a 尿管は蠕動運動で尿を輸送する。 b 陰部神経は蓄尿に関与する。 c 閉鎖神経は排尿に関与する。 d 前立腺にはα1受容体が分布する。 e 外尿道括約筋は随意筋である。 06 胸部エックス線写真(別冊No. 1A と胸部単純CT(別冊No. 1B とを別に示す。 胸部エックス線写真上の異常陰影と一致した病変が認められる胸部単純CTはどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 別冊 No. 1 A、B 07 在宅医療について正しいのはどれか。 a 薬剤師は訪問服薬指導を行うことができる。 b 家族は酸素吸入量を調整することができない。 c 介護者への精神的支援は在宅医療の対象でない。 d プライバシー保護のため患者の生活には立ち入らない。 e 医師は訪問診療を行うことを都道府県へ届け出る必要がある。 08 事業者が行う母性に関する保護措置として法令に基づいているのはどれか。 a 出産予定日の6週前になったので、休業させた。 b 妊娠希望の申出があったので、休日業務から外した。 c 妊婦健康診査の受診を希望したので、当日を欠勤とした。 d 通勤時の混雑が著しいため、産前休業を待たずに休業させた。 e 母性健康管理指導事項連絡カードの記載に従い、負担の大きい作業を制限した。 09 工場労働者の騒音性難聴について正しいのはどれか。 a 伝音性である。 b 両側性に生じる。 c 聴力は回復する。 d 1,000 Hz中心の聴力低下が生じる。 e 発症早期に日常会話の中で気付かれることが多い。 10 高カルシウム血症がみられないのはどれか。 a 副甲状腺機能低下症 b 成人T 細胞白血病 c サルコイドーシス d ビタミンD中毒 e 多発性骨髄腫 11 近年の我が国における悪性新生物死亡に関する動向で正しいのはどれか。 a 全がんの年齢調整死亡率は上昇している。 b 全がんの死亡者数は年間30万人を超えている。 c 全がんの死亡者数は死亡全体の50 %を超えている。 d 胃がんの年齢調整死亡率は上昇している。 e 女性の乳がんの年齢調整死亡率は低下している。 12 感染症と学校保健安全法による出席停止期間の基準の組合せで誤っているのはどれか。 a 百日咳-特有の咳が消失するまで b 麻疹-発疹が消失するまで c 流行性耳下腺炎-耳下腺の腫脹が消失するまで d 風疹-発疹が消失するまで e 水痘-すべての発疹が痂皮化するまで 13 心臓の弁について正しいのはどれか。 a 僧帽弁は三尖で構成される。 b 大動脈弁には腱索が付着する。 c 肺動脈弁輪周囲を刺激伝導系が走行する。 d 三尖弁と肺動脈弁には線維性連続がある。 e 僧帽弁輪周囲を左冠動脈回旋枝が走行する。 14 娩出された胎盤の肉眼的観察が診断に重要でないのはどれか。 a 前置胎盤 b 胎盤腫瘍 c 分葉胎盤 d 癒着胎盤 e 常位胎盤早期剝離 15 全身性炎症反応症候群の診断基準を満たしているのはどれか。 a 末梢血白血球数6,000/mm3 b 心拍数70/分 c 呼吸数15/分 d 尿量40 ml/時 e 体温35.0℃ 16 頭部MRI の造影T1 強調冠状断像(別冊No. 2 を別に示す。 別冊 No. 2 この病変によって生じる視野異常として考えられるのはどれか。 左眼視野右眼視野 a b c d e 17 作業とその影響の組合せで誤っているのはどれか。 a VDT作業-頸肩腕症候群 b 長時間労働-自殺 c 鉛取扱い作業-再生不良性貧血 d 石綿取扱い作業-肺線維症 e 振動工具取扱い作業-末梢循環不全 18 心エコー検査で計測できるのはどれか。 a 中心静脈圧 b 僧帽弁口面積 c 平均大動脈圧 d 左室収縮期圧 e 混合静脈血酸素飽和度 19 肝細胞癌に対する動脈塞栓術の適応となるのはどれか。 a 難治性腹水がある。 b 門脈本幹に腫瘍塞栓を認める。 c 肝両葉に腫瘍が多発している。 d PT 25 %(基準80〜120)である。 e 総ビリルビン6.3 mg/dlである。 20 地域住民の健康増進を目的とした活動はどれか。 a 介護施設の整備 b 禁煙教室の開催 c 特定健康診査の受診勧奨 d インフルエンザ予防接種の実施 e うつ病患者に対する社会復帰支援 21 正常経過における妊娠週数と超音波計測値の組合せで誤っているのはどれか。 a 妊娠6 週-胎囊2cm b 妊娠10 週-頭殿長3cm c 妊娠22 週-児頭大横径8cm d 妊娠24 週-胎児推定体重500 g e 妊娠28 週-羊水ポケット4cm 22 IgE 産生に関連が深いのはどれか。 a インターロイキン1 b インターロイキン2 c インターロイキン3 d インターロイキン4 e インターロイキン5 23 閉塞性黄疸で検査値が上昇する項目はどれか。 a 血中胆汁酸 b 末梢血白血球 c 血中アルブミン d 尿中ウロビリノゲン e 血中トランスサイレチン 24 疾患と検査法の組合せで有用性が低いのはどれか。 a 腎腫瘍-腹部造影CT b 尿管腫瘍-静脈性尿路造影 c 膀胱尿管逆流-尿管鏡検査 d 間質性膀胱炎-膀胱鏡検査 e 前立腺腫瘍-経直腸超音波ガイド下生検 25 2008 年時点において病床数が最も多いのはどれか。 a 結核病床 b 療養病床 c ICUの病床 d 感染症病床 e 診療所の病床 26 運動療法の目的として誤っているのはどれか。 a 関節拘縮の矯正 b 協調運動の改善 c 筋力の増大 d 持久力の改善 e 断裂靱帯の修復 27 平成19 年国民生活基礎調査の項目で、高齢者が要介護となる原因として最も頻度が高いのはどれか。 a 関節疾患 b 高齢による衰弱 c 骨折・転倒 d 認知症 e 脳血管疾患(脳卒中 28 手掌と足底とを除いた平均的なヒト表皮の厚さはどれか。 a 0.0002 mm b 0.002 mm c 0.02 mm d 0.2 mm e 2.0 mm 29 公費医療とその根拠となる法律の組合せで正しいのはどれか。 a 医療扶助-介護保険法 b 結核医療-感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律<感染症法> c 自立支援医療-高齢者の医療の確保に関する法律<高齢者医療確保法> d 措置入院-生活保護法 e 養育医療-児童福祉法 30 初感染の早期に産生され、感染防御に有効なのはどれか。 a IgA b IgD c IgE d IgG e IgM 31 放射線感受性の比較で正しいのはどれか。 ただし、「A>B」はAがBよりも放射線感受性が高いことを示す。 a 腺癌> 扁平上皮癌 b 神経細胞> 骨髄細胞 c 分化した細胞> 未分化な細胞 d 細胞周期S期> 細胞周期M 期 e 酸素分圧が高い組織> 酸素分圧が低い組織 32 突然死をきたしやすいのはどれか。 a 三尖弁閉鎖不全症 b 僧帽弁狭窄症 c 僧帽弁閉鎖不全症 d 大動脈弁狭窄症 e 大動脈弁閉鎖不全症 33 水疱内容の検索に有用なのはどれか。 a 硝子圧法 b Tzanck試験 c ダーモスコピー試験 d サーモグラフィー検査 e 苛性カリ直接鏡検法 34 臓器の移植に関する法律の平成21年改正によって、初めて可能となったのはどれか。 a 遺族の同意のない臓器摘出 b 親族以外への臓器の優先提供 c 15歳未満の者からの臓器提供 d 臓器移植を目的とした海外渡航 e 脳死した者の身体からの臓器摘出 35 左前腕の写真(別冊No. 3 を別に示す。 正中神経の運動神経伝導検査を行う際、電気刺激部位として適切なのはどれか。1つ選べ。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 別冊 No. 3 36 ビタミンB12の代謝について正しいのはどれか。1つ選べ。 a ヒトの体内で合成される。 b 内因子と結合して吸収される。 c 回腸末端部で吸収される。 d トランスフェリンと結合して細胞に輸送される。 e RNA合成に利用される。 37 災害拠点病院について正しいのはどれか。1つ選べ。 a 広域災害医療に対応する。 b 医療救護班の派遣機能を持つ。 c 救急救命士を配置する必要がある。 d 免震構造であることが指定要件である。 e 災害発生現場に最も近い病院が指定される。 38 臓器移植に伴う脳死判定に必須なのはどれか。1つ選べ。 a 輻輳反射 b 睫毛反射 c 前庭眼反射 d 咳反射 e 腱反射 39 我が国の将来推計人口で、2025 年に現時点よりも増加していることが予想されるのはどれか。1つ選べ。 a 総人口 b 年少人口 c 老年人口 d 従属人口指数 e 生産年齢人口 40 1歳の女児。発熱を主訴に来院した。2日前から咳と鼻汁とがみられ、昨日の夜から発熱を伴ったため受診した。10か月時に突発性発疹を罹患した際、けいれんがみられ、単純型熱性けいれんと診断された。体温39.0 ℃。脈拍116/分、整。呼吸数24/分。咽頭に著明な発赤を認める。口蓋扁桃は両側とも腫大しており、白苔が付着している。項部硬直を認めない。診察後、ベッドに仰臥していた患児が、突然けいれんし始めた。 対応として誤っているのはどれか。 a 患児の四肢の動きを観察する。 b けいれんの持続時間を確認する。 c 患児の周囲にある物を取り除く。 d 患児の口の中に舌圧子を挿入する。 e 患児の顔が上を向いた状態を避ける。 41 98 歳の女性。咳と発熱とを主訴に来院した。1週前から咳が出るようになり、2日前から発熱が出現したが、入院を嫌って自宅で我慢していた。症状が改善しないため心配して訪ねてきた家族に伴われて受診した。1人暮らしであり、最近まで日常的に畑仕事をしていたという。食欲に変化はなく食事は摂れており、全身倦怠感は訴えていない。意識は清明。身長154 cm、体重38 kg。体温38.5℃。脈拍96/分、整。血圧116/84 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97 %(room air 。右前胸部と右背部でcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球377 万、Hb 10.2 g/dl、Ht 33 %、白血球9,800、血小板23万。血液生化学所見:尿素窒素12 mg/dl、クレアチニン1.2 mg/dl。CRP 2.8 mg/dl。胸部エックス線写真で右下肺野に浸潤影を認める。 対応として適切なのはどれか。 a 酸素吸入 b 抗菌薬の投与 c モルヒネの投与 d 中心静脈栄養の開始 e 肺炎球菌ワクチンの接種 42 51 歳の男性。特定健康診査の結果、薬物治療の要否について医師の判断を求める必要があると判定された。特定健康診査の結果を示す。 身長168 cm、体重70 kg、腹囲88 cm。血圧156/82 mmHg。血液生化学所見:空腹時血糖102 mg/dl、トリグリセリド152 mg/dl、HDLコレステロール45 mg/dl、LDLコレステロール124 mg/dl(基準65〜139 。 医療機関受診を勧奨する根拠となった項目はどれか。 a 血圧 b 空腹時血糖 c トリグリセリド d 総コレステロール e HDLコレステロール 43 58 歳の男性。2時間前に突然、右側の手足が動かしにくくなったことを主訴に家族に伴われて来院した。53 歳時から職場の健康診断で高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないためそのままにしていたという。意識は清明。体温36.4 ℃。脈拍84/分、整。血圧178/92 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98 %(room air 。右顔面神経不全麻痺を認める。右上下肢にBarré 徴候と腱反射亢進とを認める。病的反射と感覚障害とを認めない。頭部CTには明らかな異常を認めない。緊急で頭部MRI を撮影することとした。 この患者の病変を描出できる可能性が高いのはどれか。 a FLAIR像 b T1 強調像 c T2 強調像 d T2*強調像 e 拡散強調像 44 64 歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。4日前に左胸痛と息切れとが出現し、次第に増悪してきたため受診した。体温36.2 ℃。脈拍100/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸数20/分。SpO2 92 %(room air 。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。左胸部に呼吸音を聴取しない。血液所見:赤血球420 万、Hb 13.0 g/dl、Ht 37 %、白血球4,400(桿状核好中球5%、分葉核好中球60 %、好酸球1%、好塩基球2%、単球7%、リンパ球25 % 、血小板21 万。CRP 0.4 mg/dl。来院時の胸部エックス線写真(別冊No. 4A を別に示す。入院後、胸腔ドレーンを挿入したところ、直後から咳嗽と泡沫状の喀痰とが出現した。この時点の胸部エックス線写真(別冊No. 4B を別に示す。 胸腔ドレーン挿入後の病態として正しいのはどれか。 a 肺炎 b 肺水腫 c 無気肺 d 肺胞出血 e うっ血性心不全 別冊 No. 4 A、B 45 16 歳の女子。腹部膨満と無月経とを主訴に、母親に伴われて来院した。最終月経は記憶があいまいではっきりしない。母親は1か月前から腹部膨満に気付いていたという。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。初経13 歳。月経周期30日型、整。月経は5日間で、経血量は中等量である。未婚。身長158 cm、体重64kg。脈拍80/分、整。血圧114/62 mmHg。子宮底長24 cm、腹囲86 cm。前脛骨部に浮腫を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。腹部超音波検査で子宮内に胎児を認め、胎児推定体重750 g、羊水指数 10.4 cmである。胎児心拍は130/分である。妊娠25 週相当と診断した。 現時点での本人と母親への説明として適切なのはどれか。 a 「両親学級は受講できません」 b 「出産後に児童相談所に連絡しましょう」 c 「母子健康手帳を交付してもらってください」 d 「パートナーには知らせる必要はありません」 e 「ご両親の許可があれば人工妊娠中絶を行うことができます」 46 83 歳の男性。3日前に転院してきた。1か月前にオートバイと接触し、左大腿骨骨折と左橈骨骨折とを受傷したが、順調に回復し、リハビリテーション目的で転院となった。転院直後から、夜間せん妄が出現していた。本日、看護師が階段の踊り場で心肺停止状態となっている患者を発見した。医師が死亡確認し検案したところ、頭部に出血を伴う皮膚損傷を認めた。 対応として適切なのはどれか。 a 監察医に連絡する。 b 保健所に届け出る。 c 死亡診断書を作成する。 d 所轄の警察署に届け出る。 e 医療安全支援センターに届け出る。 47 21 歳の男性。引きこもりを心配した両親に伴われて来院した。1年前から大学の講義を休んで自室に引きこもり、独り言を言うようになった。患者は「外に出ると、誰もいないのに自分への悪口が聴こえる」と言う。応対は穏やかであるが、「自分は病気ではない」と治療を拒否した。両親は入院治療を希望している。 この患者に適用される入院形態で正しいのはどれか。1つ選べ。 a 保護者の同意が必要である。 b 入院期間には72 時間以内という制限がある。 c 精神保健指定医の診察に基づいて判断される。 d 人権擁護に関する行政機関の職員との面会を制限できる。 e 患者が手紙を出したり受け取ったりすることを制限できる。 48 生後16時間の新生児。在胎28 週0日、体重1,220 gで出生した。Apgarスコア7点(1分)、点(5分)。多呼吸とチアノーゼとをきたしている。 他に認められる可能性が高いのはどれか。3つ選べ。 a 呻吟 b 喘鳴 c 陥没呼吸 d 鼻翼呼吸 e 吸気時間の延長 次の文を読み、49〜51 の問いに答えよ。 63 歳の男性。発熱と腹痛とを主訴に来院した。 現病歴: 昨日から38 ℃台の発熱と腹部全体の痛みとがある。痛みは持続的で、下痢と嘔吐とはない。家族の話では、いつもと比べて何となくぼんやりしているという。 既往歴: 53 歳時にC型肝炎を、60 歳時に肝硬変を指摘された。 生活歴: 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴: 父親が脳梗塞のため84 歳で死亡。 現症: 意識レベルはJCSⅠ- 2。体温38.1 ℃。脈拍96/分、整。血圧106/56mmHg。呼吸数24/分。腹部は膨隆し、打診では仰臥位から左側臥位への体位変換で濁音境界が移動する。腹部全体に軽度の圧痛を認める。 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球295 万、Hb 9.2 g/dl、Ht 27 %、白血球4,200、血小板4.3 万。血液生化学所見:総蛋白5.8 g/dl、アルブミン2.6 g/dl、尿素窒素15 mg/dl、クレアチニン0.9 mg/dl、総ビリルビン1.0mg/dl、AST 94 IU/l、ALT 64 IU/l、ALP 230 IU/l(基準115〜359 、アンモニア73 μg/dl(基準18〜48 。腹部超音波検査で肝臓に腫瘤を認めない。 49 認められる可能性がある身体所見はどれか。3つ選べ。 a 手掌紅斑 b 下腿浮腫 c Osler結節 d 頸静脈の虚脱 e アステレキシス 50 病態把握のために最も重要な検査はどれか。 a 血液培養 b 腹部MRI c 胸部造影CT d 腹腔穿刺(腹水検査 e 上部消化管内視鏡検査 51 治療として適切でないのはどれか。 a 安静 b 塩分制限 c 利尿薬の投与 d 抗菌薬の投与 e 高蛋白食の摂取 次の文を読み、52〜54 の問いに答えよ。 72 歳の女性。発熱と皮疹とを主訴に娘に伴われて来院した。 現病歴: 1か月前から上半身の皮疹と発熱とがみられるようになった。発熱とともに皮疹が出現し、解熱とともに皮疹が消失するということが連日繰り返された。2週前から起床時に膝の痛みがあった。一昨日から発熱のピークが39 ℃を超えるようになったため受診した。 既往歴: 18 歳時に虫垂炎で手術。45 歳時に子宮筋腫を指摘された。 生活歴: 夫と娘との3人暮らし。 家族歴: 母親が心筋梗塞のため75 歳で死亡。 現症: 意識は清明。身長155 cm、体重58 kg。体温39.1 ℃。脈拍60/分、整。血圧162/70 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96 %(room air 。皮膚は湿潤である。咽頭に発赤を認めない。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頸部から前胸部にかけて淡い紅斑を認める。右後頸部で無痛性のリンパ節腫脹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を3cm 触知する。両側の膝関節に腫脹を認めない。 検査所見: 赤沈120 mm/1時間。血液所見:赤血球368 万、Hb 10.1 g/dl、Ht38 %、白血球14,260、血小板41万。血液生化学所見:総蛋白6.5 g/dl、アルブミン2.9 g/dl、尿素窒素7.0 mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、尿酸7.2 mg/dl、総コレステロール226 mg/dl、トリグリセリド130 mg/dl、総ビリルビン0.9 mg/dl、AST 120 IU/l、ALT 74 IU/l、LD 776 IU/l (基準176〜353)、ALP 630 IU/l (基準115〜359)、γ-GTP 108 IU/l (基準8〜50)、CK 21 IU/l (基準30〜140)、Na 137mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 97 mEq/l。フェリチン50,800 ng/ml (基準20〜120)。免疫学所見:CRP 12 mg/dl。HTLV-1抗体陰性、HIV抗体陰性、HA抗体陰性、HBs 抗原・抗体陰性、HCV抗体陰性、EBV抗体陰性。リウマトイド因子陰性、抗核抗体20 倍(基準20以下 、可溶性IL-2受容体基準範囲内。胸部エックス線写真で心胸郭比50 %。骨髄血塗沫染色標本で異常所見を認めない。胸腹部造影CTで頸部、鎖骨上、縦隔、傍大動脈領域および骨盤腔内に多数のリンパ節腫脹を認める。頸部リンパ節生検で悪性所見を認めない。 52 この病態に特徴的な症候はどれか。 a 霧視 b 皮下結節 c 関節の変形 d 側頭動脈の硬結 e サーモンピンク疹 53 この患者の検査結果として予想されるのはどれか。 a 好中球の増加 b 血清ACE の高値 c 血清補体価の低下 d 異型リンパ球の増加 e 抗好中球細胞質抗体価の高値 54 現時点の対応として最も適切なのはどれか。 a クーリング b 肝庇護薬の投与 c 経口抗菌薬の投与 d 副腎皮質ステロイドの投与 e 非ステロイド性抗炎症薬の投与 次の文を読み、55〜57 の問いに答えよ。 55 歳の女性。背部の痛みを主訴に来院した。 現病歴: 5日前から左の背部に痛みを自覚していた。痛みは、左の肩甲下角から側胸部にかけて皮膚表面がピリピリする感じであった。昨日鏡で患部を見たところ、皮膚病変が出現していたため受診した。 既往歴: 51 歳時に胃癌で手術を受けた。サバを食べた後、全身に蕁麻疹を生じたことがある。 生活歴: 夫と長女との3人暮らし。ネコを匹飼っている。 家族歴: 長女がアトピー性皮膚炎である。 現症: 身長152 cm、体重55 kg。体温37.0 ℃。脈拍72/分、整。血圧120/72mmHg。呼吸数14/分。左の肩甲下角から側胸部にかけて皮膚病変を認める。背部の写真(別冊No. 5 を別に示す。 別冊 No. 5 55 この病変を特徴づける皮疹の種類はどれか。 a 紅斑 b 水疱 c 囊腫 d びらん e 膨疹 56 診断と治療のために、患者に確認すべきことはどれか。 a 喫煙歴 b 水痘の既往 c 東南アジアへの渡航歴 d 野生動物との接触の有無 e 長女のアトピー性皮膚炎の状況 57 治療薬として適切なのはどれか。 a 抗菌薬 b 解熱薬 c 抗真菌薬 d 抗ウイルス薬 e 抗アレルギー薬 次の文を読み、58〜60 の問いに答えよ。 78 歳の男性。意識障害のため家族に伴われて来院した。 現病歴: 3日前から発熱と黄色痰を伴う咳とが続いていたが、病院に行くのを嫌がっていた。いつもの時間に起きてこないため家族が部屋に様子をみに行ったところ、呼びかけに対する反応が悪い患者を発見し、家族が乗用車で救急外来に連れてきた。 既往歴: 43 歳から高血圧症で内服加療中。55 歳から糖尿病で内服加療中。 生活歴: 長男家族と同居。 現症: 意識レベルはJCSⅡ- 10。体温39.0℃。心拍数118/分、整。血圧84/42mmHg。呼吸数28/分。SpO2 90 %(room air 。四肢末梢の皮膚は温かく、軽度の発赤を認める。刺激に対する上下肢の動きは良好である。左の背部下方にcoarse cracklesを聴取する。 58 この患者の病態として最も考えられるのはどれか。 a 閉塞性ショック b 心原性ショック c 敗血症性ショック d 神経原性ショック e 循環血液量減少性ショック 59 検査所見: 血液生化学所見:Na 144 mEq/l、K 4.5 mEq/l、Cl 108 mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air :pH 7.21、PaCO2 26 Torr、PaO2 60 Torr、HCO3- 10 mEq/l。 この患者の酸塩基平衡状態の診断として正しいのはどれか。 a 呼吸性アルカローシス b 呼吸性アシドーシス c 代謝性アルカローシス d アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシス e アニオンギャップ非開大性の代謝性アシドーシス 60 酸素投与、モニター装着および静脈路確保を行い、輸液を開始した。 現時点から数時間後までの治療の効果を判断するのに最も適切な指標はどれか。 a 体温 b 脈圧 c 心拍数 d 時間尿量 e 二酸化炭素分圧 61 乳幼児の身体診察の一般的な順序として正しいのはどれか。 a 頭頸部→胸部→腹部 b 頭頸部→腹部→胸部 c 胸部→頭頸部→腹部 d 胸部→腹部→頭頸部 e 腹部→胸部→頭頸部 f 腹部→頭頸部→胸部 62 48 歳の女性。28 歳で筋萎縮性側索硬化症を発症し、35 歳で人工呼吸器を装着した。眼瞼・眼球運動機能が残存しているため開閉眼で意思疎通を行うことができ、コンピュータやインターネットを駆使して地域の患者会の会長をしている。 国際生活機能分類によるこの患者の評価で正しいのはどれか。 機能障害 活動制限 参加制約 a あり あり あり b あり あり なし c あり なし なし d なし あり なし e なし なし あり f なし なし なし