106_C 01 呼吸困難をきたしにくいのはどれか。 a 声門癌 b 喉頭肉芽腫 c 急性喉頭蓋炎 d 急性声門下喉頭炎 e 両側反回神経麻痺 02 心肺停止患者へのアドレナリン投与経路で最も適切なのはどれか。 a 皮下 b 筋肉内 c 静脈内 d 心腔内 e 気管内 03 右鎖骨下静脈穿刺で起こりやすい合併症はどれか。 a 肺炎 b 気胸 c 無気肺 d 胸管損傷 e 反回神経麻痺 04 発熱を伴わないのはどれか。 a 腎膿瘍 b 急性腎盂腎炎 c 急性膀胱炎 d 急性前立腺炎 e 急性精巣上体炎 05 外傷後ストレス障害の特徴でないのはどれか。 a 侵入的な回想 b 持続的な過覚醒 c 周囲への無反応 d 外傷体験を回想させる状況の回避 e 強いストレスを経験した直後の発症 06 運動発達が正常な4か月の乳児が可能なのはどれか。 a お坐り b 頸定 c つかまり立ち d 寝返り e はいはい 07 高齢者の転倒予防対策にならないのはどれか。 a 筋力訓練の実施 b 服薬状況の確認 c 弾性包帯の装着 d 歩行補助具の利用 e 床の段差をなくす改装 08 胸部エックス線写真で左第3弓の突出がみられやすいのはどれか。 a 僧帽弁狭窄症 b 肥大型心筋症 c 陳旧性心筋梗塞 d 大動脈弁狭窄症 e 大動脈弁閉鎖不全症 09 産科外来に備えられている物品の写真8別冊No. 1 ①〜⑤:を別に示す。 Bishopスコアの決定に必要なのはどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 別冊 No. 1 ①〜⑤ 10 腹部診察所見と病態・疾患の組合せで誤っているのはどれか。 a 下腹部の膨隆尿閉 b 腹壁の反跳痛腹膜炎 c 肺肝境界の消失消化管穿孔 d 臍周囲の血管雑音門脈圧亢進症 e 無痛性の右季肋部腫瘤十二指腸乳頭部癌 11 症候と英語表記の組合せで誤っているのはどれか。 a 黄疸jaundice b けいれんconvulsion c 不整脈anorexia d 脱水dehydration e 便秘constipation 12 症例対照研究について正しいのはどれか。 a 結果が出るまでの観察期間が長期にわたる。 b 症例群と対照群とに無作為に割り付ける。 c 症例群と対照群との情報を収集する。 d 交絡因子の影響を受けない。 e 寄与危険度を計算できる。 13 院内感染のリスクとなりにくいのはどれか。 a 褥瘡処置 b 持続導尿 c 腰椎穿刺 d 人工呼吸 e 中心静脈栄養 14 食事療法の重要性が特に高いのはどれか。 a うつ病 b 慢性腎不全 c 更年期障害 d 甲状腺機能亢進症 e 慢性炎症に伴う貧血 15 医の倫理原則に含まれないのはどれか。 a 与益 b 公正 c 効率 d 無危害 e 自律尊重 16 24 歳の女性。発熱を主訴に来院した。3日前から発熱しており、最高は39.5 ℃であった。排尿回数が多くなったことを自覚しており、本日から排尿時痛を伴っているという。頭痛はなく、上気道炎症状は伴っていない。既往歴に特記すべきことはない。 確認すべき身体診察所見はどれか。 a 上眼瞼の黄色腫 b 鼻中隔粘膜の発赤 c 胸部肋軟骨部の圧痛 d 肋骨脊柱角の叩打痛 e 前脛骨部の浮腫 17 36 歳の男性。自宅で誤って熱湯を浴びたため搬入された。意識は清明。身長178cm、体重82 kg。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧126/70mmHg。呼吸数24/分。胸部、腹部および右上肢全体に紅斑とびらんとを認める。 この患者の受傷面積の割合として正しいのはどれか。 ただし、「9の法則」で計算するものとする。 a 9% b 18 % c 27% d 36% e 45 % 18 38 歳の女性。無月経と吐き気とを主訴に来院した。最終月経は8週前、月経周期は28〜40日である。1週前から、早朝に悪心を自覚するようになったが、嘔吐に至ったことはない。水分は摂取できている。2週前に一度、少量の褐色帯下がみられた。体温37.2 ℃。脈拍80/分、整。血圧114/72 mmHg。腟鏡診上、腟分泌物は白色で子宮口は閉鎖している。子宮と付属器とに圧痛を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)。尿妊娠反応陽性。血液所見:赤血球400 万、Hb12.0 g/dl、Ht 38 %、白血球8,500、血小板21万。CRP 0.5 mg/dl。経腟超音波検査で子宮内に直径20 mm の胎囊と心拍動を有する胎芽とを認め、左付属器に径3cm の囊胞性腫瘤を認める。 現時点の対応として適切なのはどれか。 a 輸液 b 経過観察 c 左付属器摘出術 d 子宮内容除去術 e 非ステロイド性抗炎症薬の投与 19 52 歳の男性。会社の定期健康診断で肝障害を指摘され来院した。喫煙歴はない。飲酒は日本酒3合/日を19年間。運動は週2日、1日1時間のテニスを10年間続けている。単身赴任であるが夕食は自分で作ることが多い。身長170 cm、体重63kg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液生化学所見:空腹時血糖95mg/dl、HbA1c 4.8 %8基準4.3〜5.8:、アルブミン4.2 g/dl、AST 21 IU/l、ALT 23 IU/l、γ-GTP 150 IU/l8基準8〜50:。免疫学所見:HBs 抗原陰性、HCV抗体陰性。 現時点の指導として適切なのはどれか。 a 食後の安静 b 体重の減量 c 飲酒の制限 d 運動量の増加 e 外食回数の制限 20 78 歳の男性。尿が出なくなったことを主訴に来院した。3日前に頭痛と咽頭痛とを自覚し、自宅近くの診療所で感冒薬を処方された。昨晩から尿がたらたらとしか出なくなり下腹部痛を認めたため、受診した。身長165 cm、体重60 kg。体温36.0 ℃。脈拍64/分、整。血圧156/86 mmHg。下腹部は膨隆し、直腸指診で鶏卵大の前立腺を触知する。腹部超音波検査所見上、膀胱は多量の尿で拡張している。 現時点の対応として適切なのはどれか。 a 導尿 b 膀胱穿刺 c 尿道ブジー d 膀胱鏡検査 e 利尿薬の投与 21 64 歳の女性。2週前から、家庭用血圧計で測定した脈拍が毎分90 回を超えるようになったことを心配して来院した。1週前から、2階まで階段を昇ると息切れを自覚するようになった。食生活に偏りはなく、過去1年の体重は一定しており、便通は5日に1回程度、黒色調であったという。体温36.2 ℃。脈拍96/分、整。血圧132/72 mmHg。呼吸数24/分。眼瞼結膜は蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺の腫大を認めない。胸骨左縁第3肋間を最強点とするⅡ/Ⅵ度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に腫瘤や圧痛を認めない。 診察する部位で最も重要なのはどれか。 a 上肢 b 乳房 c 脊柱 d 直腸 e 下肢 22 45 歳の女性。職場の健康診断で胸部エックス線写真の異常陰影を指摘され、精査のために入院した。入院当日に、個室となっている面談室において、担当の研修医が病歴聴取を行うこととなった。その際の会話を示す。 研修医「これまでに大きなご病気をされたことがありますか」 患者「特にありません」 研修医「それでは、ご家族の健康状態はいかがですか」 患者「母は元気ですが、父は…父は、胃癌で2か月前に亡くなって…」 研修医「わかりました。それでは、ご兄弟についてはいかがですか」 患者「…はい。健在です。病気のことは特に聞いていません」 会話の間、この研修医は緊張気味で、メモを注視しており、早口で話した。 研修医の言動で問題があるのはどれか。 a 専門用語を使っている。 b 質問が順序立っていない。 c 評価的態度をとっている。 d 患者の感情面に対応していない。 e 患者のプライバシーを守っていない。 23 58 歳の男性。タクシーの運転手。独身。職場の健康診断で検査値の異常を指摘されたため来院した。持参した健康診断の結果はHbA1c 7.2 %(基準4.3〜5.8)であった。身長168 cm、体重80 kg。初診時は、食事の管理と適度の運動とを中心に生活習慣を改善するよう指導した。3か月後の再診時、体重は81 kgとなっていた。本人は「生活習慣を改善する努力はしたが、勤務時間が不規則で深夜勤務も多いので、規則的な食生活は無理だ」と言う。 この患者の行動変容を促すための現時点の対応で適切なのはどれか。 a 半年後の目標体重を患者とともに設定する。 b 行動変容ができていないことを強く指摘する。 c 食生活を監督できる家族や知人との同居を勧める。 d 糖尿病性壊疽で足を切断した他の患者の写真を見せる。 eより規則的な勤務体制で就労できる仕事への転職を勧める。 24 38 歳の男性。脱力を主訴に来院した。昨日、猛暑の中で1時間ジョギングをした。その後、下肢の疼痛と脱力とが出現して軽快しないため受診した。尿は昨夜から赤褐色を呈しているという。身長170 cm、体重72 kg。体温37.2 ℃。脈拍88/分、整。血圧136/80 mmHg。呼吸数14/分。尿所見:蛋白(+-)、潜血3+、沈渣に赤血球1〜4/1視野。 病態として考えられるのはどれか。 a 遊走腎 b 尿路結石症 c 坐骨神経痛 d 横紋筋融解症 e 下肢深部静脈血栓症 25 50 歳の男性。右下腹部痛を主訴に来院し、急性虫垂炎の診断で入院となった。末梢静脈路を確保し、抗菌薬の点滴静注を開始したところ、気分不良を訴え意識を失った。直ちに応援の医師と看護師とを呼んだ。 応援が来るまでに、まず行うべき対応として適切なのはどれか。 a プロプラノロールの静脈内投与 b アトロピンの筋肉内投与 c 腹部超音波検査 d 点滴の中止 e 気管挿管 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。 88 歳の男性。意識障害のため搬入された。 現病歴: 元来、軽度の物忘れと難聴とがあるが、1人で杖をついて散歩をするなどして元気に過ごしていた。数日前から風邪気味となり、食欲が徐々に低下した。本日、ぐったりして言葉がはっきりしなくなったため、同居している長男が救急車を要請した。 既往歴: 68 歳時に糖尿病と高血圧症とを指摘された。自宅近くの診療所に通院して、10 種類の薬剤を処方されているが、飲み忘れや飲み間違いが多いという。 生活歴: 長男家族と同居。 家族歴: 長男が高血圧症で加療中。 現症: 意識レベルはJCSⅡ- 10。体温37.3 ℃。脈拍104/分、整。血圧98/60mmHg。呼吸数28/分。SpO2 96 %(2L/分酸素投与下)。発汗が著明である。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。右上下肢に軽度の筋力低下を認める。膝蓋腱反射に左右差を認めない。病的反射を認めない。 26 最初に行うべき検査はどれか。 a 頭部CT b 血糖測定 c 心電図検査 d 脳脊髄液検査 e 動脈血ガス分析 27 入院することとなった。 入院後に生じ得る合併症として、入院初日から留意する必要性が低いのはどれか。 a 誤嚥 b 褥瘡 c 転倒 d せん妄 e 白内障 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。 32 歳の男性。風邪が治らないことを主訴に来院した。 現病歴: 8日前に全身倦怠感と咽頭痛とが出現した。風邪をひいたと考え、数日は睡眠を長めにとって様子をみていたが、改善しなかった。4日前から耳閉感が出現し、37.5 ℃の発熱もみられた。2日間仕事を休み、市販の総合感冒薬を服用していたが、症状が改善しないため受診した。鼻汁、鼻閉感および咳はない。頭痛はないが、頸部から後頭部にかけて重たい感じがあるという。 既往歴: スギ花粉症。 生活歴: 妻との2人暮らし。事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴: 父親が高血圧症で薬物治療中。母親が糖尿病で食事療法中。 28 身体診察を開始しようとしたときに、患者が「市販の風邪薬では治らなかったので、風邪に効く抗生物質を出していただけますか」と尋ねてきた。 現時点の医師の返答として最も適切なのはどれか。 a 「抗生物質は風邪には効果がありません」 b 「抗生物質は副作用があるので出しません」 c 「抗生物質を出すか出さないかは、私が決定します」 d 「抗生物質が必要かどうか、診察の後で説明します」 e 「医学用語では抗生物質ではなく抗菌薬と言います」 29 現症: 意識は清明。身長165 cm、体重60 kg。体温37.4 ℃。脈拍88/分、整。血圧126/80 mmHg。咽頭粘膜に発赤を認めない。口蓋扁桃は軽度に腫大している。両側の胸鎖乳突筋の後縁に、径1cm の軟らかく圧痛のないリンパ節を2、3個ずつ触知する。 肝と脾との腫大をみるために腹部診察を行おうとしたところ、患者が「おなかの診察までするのですか」と尋ねた。 現時点の医師の対応で最も適切なのはどれか。 a 他の医師に交代することを患者に提案する。 b 腹部の診察は行わずに身体診察を終了する。 c 質問には返答せず、そのまま腹部の診察を続ける。 d 診察を中断し、腹部診察の必要性について説明する。 e 身体診察では医師の指示に従う必要があると説明する。 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。 62 歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、1週前から再び増悪したため来院した。2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、1日中ベッドに横になっていることが多かったという。 既往歴: 特記すべきことはない。 生活歴: 娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。 家族歴: 父親が大腸癌のため72歳で死亡。 現症: 意識は清明。身長152 cm、体重42 kg。体温36.2 ℃。脈拍76/分、整。血圧118/76 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm 触知する。 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球382 万、Hb 10.6 g/dl、Ht 36 %、白血球5,300、血小板17万。血液生化学所見:血糖98 mg/dl、総蛋白6.1 g/dl、アルブミン2.9 g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8 mg/dl、総ビリルビン1.2 mg/dl、AST 78 IU/l、ALT 66 IU/l、LD 477 IU/l(基準176〜353)、ALP 483 IU/l(基準115〜359)、γ-GTP 132IU/l(基準8〜50)、Na 139 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 97 mEq/l。 30 疼痛コントロール目的で入院の上、オピオイドの投与を開始することとなった。 対応として適切なのはどれか。 a 直ちに非経口薬を用いる。 b NSAIDsの投与を中止する。 c 疼痛時の追加投与は行わない。 d 投与開始から制吐薬を併用する。 e 便秘が出現した場合は中止する。 31 入院後2週が経過し、疼痛コントロールが安定した。患者は退院して自宅で生活することを希望している。 在宅ケアを導入するにあたり、医師が病状観察と服薬管理とを依頼する職種として適切なのはどれか。 a 管理栄養士 b 理学療法士 c 訪問看護師 d ホームヘルパー e ソーシャルワーカー