106_E 01 新生児の生理的黄疸について正しいのはどれか。 a 出生直後から存在する。 b 人工乳は黄疸を増悪させる。 c 直接型ビリルビン優位である。 d 生後8日以上存在するのは異常である。 e グルクロン酸抱合酵素の未熟性が原因である。 02 産褥期の生理的変化と判断できるのはどれか。 a 1日目に臍上3cmに子宮底を触知する。 b 3日目に後陣痛を認める。 c 10日目に赤色悪露を認める。 d 14日目に妊娠前の体重に戻る。 e 1か月目に子宮が超手拳大である。 03 心血管疾患におけるリハビリテーションの適応とならないのはどれか。 a 心臓移植後 b 安定労作性狭心症 c 閉塞性動脈硬化症 d 冠動脈バイパス術後 e 大動脈弁狭窄症の手術前 04 入院治療を行うにあたり、陰圧室での隔離の必要性が最も高いのはどれか。 a インフルエンザ b 急性細気管支炎 c 伝染性単核球症 d 百日咳 e 麻疹 05 妊娠38 週である妊婦の腹部の模式図を示す。 胎児が第1頭位の場合に、胎児心拍を聴取する部位( )で正しいのはどれか。 a b c d e 06 気管支鏡検査の際に必要でないのはどれか。 a 胃管 b リドカイン c 救急カート d エックス線透視 e パルスオキシメトリ 07 2007 年の報告において、国内で診断された症例があるのはどれか。 a SARS b 天然痘 c ペスト d マラリア e エボラ出血熱 08 細胞膜の受容体に結合して作用するのはどれか。 a インスリン b アルドステロン c テストステロン d プロゲステロン e トリヨードサイロニン 09 ある検査に用いる検体の写真(別冊No. 1)を別に示す。 この検査の対象疾患に含まれるのはどれか。 a Rh 不適合 b 帽状腱膜下血腫 c ビタミンK欠乏症 d ホモシスチン尿症 e 特発性血小板減少性紫斑病 別冊 No. 1 10 2005 年以降の人口動態統計で、母の年齢階級別出生数が最も多い年齢階級はどれか。 a 20〜24 歳 b 25〜29 歳 c 30〜34 歳 d 35〜39 歳 e 40〜44 歳 11 要介護認定の流れについて正しいのはどれか。 a 介護認定審査会の判定或要介護認定の申請或主治医意見書の作成 b 介護認定審査会の判定或主治医意見書の作成或要介護認定の申請 c 主治医意見書の作成或介護認定審査会の判定或要介護認定の申請 d 要介護認定の申請或介護認定審査会の判定或主治医意見書の作成 e 要介護認定の申請或主治医意見書の作成或介護認定審査会の判定 12 我が国における死因分類別死亡数のうち、「高血圧性疾患」、「結核」、「自殺」、「糖尿病」及び「不慮の事故」の年次推移を示す。 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 死亡数(人) 昭和45 年 (1970) 昭和55 年 (1980) 平成2 年 (1990) 平成12 年 (2000) 平成21 年 (2009) ① ② ③ ④ ⑤ 「自殺」による死亡数の推移を示すのはどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 13 非定型的縊頸死体の左眼の写真(別冊No. 2)を別に示す。 左下眼瞼の所見から、死亡時に閉塞されていなかったと判断できるのはどれか。 a 外頸動脈 b 浅側頭動脈 c 中硬膜動脈 d 椎骨動脈 e 内頸動脈 別冊 No. 2 14 検査の様子(別冊No. 3A)とその検査所見(別冊No. 3B)とを別に示す。 この検査で異常高値を示す眼疾患はどれか。 a 緑内障 b 角膜潰瘍 c 網膜剝離 d 加齢白内障 e 視神経管骨折 別冊 No. 3 A、B 15 介護保険制度の通所介護<デイサービス>で提供されるサービスに含まれないのはどれか。 a 機能訓練の実施 b ケアプランの作成 c 健康状態の確認 d 生活に関する相談 e 入浴の介助 16 成人の解剖で正しいのはどれか。 a 胸部食道は気管の腹側を走行する。 b 大腿静脈は大腿動脈の内側に位置する。 c 内鼠径輪は下腹壁動脈の内側に位置する。 d 十二指腸球部は後腹膜に固定されている。 e 第2仙椎下縁の高さから腹膜翻転部までを直腸S状部と呼ぶ。 17 主に二国間の国際協力を推進する機関はどれか。 a ILO<国際労働機関> b JICA<国際協力機構> c UNAIDS<国連合同エイズ計画> d UNICEF<国連児童基金> e WHO<世界保健機関> 18 放射線の職業被ばくや公衆被ばくの線量限度に用いる単位はどれか。 a キュリー b グレイ c シーベルト d ベクレル e レントゲン 19 両眼視機能はどれか。 a 暗所視 b 立体視 c 中心視力 d 調節近点 e 視運動眼振 20 エストロゲンが主に作用する部位はどれか。 a 視床下部 b 下垂体後葉 c 副甲状腺 d 膵島 e 副腎皮質 21 経尿道的手術の適応とならないのはどれか。 a 尿管結石 b 膀胱結石 c 膀胱癌 d 前立腺肥大症 e 前立腺癌 22 全身麻酔の術前診察で、口を大きく開けて挺舌するよう促したときの模式図を示す。 挿管困難が最も予想されるのはどれか。 a b c d e 23 2型糖尿病の食事療法について誤っているのはどれか。 a 食物繊維は指示エネルギーに含まれる。 b 脂質は指示エネルギー量の25 %以内とする。 c 炭水化物は指示エネルギー量の60 %以内とする。 d 蛋白質は標準体重(kg)当たり1.2 g/日以内とする。 e 総摂取エネルギー量は標準体重庵生活活動強度で求める。 24 ヒト絨毛性ゴナドトロピンの定量が診断に最も有用なのはどれか。 a 切迫流産 b 多胎妊娠 c 妊娠悪阻 d 胞状奇胎 e 子宮内発育遅延 25 皮膚の小切開時の局所麻酔について誤っているのはどれか。 a 浸潤麻酔である。 b リドカインには極量が定められている。 c 感染部位では麻酔薬の効果が増強する。 d 血液の逆流が見られたら麻酔薬の注入を中止する。 e アドレナリンの添加によって麻酔薬の作用時間が延長する。 26 40,000 人に1人の割合で発症する常染色体劣性遺伝性疾患がある。 集団が均質であるとき、この疾患の保因者頻度はどれか。 a 100 人に1人 b 400 人に1人 c 1,000 人に1人 d 10,000 人に1人 e 40,000 人に1人 27 原発性肺癌患者の胸部造影CT(別冊No. 4)を別に示す。 この画像所見から、まず生じることが想定されるのはどれか。 a 食道通過障害 b 左横隔膜挙上 c チアノーゼ d 顔面浮腫 e 嗄声 別冊 No. 4 28 新生児の成熟度に関する評価項目に含まれないのはどれか。 a 大泉門の大きさ b 耳の硬さ c 背部のうぶ毛 d 外性器の性状 e 足底のしわ 29 肝吸虫症において白血球分画の中で最も増加するのはどれか。 a 好中球 b 好酸球 c 好塩基球 d 単球 e リンパ球 30 医師の届出義務と関連する法律の組合せで誤っているのはどれか。 a 異状死体の発見医師法 b 結核患者の診断感染症の予防及び感染症の患者に対する医療 に関する法律<感染症法> c 診療所の開設医療法 d フグ中毒患者の診断食品衛生法 e 麻薬中毒者の診断刑法 31 母子保健について正しいのはどれか。 a 母子健康手帳は医療機関から受け取る。 b 妊娠の届出には医師の証明が必要である。 c 出生の届出は出生後1週以内に行わなければならない。 d 母子健康センターは各都道府県に1か所設置されている。 e 妊産婦に対する健康診査は母子保健法に基づき実施される。 32 2008 年の人口動態統計で、出生と死亡について正しいのはどれか。 a 純再生産率は0.1 を下回る。 b 合計特殊出生率は1.5 を下回る。 c 出生率(人口千対)は15を上回る。 d 粗死亡率(人口千対)は15を上回る。 e 自然増減率(人口千対)はプラス値である。 33 排便時の生理で誤っているのはどれか。 a 大腸の蠕動運動が生じる。 b 直腸内圧が上昇する。 c 内肛門括約筋が収縮する。 d 恥骨直腸筋が弛緩する。 e 肛門管と直腸とが直線化する。 34 不随意運動と疾患の組合せで正しいのはどれか。 a 振戦甲状腺機能亢進症 b チック肝性脳症 c 舞踏運動有機水銀中毒 d ジストニアビタミンD欠乏症 e ミオクローヌス進行麻痺 35 胎児期の器官形成と臓器の成熟について正しいのはどれか。2つ選べ。 a 心臓は外胚葉から発生する。 b 胎児心拍数は妊娠中期以降に減少する。 c 胎児副腎の胎児層は妊娠早期に退縮する。 d 胎児赤血球の酸素親和性は成人に比べて低い。 e Ⅱ型肺胞上皮細胞は肺表面活性物質を産生する。 36 自記式で行う心理学的検査はどれか。2つ選べ。 a Rorschachテスト b 状態特性不安検査 c Hamiltonうつ病評価尺度 d 簡易精神症状評価尺度 e Minnesota 多面人格検査 37 胆道疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 a 先天性胆道拡張症総胆管消化管吻合術 b 胆囊腺筋腫症胆囊粘膜切除術 c 総胆管結石症内視鏡的十二指腸乳頭切開術 d 急性胆管炎内視鏡的胆道ドレナージ e 急性胆囊炎体外衝撃波結石破砕術 38 右心房に開口するのはどれか。2つ選べ。 a 奇静脈 b 肺静脈 c 下大静脈 d 右腕頭静脈 e 冠状静脈洞 39 9歳の男児。昨日から続く39℃の発熱、咽頭痛および頭痛を主訴に来院した。迅速検査の結果、インフルエンザA型と診断された。 小学校の出席停止期間に関する説明で正しいのはどれか。 a 解熱するまで b すべての症状が消失するまで c 解熱した後2日を経過するまで d 解熱した後2週を経過するまで e 抗ウイルス薬を使用開始した翌日まで 40 30 歳の初妊婦。妊婦健康診査のため来院した。3週前に自宅近くの診療所を受診した際、最終月経から妊娠 週と診断された。超音波検査で子宮内に心拍を有する胎児を認めるが、妊娠週数に比して小さい。 対応として適切なのはどれか。 a 自宅安静とする。 b 食事療法を指導する。 c 妊娠週数を修正する。 d 母体の血糖値を測定する。 e 羊水採取の必要性を説明する。 41 74 歳の男性。背部痛と呼吸困難とを主訴に来院した。膵体部癌切除術後に有痛性の多発性肺転移をきたしたが積極的な治療は望まず、1か月前から自宅近くの診療所で経口モルヒネを処方され内服していた。5日前に体動時の背部痛を認め、それを契機に徐々に息苦しさを感じるようになったため紹介されて受診した。意識は清明。身長164 cm、体重48 kg。体温36.7℃。脈拍76/分、整。血圧120/70mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97 %(room air)。血液所見:赤血球302 万、Hb 7.8 g/dl、Ht 29 %、白血球2,600、血小板8.0万。血液生化学所見:総蛋白5.8 g/dl、アルブミン2.7 g/dl、尿素窒素24 mg/dl、クレアチニン1.4 mg/dl、総ビリルビン2.1 mg/dl、AST 47 IU/l、ALT 68 IU/l、ALP 378 IU/l(基準115〜359)、γ-GTP 67 IU/l(基準8〜50)。食事の経口摂取は可能で、食欲も保たれている。 現時点の対応として適切なのはどれか。 a 胸腔穿刺を行う。 b 経口モルヒネを増量する。 c 在宅酸素療法を導入する。 d 医療用麻薬の貼付剤を追加する。 e 本人の意思に反して抗悪性腫瘍薬を投与する。 42 3歳の女児。3歳児健康診査で難聴が疑われて来院した。妊娠・分娩経過に問題なく、在胎40 週2日、体重3,100 gで出生した。鼓膜所見と身体診察所見とに異常を認めない。 この患児に実施する精密検査として最も適切なのはどれか。 a 音叉検査 b 純音聴力検査 c 遊戯聴力検査 d 語音聴力検査 e 自記オージオメトリ 43 68 歳の男性。血尿を主訴に来院した。1か月前から間欠的に血尿があった。15年前から高血圧症に対し降圧薬を内服中であり、糖尿病に対しインスリン療法を行っている。12 年前に肝血管腫を疑われ、腹部造影CTを撮影した際に、蕁麻疹と重篤な呼吸困難とをきたしたことがある。喫煙は20本/日を48年間。身長165 cm、体重70 kg。体温36.0 ℃。脈拍76/分、整。血圧162/92 mmHg。呼吸数14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白3袷、糖2袷、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球10〜20/1視野。血液所見:赤血球358 万、Hb 10.6 g/dl、Ht 33 %、白血球7,800、血小板24万。血液生化学所見:血糖180 mg/dl、HbA1c 7.0 %(基準4.3〜5.8)、総蛋白6.0 g/dl、アルブミン2.9 g/dl、尿素窒素50 mg/dl、クレアチニン3.2 mg/dl、Na 132 mEq/l、K 5.6 mEq/l、Cl 98 mEq/l。免疫学所見:CRP 0.8 mg/dl。PSA 2.6 ng/ml(基準4以下)。腹部超音波検査で左腎盂内に 径20 mm の腫瘤を認める。膀胱鏡検査で膀胱と尿道とに異常はないが、左尿管口から血尿の流出を認める。 血尿の原因精査のために行う検査として適切なのはどれか。 a 尿培養 b 腎生検 c 尿細胞診 d レノグラム e 静脈性腎盂造影 44 2歳の男児。遺伝性疾患を疑われている。両親は健康で、近親婚ではない。母方叔父と母方叔母の長男とに同様の症状を認める。母方の祖父母に症状を認めない。 最も考えられる遺伝形式はどれか。 a 常染色体優性遺伝 b 常染色体劣性遺伝 c X連鎖優性遺伝 d X連鎖劣性遺伝 e Y連鎖遺伝 45 78 歳の男性。全身麻酔で冠動脈バイパス術を受けた。手術終了後、未覚醒の状態で、人工呼吸管理下にある。心拍数92/分、整。血圧132/72 mmHg。動脈血ガス分析(100 %酸素投与下):pH 7.30、PaCO2 53 Torr、PaO2 270 Torr、HCO3- 22 mEq/l。術前と術後の胸部エックス線写真(別冊No. 5A、B)を別に示す。 術後の病態として最も考えられるのはどれか。 a 気胸 b 胸水 c 無気肺 d 肺塞栓 e 縦隔血腫 別冊 No. 5 A、B 46 1歳6か月の男児。健康診査のために来院した。在胎39週、身長47.8 cm、体重2,700 gで出生した。現在は身長80.0 cm、体重7.9 kg。「ごみポイして」などの言語理解は可能だが、発語は「ワンワン」、「ママ」、「ブーブー」の3語のみである。走ることや手を引かれて階段を昇ることは可能だが、スキップはできない。食事は1日3回で、食事内容は両親とほぼ同じであり、牛乳を1日250 ml飲んでいる。 この児の成長・発達の評価として正しいのはどれか。 a 低身長である。 b 離乳が完成していない。 c 運動発達が遅れている。 d 言語発達が遅れている。 e 体重増加が不良である。 47 33 歳の1回経妊1回経産婦。妊娠27週。腹部緊満感を主訴に来院した。2週前から腹部の緊満を感じていたという。昨日から上腹部の圧迫感を自覚するようになったため受診した。身長156 cm、体重62 kg。脈拍84/分、整。血圧116/58mmHg。子宮底長35 cm、腹囲92 cm。内診で子宮口は閉鎖している。腟分泌物は少量、淡血性である。経腟超音波検査で、頸管長12 mm、内子宮口付近にfunneling<内子宮口の楔状の開大>を認める。腹部超音波検査で胎児は頭位であり、胎児推定体重1,008 g、羊水指数28 cmである。胎盤は子宮底部に位置している。胎児心拍数陣痛図(別冊No. 6)を別に示す。 現時点の対応として適切なのはどれか。 a 経過観察 b 経腹的羊水除去 c 子宮頸管縫縮術 d 子宮収縮抑制薬の点滴静注 e 帝王切開術 別冊 No. 6 48 45 歳の男性。事務職。職場の健康診断で検査結果の異常値を指摘され、産業医が面談を行うこととなった。自覚症状、現病歴および既往歴に特記すべきことはない。自家用車で通勤し、運動習慣はない。喫煙歴はない。飲酒は毎日ビール500 mlと日本酒1.5 合とを10年間。身長170 cm、体重75 kg、腹囲92 cm。血圧120/78 mmHg。血液生化学所見:空腹時血糖95 mg/dl、HbA1c 4.8 %(基準4.3〜5.8)、トリグリセリド180 mg/dl、HDLコレステロール38 mg/dl、LDLコレステロール135 mg/dl(基準65〜139)、AST 38 IU/l、ALT 48 IU/l、γ-GTP 136 IU/l(基準8〜50)。同時に実施した食事調査では摂取エネルギー量2,100 kcal/日、食塩摂取量9g/日であった。 産業医がまず勧める内容として適切なのはどれか。 a 減塩 b 飲酒の制限 c 週末に1時間のウォーキング d 二次検査として腹部単純CT e 二次検査として経口ブドウ糖負荷試験 49 61 歳の男性。急性骨髄性白血病に対する抗がん化学療法開始後13 日。今朝から悪寒戦慄を伴う39℃台の発熱を認める。白血球1,100(好中球10 %、好酸球1%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球81 %)。CRP 23 mg/dl。 発熱の原因として最も考えられるのはどれか。 a リステリア b 黄色ブドウ球菌 c ニューモシスチス d サイトメガロウイルス e 水痘・帯状疱疹ウイルス 50 36 歳の1回経妊1回経産婦。妊娠32週。昨夜からの少量の性器出血を主訴に来院した。自宅近くの医療機関で胎盤位置異常の可能性を指摘されたため、紹介されて受診した。32 歳時に自然経腟分娩で第1子を出産している。腹部MRI のT2 強調矢状断像(別冊No. 7)を別に示す。 胎盤はどれか。 a ① b ② c ③ d ④ e ⑤ 別冊 No. 7 51 67 歳の男性。交通外傷で搬入された。車の運転中、電柱に衝突した。意識は清明。胸痛と呼吸困難とを訴えている。脈拍96/分、整。血圧146/76 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 93 %(リザーバー付マスク10 l/分酸素投与下)。頸静脈の怒張を認めない。胸郭の奇異性運動を認める。胸骨部に圧痛と皮下出血とを認める。血液所見:赤血球384 万、Hb 11.2 g/dl、Ht 39 %、白血球9,800、血小板23 万。CK 57 IU/l(基準30〜140)。CRP 0.3 mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、リザーバー付マスク10 l/分酸素投与下):pH 7.21、PaCO2 60 Torr、PaO2 80 Torr、HCO3- 23mEq/l。胸部エックス線写真と胸部単純CTとで気胸を認めない。胸部単純CT(別冊No. 8A)と胸郭3D-CT(別冊No. 8B)とを別に示す。 まず行うべき処置はどれか。 a 輸血 b 陽圧換気 c ドパミンの投与 d 心囊ドレナージ e 胸腔ドレナージ 別冊 No. 8 A、B 52 75 歳の男性。右下肢の浮腫とそれに伴う歩行困難とを主訴に来院した。健康診断は5年以上受けていなかった。意識は清明。身長165 cm、体重56 kg。体温36.1 ℃。脈拍64/分、整。血圧124/66 mmHg。呼吸数16/分。頸静脈の怒張を認めない。右下肢全体に圧痕性浮腫を認める。足背動脈の拍動は両側で触知する。右殿部に手拳大で弾性硬の無痛性腫瘤を認める。血液生化学所見:総蛋白6.5 g/dl、アルブミン2.9 g/dl。骨盤部単純CTで、右殿部から骨盤腔内に連続する巨大な腫瘤を認める。 この患者の病態で正しいのはどれか。 a 心性浮腫 b 腎性浮腫 c 静脈性浮腫 d 内分泌性浮腫 e リンパ性浮腫 53 56 歳の女性。2年前から再生不良性貧血で治療中である。本日、赤血球輸血を行ったところ、輸血開始から約15分後に、全身の瘙痒感と呼吸困難とを訴えた。これまでにも輸血を受けているが、同様の症状は経験していない。脈拍116/分、整。血圧72/50 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 90 %(room air)。全身の皮膚は発赤し、膨疹が広がっている。両側の胸部にwheezes を聴取する。直ちに輸血を中止した。 次に行うべき対応として適切なのはどれか。 a 気管挿管 b 利尿薬の投与 c アドレナリンの投与 d 胸部エックス線撮影 e 側臥位への体位変換 54 78 歳の女性。自宅内の段差につまずいて転倒し、歩行不能となったため搬入された。全身状態は良好である。精査の結果、右大腿骨頸部骨折(内側骨折)と診断され、2日後に人工骨頭置換術を予定した。 手術までの対応として適切なのはどれか。 a 右股関節ギプス固定 b 右大腿骨直達牽引 c 左下肢の運動療法 d 自己導尿の指導 e 車椅子の処方 55 55 歳の男性。左中大脳動脈領域の脳梗塞で2週前から入院中である。意識は清明。右片麻痺と失語症とが残存している。食欲はあり、臥位から座位になることがかろうじて自力でできるものの、車椅子やポータブルトイレへの移動には介助が必要である。患者本人はリハビリテーションに意欲的で、自宅での生活を希望している。妻と2人暮らしで、同じ町内には娘が暮らしている。 地域連携クリニカルパスに沿った対応はどれか。2つ選べ。 a 成年後見制度の利用を勧める。 b 特定機能病院への転院を勧める。 c 特別養護老人ホーム入所の手続きを行う。 d 医療ソーシャルワーカーとの面談を設定する。 e 回復期リハビリテーション病棟を有する病院に患者情報を提供する。 56 2歳の男児。自宅でぐったりしているところを見つけた母親に伴われて来院した。発見時、患児のそばにジュースの空き缶が転がっており、畳に液体がこぼれていた。同日に自宅を訪問していた父親の同僚が、その缶を灰皿代わりにたばこを吸っていたという。 注意すべき中毒症状はどれか。2つ選べ。 a 嘔吐 b 喘鳴 c 発熱 d 蕁麻疹 e けいれん 57 48 歳の女性。首のしこりを主訴に来院した。3か月前、頸部に腫瘤があることに気付いた。痛みがなかったのでそのままにしていたが、次第に大きくなってきたため受診した。既往歴に特記すべきことはない。 現時点で考えられるのはどれか。2つ選べ。 a 悪性リンパ腫 b 亜急性甲状腺炎 c 伝染性単核球症 d 癌のリンパ節転移 e 急性化膿性リンパ節炎 次の文を読み、58〜60 の問いに答えよ。 23 歳の男性。のどの痛みを主訴に来院した。 現病歴: 2日前からのどの痛みと発熱とを自覚していた。痛みが次第にひどくなったため23時に救急外来を受診した。痛みが強く唾液を飲み込むことができないため口から吐き出している。 既往歴: 15歳時に虫垂炎の手術を受けた。 家族歴: 特記すべきことはない。 現症: 意識は清明。体温38.2 ℃。脈拍92/分、整。血圧124/80 mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。咽頭後壁粘膜はやや発赤しているが、口蓋扁桃の腫脹はみられない。頸部に圧痛を認め、軽度喘鳴を聴取する。心音に異常を認めない。 58 追加すべき最も重要な質問はどれか。 a 「喫煙の習慣はありますか」 b 「息を吸うのは苦しくないですか」 c 「ご家族にも同様の症状はありますか」 d 「自宅での体温は何度まで上がりましたか」 e 扁桃腺が大きいと言われたことはありますか」 59 診断として最も考えられるのはどれか。 a 急性気管支炎 b 急性喉頭蓋炎 c 扁桃周囲膿瘍 d 亜急性甲状腺炎 e 伝染性単核球症 60 確定診断に最も有用な検査はどれか。 a 胸部単純CT b 頸部造影CT c 咽頭食道造影 d 喉頭内視鏡検査 e 頸部超音波検査 次の文を読み、61〜63 の問いに答えよ。 45 歳の男性。爆発事故現場で受傷したため搬入された。 現病歴: 爆発によって崩落した建物の下敷きになり、4時間後に救出された。 現症: 意識は清明。体温37.6 ℃。脈拍108/分、整。血圧98/62 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 100 %(4L/分酸素投与下)。両下肢と殿部とを中心に広範囲に点状出血を認める。右下肢に運動麻痺と知覚障害とを認める。救急室の看護師から、尿が赤いとの報告を受けた。 61 この患者の尿所見でみられる可能性が高いのはどれか。 a 血尿 b 乳び尿 c 白血球尿 d ヘモグロビン尿 e ミオグロビン尿 62 引き続き行われた検査の結果を示す。 血液所見:赤血球402 万、Hb 12.0 g/dl、Ht 35 %、白血球18,000、血小板18 万。血液生化学所見:総蛋白5.6 g/dl、アルブミン3.0 g/dl、尿素窒素12 mg/dl、クレアチニン1.0 mg/dl、AST 335 IU/l、ALT 102 IU/l、LD 1,090 IU/l(基準176〜353)、CK 36,000 IU/l(基準30〜140)、Na 130 mEq/l、K 7.5 mEq/l、Cl 94 mEq/l、Ca 7.2 mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、4L/分酸素投与下):pH 7.30、PaCO2 25 Torr、PaO2 120 Torr、HCO3- 12 mEq/l。 緊急に対応する必要がある項目はどれか。 a K b CK c LD d 総蛋白 e 白血球 63 損傷の種類はどれか。 a 爆傷 b 脊髄損傷 c 開放性損傷 d 挫滅<圧挫>損傷 e デグロービング損傷 次の文を読み、64〜66 の問いに答えよ。 22 歳の女性。運動時の疲労感と「理由もなく氷が食べたくなる」ことを主訴に受診した。 現病歴: 受診3か月前の1月から、運動時の疲労感が強いことを自覚するようになった。所属している大学剣道部の最後の大会を夏に控え、特に熱心に練習していたので、そのための疲労感だろうと考えていた。4月になると、軽い稽古だけで今までよりも強い疲労感を感じるようになったが、3月にあった春合宿の疲労が残っているものと考えてそのままにしていた。ただ、暑くもないのに氷が食べたくなるときが増えたことは気になっていた。本日、大学内の医務室前を通りがかったとき、偶然「寒い日でも氷が食べたくなったときは医務室へ相談を!」と書かれたポスターが目に入り、心配になったため受診した。 既往歴: 12歳時に虫垂炎の手術を受けた。 生活歴: 喫煙・飲酒はしない。 家族歴: 母(48 歳)が脂質異常症で内服加療中。父(52 歳)は高血圧症で内服加療中。妹(18 歳)と弟(15 歳)とは健康である。 月経歴: 初経13歳。周期28日型、整。 現症: 意識は清明。身長152 cm、体重40 kg。体温36.8 ℃。脈拍96/分、整。血圧100/60 mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。 64 この患者に対する医療面接で、重要度が低い情報はどれか。 a 経血量 b 便の色調 c 偏食の有無 d 貧血の家族歴 e 氷を食べたくなる時間帯 65 この患者の検査結果で予測されるのはどれか。 Hb Fe UIBC フェリチン a 12.0g/dl 低値 低値 高値 b 12.0g/dl 高値 高値 低値 c 9.0g/dl 低値 高値 低値 d 9.0g/dl 低値 高値 高値 e 6.0g/dl 高値 低値 高値 66 内服薬による治療を行う場合、同時に摂取することでこの内服薬の生体への吸収効率を上昇させるのはどれか。 a ビタミンA b ビタミンB1 c ビタミンB12 d ビタミンC e ビタミンD 67 我が国における透析導入患者の上位3疾患の年次推移を示す。 0 1985 1990 1995 2000 2005 2010(年) 10 20 30 40 50 60 全導入患者に占める割合 (%) 疾患A 疾患B 疾患C 疾患Aと疾患B の組合せで正しいのはどれか。 疾患A 疾患B a 腎硬化症 糖尿病腎症 b 腎硬化症 慢性糸球体腎炎 c 糖尿病腎症 腎硬化症 d 糖尿病腎症 慢性糸球体腎炎 e 慢性糸球体腎炎 腎硬化症 f 慢性糸球体腎炎 糖尿病腎症 68 我が国における男性の悪性新生物死亡数割合(部位別)の推移を示す。 0 平成20年 (2008) 平成12年 (2000) 平成2 年 (1990) 昭和55年 (1980) 昭和45年 (1970) ① ② ③ ④ ⑤ その他 20 40 60 80 100(%)  ①と④の部位の組合せで正しいのはどれか。 ① ④ a 胃 膵臓 b 胃 大腸 c 胃 肺 d 膵臓 胃 e 膵臓 大腸 f 膵臓 肺 g 大腸 胃 h 大腸 膵臓 i 大腸 肺 j 肺 胃 k 肺 膵臓 l 肺 大腸 69 68 歳の女性。左膝関節痛と腰痛とを主訴に来院した。2年間に10 kg、最近の1か月に1.5 kgの体重増加があった。体重の増加に伴い、次第に左膝関節痛と腰痛とが強くなってきた。身長150 cm、体重76.5 kg、腹囲85 cm。体脂肪率35 %。 この患者のBMIを求めよ。