106_G 1 うつ病の患者の訴えで典型的と考えられるのはどれか。 a 「妻が浮気をしている」 b 「食事に毒が入っている」 c 「いつも誰かに尾行されている」 d 「お金がなくてどうにもなりません」 e 「周囲の雰囲気が変わってしまった」 2 密封小線源治療の適応があるのはどれか。 a 腎癌 b 膀胱癌 c 前立腺癌 d 陰茎癌 e セミノーマ 3 初期離乳食に関する母親への指導で適切なのはどれか。 a 開始時期は生後7か月とする。 b 卵は卵黄のみを用いる。 c 穀類は粥ではなく軟飯を与える。 d 硬さは歯茎でつぶせる程度にする。 e 人工乳栄養児の場合は牛乳に変更する。 4 我が国のリビングウィルについて正しいのはどれか。 a 安楽死を選択できる。 b 本人が自由意志で作成する。 c 心肺蘇生術を受けるために作成する。 d 一度作成すると内容の変更はできない。 e 患者の判断能力がない場合は家族が作成できる。 5 メタボリックシンドロームで低下するのはどれか。 a 空腹時血糖 b 血中アディポネクチン c 血中トリグリセリド d 収縮期血圧 e 腹囲 6 臍帯脱出を起こしやすいのはどれか。 a 足位 b 微弱陣痛 c 低在横定位 d 不正軸進入 e 羊水過少症 7 ビタミンK依存性の凝固調節因子でないのはどれか。 a 第Ⅱ因子 b 第Ⅶ因子 c プロテインC d プロテインS e フィブリノゲン 8 石綿のばく露に起因する可能性が低いのはどれか。 a 胸膜中皮腫 b 間質性肺炎 c 気管支喘息 d 原発性肺癌 e 胸膜プラーク 9 放射線の健康影響について正しいのはどれか。 a 実効線量限度は内部被ばく線量を含んでいる。 b 確定的影響には名目リスク係数が設けられている。 c 確率的影響は閾値の存在を前提に算出されている。 d 線量限度は確率的影響を減少させるために設けられている。 e 成人でのがん発生のリスクは全集団でのリスクよりも高い。 10 末期腎不全患者に対し、常用量を投与可能なのはどれか。 a ST合剤 b オセルタミビル c ミノサイクリン d レボフロキサシン e カルバペネム系抗菌薬 11 救急医療について正しいのはどれか。 a 救命救急センターは入院機能を持たない。 b 自動体外式除細動器の使用には講習修了証が必要である。 c 救急救命士は独自の判断で心停止患者に対する気管挿管ができる。 d ドクターヘリは、医師が搭乗する救急医療用のヘリコプターである。 e 初期救急医療機関は、入院治療を必要とする救急患者の医療を担当する。 12 我が国の医療費について正しいのはどれか。 a 国民医療費の対GDP比はOECD 加盟国の中で上位である。 b 国民医療費には介護保険による費用を含む。 c 公的医療保険の自己負担率は同率である。 d 生活保護では医療扶助の費用が最も多い。 e 医療給付は主として現金給付である。 13 障害の受容について正しいのはどれか。 a ショック期では、感情が抑制されやすい。 b 否認期では、自己の障害の理解が重要である。 c 混乱期では、抑うつ的になることはまれである。 d 悲観期では、家族の強い励ましが重要である。 e いったん受容に至れば、障害受容は完成する。 14 膵内分泌機能検査はどれか。 a BT-PABA試験 b pHモニタリング c 経口ブドウ糖負荷試験 d α1-アンチトリプシン法 e indocyanine green試験 15 うっ血性心不全で認められる浮腫の特徴はどれか。 a 圧痕を認める。 b 顔面に初発する。 c 体重減少を伴う。 d 左右差を認める。 e 頸静脈の虚脱を伴う。 16 主としてマダニが媒介する疾患はどれか。 a マラリア b ライム病 c リーシュマニア感染症 d ペスト e 野兎病 17 母乳について正しいのはどれか。 a ビタミンKが豊富である。 b 産後の月経発来を促進する。 c 産褥1か月までは初乳と呼ぶ。 d プロラクチンは射乳を促進する。 e 黄体ホルモンは乳汁分泌を抑制する。 18 テント切痕ヘルニアで最も障害されやすいのはどれか。 a 視神経 b 動眼神経 c 三叉神経 d 外転神経 e 副神経 19 女性の骨盤内解剖で正しいのはどれか。 a 尿管は腹腔内を走行する。 b 卵巣動脈は腎動脈から分岐する。 c 子宮円索は基靱帯の一部を構成する。 d 子宮動脈は内腸骨動脈から分岐する。 e Douglas 窩とは子宮と膀胱の間を指す。 20 我が国における精神保健福祉について誤っているのはどれか。 a 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>の目的には、精神障害者の社会参加が挙げられている。 b 平成20年患者調査による在院患者数では「精神及び行動の障害」の患者が最も多い。 c 精神障害者は障害者自立支援法の対象に含まれる。 d 地域精神保健活動の第一線機関は保健所である。 e 措置入院患者数は増加傾向にある。 21 低栄養状態で高値を示すのはどれか。 a レプチン b アルブミン c 成長ホルモン d コリンエステラーゼ e 遊離トリヨードサイロニン 22 集団に対してある癌の検診を行った。 検診後に観察された変化の中で、検診が有効であったことを示す根拠はどれか。 a 検診で発見されたその癌の患者数の増加 b 検診で発見されたその癌の患者の生存率の上昇 c 集団全体におけるその癌の死亡率の低下 d 集団全体におけるその癌の罹患率の低下 e 検診に用いられた検査の陽性反応適中率の上昇 23 疾患と聴診所見の組合せで誤っているのはどれか。 a 肺高血圧症Ⅱ音の亢進 b 大動脈弁閉鎖不全症全収縮期雑音 c 心房中隔欠損症拡張期ランブル d 拡張型心筋症奔馬調律 e 僧帽弁閉鎖不全症Ⅲ 音 24 医療計画に定められているのはどれか。 a 保健所の設置 b 医療監査の計画 c 医療従事者の確保 d 栄養摂取基準の設定 e 臨床研修病院の指定 25 胎児が健全であることを示唆するのはどれか。 a 羊水指数1cm b 胎児心拍数基線90 bpm c 臍帯動脈拡張期血流の途絶 d 胎児心拍数基線細変動の消失 e BPS 10点 26 緩和医療について正しいのはどれか。 a 2痛緩和にオキシコドンは使用しない。 b 緩和ケアは癌終末期に限定された医療である。 c 緩和ケアは死を早めることも遅らせることもしない。 d Kübler-Rossの死の過程では、虚脱の次に怒りに至る。 e 全人的苦痛<トータルペイン>に身体的苦痛は含まれない。 27 発生母地病変と癌の組合せで誤っているのはどれか。 a 胃食道逆流症-Barrett 食道腺癌 b 萎縮性胃炎-胃癌 c 非アルコール性脂肪性肝炎-肝内胆管癌 d 潰瘍性大腸炎-大腸癌 e Crohn病-痔瘻癌 28 健常新生児で生後1週までに低下するのはどれか。 a 左室拍出量 b 肺血管抵抗 c 肺静脈還流量 d 大動脈拡張期血圧 e 大動脈血酸素飽和度 29 肺の構造・機能について正しいのはどれか。 a 気管は第3胸椎の高さで左右に分岐する。 b 右主気管支は左主気管支よりも長い。 c 末梢の肺動脈は気管支と並走する。 d 呼吸細気管支が分岐して終末細気管支となる。 e ガス交換は肺胞孔で行われる。 30 国民健康・栄養調査について正しいのはどれか。 a 特定保健指導と同時に開始された。 b 毎年実施される。 c 調査対象となる都道府県は無作為抽出で選ばれる。 d 身体状況調査として心電図検査がある。 e 栄養摂取状況調査は24時間思い出し法で行われる。 31 コホート研究について正しいのはどれか。 a 要因の有無によって2群に分けて追跡する。 b 過去から現在への追跡は含めない。 c まれな疾患の研究に適している。 d 介入群と非介入群とを設定する。 e 相対危険度は計算できない。 32 災害初期の保健活動として優先度が高いのはどれか。 a 防疫対策 b メンタルケア c 在宅者の訪問指導 d 避難所の一般廃棄物調査 e 仮設住宅入居者の自立支援 33 経口補液剤に含有され、小腸でブドウ糖とともに共役輸送されて水分吸収を促進するのはどれか。 a Na b K c Cl d Ca e Mg 34 地域包括支援センターの活動について正しいのはどれか。 a 窓口業務は行わない。 b 介護予防には関わらない。 c 医療系サービスには関わらない。 d 通所介護<デイサービス>を提供する。 e 介護支援専門員<ケアマネジャー>の支援を行う。 35 Swan-Ganzカテーテル検査で評価可能なのはどれか。2つ選べ。 a 左房圧 b 心拍出量 c 左室駆出率 d 左室収縮期圧 e 心筋酸素消費量 36 胃酸分泌を亢進させるのはどれか。2つ選べ。 a ガストリン b セクレチン c ソマトスタチン d 糖依存性インスリン放出ペプチド e ヒスタミン 37 体外受精・胚移植の適応となるのはどれか。2つ選べ。 a 不育症 b 乏精子症 c 子宮筋腫 d 黄体機能不全 e 両側卵管閉塞 38 敗血症による多臓器機能障害の発生に関与するのはどれか。2つ選べ。 a 腫瘍壊死因子 b エンドトキシン c ハプトグロビン d クリオグロブリン e von Willebrand因子 39 25 歳の男性。交通事故で頭部を強く打ち、10 分間ほど意識がなかった。頭痛が続くため、30 分後に友人に伴われて独歩で来院した。意識は清明。数字の順唱は4桁しかできない。頭部CTにて側頭骨に線状骨折を認め、少量の硬膜外血腫を認める。 現時点の対応として適切なのはどれか。 a そのまま帰宅させる。 b 直ちに脳波検査を行う。 c 直ちに脳血管造影を行う。 d 2〜4時間後に頭部CTを撮影する。 e 翌日、線状骨折に対して手術を行う。 40 70 歳の女性。けいれんのため搬入された。意識レベルはJCSⅡ- 10。体温36.8℃。脈拍98/分、整。血圧138/86 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96 %(room air)。対光反射と眼球運動とに異常を認めない。左上下肢の不全麻痺を認める。来院時の頭部MRI のFLAIR 像(別冊No. 1A)と塞栓術のために施行した外頸動脈造影の写真(別冊No. 1B)とを別に示す。 診断として考えられるのはどれか。 a 髄膜腫 b 胚細胞腫 c 神経膠腫 d 悪性リンパ腫 e 転移性脳腫瘍 別冊 No. 1 A、B 41 32 歳の初産婦。妊娠33週。胎児超音波検査で異常を指摘されたため来院した。胎児MRI のT2 強調像(別冊No. 2)を別に示す。 この胎児で異常があると考えられる部位はどれか。 a 肺 b 心臓 c 横隔膜 d 腹壁 e 脊椎 別冊 No. 2 42 37 歳の女性。右側のふくらはぎが痛むことを主訴に来院した。1年前の職場の健康診断で脂質異常症を指摘されたため、その後は毎日4kmのウォーキングを継続していた。1週前に社内の診療所で検査したところ、総コレステロール302 mg/dl、トリグリセリド125 mg/dlであり、改善していなかったため、同日に処方された治療薬の内服を開始した。3日前から右ふくらはぎの痛みがあり、心配になって受診した。身長162 cm、体重58 kg。右上眼瞼に黄色腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右側下腿を把持すると強い疼痛を認める。血液生化学所見:尿素窒素31 mg/dl、クレアチニン1.1 mg/dl、尿酸7.2 mg/dl、総コレステロール256 mg/dl、トリグリセリド131 mg/dl、総ビリルビン0.9 mg/dl、AST 45 IU/l、ALT 40 IU/l、LD 203 IU/l(基準176〜353)、ALP 288 IU/l(基準115〜359)、γ-GTP 12 IU/l(基準8〜50)、CK 1,889 IU/l(基準30〜140)、Na 137 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 97 mEq/l。 この患者に投与された可能性が最も高いのはどれか。 a エストロゲン b 甲状腺ホルモン c 陰イオン交換樹脂製剤 d エイコサペンタエン酸 e HMG-CoA還元酵素阻害薬 43 28 歳の1回経妊1回経産婦。妊娠38週。2時間前に水様帯下があり来院した。第1子は自然経腟分娩であった。来院後、3分間隔の規則的な陣痛が発来した。内診で子宮口は4cm 開大、児頭下降度SP +0である。先進部は小泉門で2時の位置に触れ、矢状縫合を2時から8時にかけて認める。 児頭の回旋時期の判断で正しいのはどれか。 a 第1回旋の直後 b 第2回旋の途上 c 第2回旋の直後 d 第3回旋の途上 e 第3回旋の直後 44 52 歳の女性。会社の健康診断で総コレステロール270 mg/dlと血清CK 400 IU/l(基準30〜140)とを指摘され来院した。自覚症状は特にない。生来健康であり、サプリメントを含め薬は服用していない。運動習慣はなく、転倒の既往もない。最近、便秘と乾燥肌とが気になっているという。 診断のためのスクリーニング検査項目として適切なのはどれか。 a GH b LH c FSH d TSH e ACTH 45 47 歳の男性。職場の定期健康診断で肥満を指摘され来院した。飲酒は日本酒2合/日を25年間。身長170 cm、体重78 kg、腹囲95 cm。血圧150/90 mmHg。血液生化学所見:空腹時血糖92 mg/dl、尿酸8.8 mg/dl、トリグリセリド220 mg/dl、AST 38 IU/l、ALT 48 IU/l、γ-GTP 97 IU/l(基準8〜50)。心電図で異常を認めない。腹部超音波検査で脂肪肝を認める。 患者への指導として適切でないのはどれか。 a 日本酒は1合/日以下にする。 b 60 分/日の有酸素運動をする。 c 1か月以内に10 kgの減量をする。 d 食塩摂取量は6g/日以下とする。 e プリン体を多く含む食事は控える。 46 53 歳の女性。会社の健康診断で心雑音を指摘され来院した。脈拍72/分、整。血圧132/60 mmHg。胸骨左縁第3肋間を最強点とするⅡ/Ⅵ度の拡張期雑音を聴取する。カラードプラ心エコー図(別冊No. 3)を別に示す。 この疾患で拡張期雑音を聴取しやすくするための手法はどれか。 a 過換気にさせる。 b 下肢を挙上させる。 c 右側臥位にさせる。 d 頸動脈洞マッサージを行う。 e 座位で上半身を前傾させる。 別冊 No. 3 47 15 歳の女子。体重減少を心配した母親に伴われて来院した。友人に「太っているね」とからかわれたことを気にして、1年前から低カロリー食品を好むようになり、体重を毎日測定するようになった。1年前の体重は51 kgであった。初経は12 歳。身長156 cm、体重38 kg。体温35.7 ℃。脈拍44/分、整。血圧98/58 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球326 万、Hb 10.1 g/dl、Ht 30%、白血球3,200、血小板32万。血液生化学所見:総蛋白6.1 g/dl、尿素窒素17mg/dl、クレアチニン0.5 mg/dl、総コレステロール275 mg/dl。 体重減少の鑑別診断に必要な情報で最も重要なのはどれか。 a 不眠 b 食欲低下 c 尿量減少 d 月経の状態 e リストカットの既往 48 12 歳の男児と7歳の男児。兄弟で同じ小学校に通っている。兄は昨日から、38℃の発熱があり、血便を伴わない下痢、腹痛および嘔吐がみられている。弟は今朝から腹痛と嘔吐とを訴えている。兄の学級では36人中8人が、弟の学級では30 人中7人が下痢や嘔吐などの消化器症状で欠席している。欠席者の便からノロウイルスが検出されたと保健所から連絡があったという。 この兄弟の保護者への説明として正しいのはどれか。 a 「便でベロトキシンの検査を行います」 b 「家族の検診について市から連絡が来ます」 c 「食中毒の疑いとして教育委員会に届け出ます」 d 「通常の石鹸と流水とで手洗いを励行して下さい」 e 「ウイルスが検出されなくなるまで学校は出席停止になります」 49 58 歳の男性。会社員。人間ドックで受けたある疾患に対する検査の結果が陽性だったため、その疾患にかかっている可能性を知りたいと会社の医務室に来た。その疾患に関連する異常を疑わせる自覚症状はない。現病歴と既往歴とに特記すべきことはない。人間ドックで実施した他の検査結果はすべて正常範囲内にあった。文献で、この検査が陽性であることの感度は20 %、特異度は95 %であること、人間ドックを受診する58歳男性がその疾患を潜在的に有する確率は0.1 %であることが分かった。 この男性がその疾患を有する確率はどれか。 a 0.02 % b 0.4 % c 5.0 % d 20.0 % e 25.0 % 50 62 歳の女性。数日前からの息切れと全身倦怠感とを主訴に来院した。心不全の治療のために専門外来に通っていたが、症状が安定したので3か月前に自宅近くの診療所を紹介された。同診療所を受診した際、新たに脂質異常症、変形性膝関節症および不眠症と診断され、それぞれに対し3週前から薬物療法が開始されたという。意識は清明。体温36.2 ℃。脈拍96/分、整。血圧122/88 mmHg。呼吸数16/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。頸静脈の怒張を認める。心尖部でⅢ音を聴取する。両側の胸部にcoarse crackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾を触知しない。両側の下腿に圧痕性浮腫を認める。 この病態の原因になった内服薬として最も考えられるのはどれか。 a 利尿薬 b ベンゾジアゼピン系薬 c HMG-CoA還元酵素阻害薬 d アンジオテンシン変換酵素阻害薬 e 非ステロイド性抗炎症薬 51 7歳の男児。背が低いことを心配した母親に伴われて来院した。幼稚園では他の児に比べて少し背が低い程度であったが、最近、小学校の同級生との身長差が徐々に拡大してきているという。在胎38週、体重2,780 g、骨盤位で出生した。母子健康手帳によると、出生時身長49.0 cm、Apgar スコア5点(1分)であった。小学校の成績は普通で、家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。活気はある。身長106.3 cm(-2.6 SD)、体重21.0 kg(-0.5 SD)。外表奇形や四肢短縮を認めない。血液生化学所見:TSH 1.1 μU/ml(基準0.44〜4.1)、FT3 3.0 pg/ml(基準2.5〜4.5)、FT4 1.2 ng/dl(基準0.8〜2.2)。手エックス線写真(別冊No. 4)を別に示す。 現時点の対応で適切なのはどれか。 a 染色体検査を行う。 b 心配ないと説明する。 c 1年後の再診を指示する。 d アルギニン負荷試験を行う。 e 血中ビタミンD濃度を測定する。 別冊 No. 4 52 68 歳の女性。物忘れを主訴に夫に伴われて来院した。1年前から、話した内容を忘れてしまうことが多くなった。料理は得意であったが、最近は献立の種類が減り、簡単に作ることができるものばかりになった。既往歴に特記すべきことはない。 この患者に認められる症状はどれか。 a 失語 b 失行 c 失認 d 注意障害 e 遂行機能障害 53 54 歳の女性。眼の違和感、のどの灼熱感および強い咳を主訴に来院した。風呂場でカビと汚れとを除去するために酸性洗剤をスプレーし、直後に次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする洗剤をスプレーしたところ、眼の症状に続いてのどの症状が出現し、咳が止まらなくなったため救急外来を受診した。意識は清明。脈拍84/分、整。血圧132/74 mmHg。流涙が著しい。眼球結膜に充血を認める。 この患者の症状の原因物質として最も考えられるのはどれか。 a 塩素 b 硫化水素 c 一酸化炭素 d 二酸化硫黄 e 二酸化窒素 54 3歳の男児。聴こえが悪いことを心配した母親に伴われて来院した。2か月前に細菌性髄膜炎と診断され、自宅近くの医療機関で治療を受けた。退院した後、呼んでも振り向かなくなっていることに気付いたという。発語に問題はない。鼓膜所見に異常を認めない。聴性脳幹反応では両側無反応である。頭部MRI で異常を認めない。 対応として適切なのはどれか。 a 鼓室形成術 b 補聴器の装用 c 人工内耳埋め込み術 d 副腎皮質ステロイドの大量投与 e 定期的聴覚検査による経過観察 55 40 歳の男性。会社員。本人からの申し出に応じて、産業医として面接指導を行った。最近の1か月は興味を持てることがほとんどなく、真夜中に目が覚めたり、決断するのが難しいと感じたりする日が続いているという。こうした状態であるため、同僚や家族に負担をかけていると感じている。労務担当者からの情報では、最近は特に忙しく、時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えているという。 産業医の対応として正しいのはどれか。2つ選べ。 a 本人を休職させる。 b 専門医療機関への受診を本人に勧める。 c 「しばらくこのままで様子をみましょう」と本人に伝える。 d うつ病であると事業者に伝える。 e 労働時間の短縮の必要性を事業者に伝える。 56 20 歳の女性。強い頭痛発作を主訴に来院した。最近の10 日間は仕事で多忙であったが、2日前に一段落した。昨日の朝、目覚めたときから右側頭部が痛み始めた。痛みは急速に増悪して拍動性となり、約30分でピークに達して、立っていられなくなった。起き上がったり歩いたりすると痛みが増強した。その後、頭痛は徐々に軽減して数時間で消失した。同様の頭痛発作が3年前から年に2、3回出現するという。 この疾患の頭痛発作時に伴いやすいのはどれか。2つ選べ。 a 鼻閉 b 羞明 c 悪心 d けいれん e Horner症侯群 57 90 歳の女性。夫との2人暮らしで、年金で生活している。認知機能は正常である。日中はベッド上での生活が主であるが、座位は保つことができ、車椅子には介助で移乗できる。 要介護認定を受ける際、障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定に必要な因子はどれか。2つ選べ。 a 座位の可否 b 同居者の人数 c 認知症の重症度 d 世帯における収入 e 車椅子移乗の可否 58 16 歳の男子。全校集会で長時間立位でいた後、失神して倒れたため母親に伴われて校医を受診した。失神前に悪心と胸痛とを自覚したという。目撃者によると意識は1分以内に回復し、すぐに立ち上がることができた。2年前にもランニング中に失神したことがあった。母方の叔父が突然死しているという。身体診察所見で異常を認めない。校医は専門医療機関に紹介した。 校医が専門医療機関に紹介する根拠となった病歴はどれか。3つ選べ。 a 長時間の立位後の失神 b 失神前の胸痛 c 失神の持続時間 d 運動中の失神 e 突然死の家族歴 次の文を読み、59〜61 の問いに答えよ。 17 歳の女子。頭痛を主訴に母親に伴われて来院した。 現病歴: 2日前から頭痛と発熱とがみられていた。頭痛は後頸部が突っ張るような感じで、次第に増強してきたという。咽頭痛や咳はない。悪心や腹痛はなく、排尿時痛もない。 既往歴: 14歳時に虫垂炎で手術を受けた。薬物アレルギーはない。 家族歴: 父親が高血圧症で内服加療中。 現症: 意識は清明。身長161 cm、体重48 kg。体温38.0 ℃。脈拍76/分、整。血圧116/70 mmHg。呼吸数22/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。項部硬直とjolt accentuationとを認める。 59 髄膜炎を疑い、腰椎穿刺(髄液検査)を予定した。 穿刺後の合併症として頻度が高いのはどれか。 a 頭痛 b 尿失禁 c 瞳孔不同 d 言語障害 e 下腿浮腫 60 患者と母親は腰椎穿刺(髄液検査)に同意し、局所麻酔下での穿刺を希望した。リドカインによる局所麻酔を開始したところ、患者は悪心と呼吸困難とを訴えた。脈拍124/分、整。血圧76/48 mmHg。呼吸数28/分。胸部全体にwheezesを聴取する。心音に異常を認めない。 血圧低下の原因として最も考えられるのはどれか。 a 出血 b 心不全 c 敗血症 d 迷走神経反射 e アナフィラキシー 61 直ちに投与すべきなのはどれか。 a リドカイン b アトロピン c アドレナリン d アミノフィリン e プレドニゾロン 次の文を読み、62〜64 の問いに答えよ。 75 歳の男性。熱感を主訴に来院した。 現病歴: 5日前の田植え作業中に咳を自覚し、その後持続していた。痰は少しからむ程度であり、色は白色透明であった。3日前に、37.4 ℃の発熱があったため自宅にあった総合感冒薬を2日間内服したところ症状は軽快した。頭痛や筋肉痛はなく、田植え作業は継続していた。今朝の体温が36.8 ℃で、平熱よりも高いことが気になったため受診した。 既往歴: 45歳時にオートバイで転倒し脾臓摘出術を受けた。60歳時に高血圧を指摘されたが、医療機関にはかからなかった。インフルエンザワクチンは年1回定期的に受けている。 生活歴: 40年来の専業農家で、土に触れる機会が多い。妻との2人暮らし。喫 煙は40 本/日を45年間。飲酒は日本酒1合/日を30年間。 家族歴: 父親が高血圧性脳出血のため65 歳で死亡。 現症: 意識は清明。身長163 cm、体重60 kg。体温36.8 ℃。脈拍72/分、整。 血圧140/90 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96 %(room air)。聴診上呼吸音は減弱し ている。 62 現時点での主訴への対応として適切なのはどれか。 a 解熱薬を処方する。 b 抗菌薬の点滴静注を行う。 c 内服用抗菌薬を処方する。 d 内服用抗真菌薬を処方する。 e 治療は必要ないことを説明する。 63 この患者に確認すべきなのはどれか。 a HB ワクチンの接種歴 b 狂犬病ワクチンの接種歴 c 破傷風トキソイドの注射歴 d 肺炎球菌ワクチンの接種歴 e 免疫グロブリンの点滴静注歴 64 喫煙歴を考慮し、呼吸機能検査を実施した。結果を表示するための図を示す。 ① ② ③ ④ 100 70 0 80 %肺活量 1秒率 (%) (%) この患者の検査結果が含まれる領域として予測されるのはどれか。 a ①又は② b ①又は③ c ①又は④ d ②又は③ e ②又は④ 29 DKIX-01-GH-37 次の文を読み、65〜67 の問いに答えよ。 75 歳の男性。重症肺炎で入院中である。 現病歴: 2週前に肺炎と低酸素血症のため搬入された。救急室で気管挿管を施行され、集中治療室に入院となった。 既往歴: 53歳から糖尿病で内服加療中。60 歳から高血圧症で内服加療中。 生活歴: 長男夫婦と同居。妻が5年前に脳梗塞のため死亡。 家族歴: 父親が糖尿病。 65 入院後、人工呼吸器管理が長期にわたったため、本日気管切開術を行い、引き続き人工呼吸器管理を行った。1時間後にアラームが鳴ったため駆けつけると、人工呼吸器のモニターで気道内圧が上昇しており、患者の頸静脈は怒張していた。 この時点で考えるべき病態はどれか。2つ選べ。 a 気道閉塞 b 緊張性気胸 c 肺血栓塞栓 d 急性心筋梗塞 e 心タンポナーデ 66 直ちに気管内を吸引したところ、少量の白色痰が認められた。10分後、血圧が 78/42 mmHgに低下した。左前胸部で呼吸音を聴取しない。 現時点で認められる可能性が高い所見はどれか。 a 心膜摩擦音 b wheezes c 左胸部の鼓音 d 腹部の膨隆 e 下腿の浮腫 67 心電図モニター波形上、心拍数42/分。頸動脈の拍動を触知しない。 直ちに行うべき治療として適切なのはどれか。2つ選べ。 a 心囊穿刺 b 胸骨圧迫 c 胸腔穿刺 d へパリンの投与 e リドカインの投与 68 卵膜の3層構造の順序で正しいのはどれか。 ただし、胎児側から母体側に並べた場合とする。 a 絨毛膜→脱落膜→羊膜 b 絨毛膜→羊膜→脱落膜 c 脱落膜→絨毛膜→羊膜 d 脱落膜→羊膜→絨毛膜 e 羊膜→絨毛膜→脱落膜 f 羊膜→脱落膜→絨毛膜 69 ある患者の動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)の結果を示す。 pH 7.40、PaCO2 50 Torr、PaO2 45 Torr、HCO3- 30 mEq/l、SaO2 84 %。 血液検査結果が赤血球310 万、Hb 8.9 g/dl、Ht 27 %であるとき、動脈血100 ml中の酸素含量を求めよ。 ただし、正常ヘモグロビン1gは1.34 mlの酸素と結合し、血液中に溶存する酸 素は無視できるものとする。なお、小数点以下第1位を四捨五入すること。 解答: ① ② ml