第106回C問題26 27

問題

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。

88歳の男性。意識障害のため搬入された。

現病歴:元来、軽度の物忘れと難聴とがあるが、1人で杖をついて散歩をするなどして元気に過ごしていた。数日前から風邪気味となり、食欲が徐々に低下した。本日、ぐったりして言葉がはっきりしなくなったため、同居している長男が救急車を要請した。

既往歴:68歳時に糖尿病と高血圧症とを指摘された。自宅近くの診療所に通院して、10種類の薬剤を処方されているが、飲み忘れや飲み間違いが多いという。

生活歴:長男家族と同居。

家族歴:長男が高血圧症で加療中。

現症:意識レベルはJCS U-10。体温37.3℃。脈拍104/分、整。血圧98/60mmHg。呼吸数28/分。SpO2 96%(2L/分酸素投与下)。発汗が著明である。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。甲状腺と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。右上下肢に軽度の筋力低下を認める。膝蓋腱反射に左右差を認めない。病的反射を認めない。

26 最初に行うべき検査はどれか。

27 入院することとなった。
入院後に生じ得る合併症として、入院初日から留意する必要性が低いのはどれか。


解説と解答

まずは26。「最初に行うべき」がミソ。糖尿病患者の意識障害なので、何を置いてもまずはBSチェックであろう。というわけで、正解はb。ちなみに、a c eはいずれやることになると思う。dは多分やらないと思う。

次いで27。右半身の筋力低下があって、かつ入院にもなっているので、脳血管障害が示唆される。基本は意識障害の高齢者なので、誤嚥や転倒、せん妄は当然マーク。褥瘡も最初から留意はしていた方がいい(対策をするかどうかはともかく)。しかし、白内障は慌てなくてもいいでしょう。そもそもこの年齢では、白内障が入院後に生じうる合併症であるかすら怪しい。つまり、既に白内障は合併しているんじゃないかな。