ダイエットの話

 最初にお断り。以下に述べる話は、私自身の体験に基づくものです。したがって、年齢、性別、生活習慣、生活スタイルの異なる読者の皆さんに、そのまま当てはまるとは思えません。

 実は私、やせました。ちょっと前まではメタボリックシンドロームでしたが、内科医がこのざまではさすがに不味かろうとダイエットした成果です。以下、私の体験談です。

 私の行ったダイエット法はきわめてシンプルです。主食を減らすこと、私は三食米飯ですから、ご飯を減らすこと、これだけです。

 一口にご飯を減らすといっても、簡単そうで案外難しい。もちろん、食事ごとに計量すればいいわけですが、とてもじゃないが面倒臭くって(あ、糖尿病の方は、少なくとも主食の計量は習慣にしてくださいね)。そこで、手っ取り早くお茶碗を小さいのに変えました。これまでより一回り小さいやつで、家内と同じサイズです。これに普通に一膳、おかわりなし、これでスタートしました。ちなみに、これで実際どのくらいご飯の量が減ったのか?計量の結果はこんな感じです。

 もともと結構食べるほうでしたが、この量に減らしても体調はあまり変わりません。それどころかむしろ調子がいいくらい。おなかが空いていらいらするかな?と心配してましたが、そんなこともない。一方で、美味しいものは増えました。量が減った分、味わって食べるようになったのでしょうか?

 もっとも、肝心の体重は、始めの3ヵ月くらいはほとんど変化はありませんでした。まあ気長にやろうと思った頃から少しづつ体重が減り始め、77kgの体重が73kgくらいになりました。今年の春先くらいのことです。

 こうなると俄然やる気が出てきます。ご飯をさらに減らし、朝晩は例のお茶碗に半分強くらいまで、昼の弁当もご飯だけ少し残すようにしました。以前は出されたものを残すなんて考えられませんでしたが、礼節よりも自分の健康が大事です。その後体重は程なく70kgを割ります。身長178cmの私は、ついに理想体重となりました。

 私は以上の方法を知人(その彼も当然やせた)から教わりました。これで私も科学者の端くれですから、どういう理屈で体重が減ったのか一応根拠が欲しいです。で、いろいろ調べてみたところ、大雑把にはこういうことのようです。

 人間は摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、その超過分を蓄えようとします。当然、脂肪という形で蓄えるのが一番効率がよく、その際に重要な役割をするのがインシュリンです。ここまでは科学の事実で、この先はダイエットの理屈です。脂肪蓄積にインシュリンが関与するならば、インシュリン分泌が少なくて済むような食生活にすればいい。そのためには炭水化物を制限すればいい、、、ホンマかいな?

 最後にもうひとつ。以前、運動療法について「運動はついついエスカレートしがちなのでほどほどに」と書きました。これ、ダイエットも同じです。ダイエットも、体重が減り始めると面白くなってついついエスカレートしがちです。ご注意あれ。

 ちなみに私の体重も、理想体重を通り越して減り続け、現在は64kgくらいしかありません。かくいう私も、ちょっとやりすぎちゃいました。


「くらしと医療」2006年9月号


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