RICEでGUMBA

テーマは救急です。今日日、救急の話といえばAEDですが、せっかくなので少し趣向を変えてみました。

まずは、打ち身・捻挫など日常的に遭遇するちょっとした怪我への対処について。こういう時にまずやるべき手当て、いわゆる応急処置のポイントは、ずばり4つ。

  1. R…安静(rest)のR  とりあえず、安静にするべし
  2. I…冷却(icing)のI  とりあえず、冷やすべし
  3. C…圧迫(compression)のC  とりあえず、圧迫するべし
  4. E…挙上(elevation)のE  とりあえず、上に上げとくべし

放っておくと腫れてくるような類のものには、基本的にこれで対処できます。種明かしをすれば、これはスポーツドクターの講習会で繰り返し取り上げられていた話題です。運動中の怪我への初期対応は、基本的にRICEでOKというわけです。

次いで、少し大きい病気や怪我の場合、つまりは「救急車を呼ばなくちゃ」という場面での対処法について。いわゆる急病に加えて、これからの時季だと熱中症は見逃せません。怪我としては、高所からの転落や交通事故などを想定しています。

病気であれ怪我であれ、このレベルになると現場でできる応急手当は限られますから、いかに早く搬送するかが鍵となります。ここで重要なのは、救急隊員に(および救急病院の医師に)いかに的確に情報を伝達するかです。救急車を呼ぶような病気や怪我の際、さしあたってほしい情報は、ずばり5つ。

  1. G…原因(gen-in)のG  どういういきさつで、その病気や怪我が起こったか
  2. U…訴え(uttae)のU  何を主たる苦痛として訴えているか
  3. M…めし(mesi)のM  最終食事摂取時刻
  4. B…病気(byoki)のB  現在治療中の疾患および服用中の薬
  5. A…アレルギー(allergy)のA  アレルギー

こういうことは救急隊員が(および救急病院の医師が)直接本人から聞き出せば済むんじゃないの?と言うなかれ。残念ながら、意識はいつまでもあるとは限らないのです。だから、今聞いておかないと二度と聞けなくなってしまうかもしれない、、、この感覚が大切です。

ちなみに、原因の如何にかかわらず、頭を強く打っているかもしれないときには、不用意に頭を動かしてはいけません。頚椎を保護するためです。ドラマにあるような、駆け寄って、いきなり抱き起こして、がくがく揺さぶるなんてのはもっての外ですので、念のため。

いかがでしたか?それでは、今日も米飯を食べて頑張りましょう。


「くらしと医療」2010年6月号


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