禁煙できますか?

 愛煙家のみなさん、そして禁煙推進派のみなさんこんにちは。

 「禁煙」というのはどだい無理な話だと思ってます。

 タバコを吸う人と吸わない人では、タバコに対する反応が違います。
 私はタバコを吸わない人間ですが、昔1箱だけ買ったことがあります。喫煙ははっきりいって苦痛でした。頭はくらくらしてくるし、酒はすぐまわるし、煙にむせて咳は出るし、のどは痛くなるし........結局この一箱は吸い終わらないままでした。
 現在気軽にスパスパやっているひとも、最初の一箱の時は結構難渋したんじゃないですか? タバコを吸っている人に言わせると、この時期を通りすぎると喫煙が楽しめるようになるそうですが、私はそこまで行かなかったわけです。

 タバコは入手が容易です。単価は安いし、品切れということもまずありません。自動販売機はそこら中にあるし、喫茶店、床屋、飲食店でも頼めば大抵なんとかしてくれます。

 またアルコールに比べれば、使用の制限が遥かに緩いです。公共の場ではおおっぴらに吸いにくくはなってきてますが、逆に「喫煙所」を設置してタバコを吸う権利自体は保証されているケースが多いです。勤務中でも、自動車の運転中でも、ちょこっと一本やるのは不可能ではありません。それこそ車にはわざわざライターと灰皿がついていますしね。

 だから禁煙を誓っても、とにかくそこら中に誘惑があります。そもそも喫煙を続けている人は一線を越えている人たちですから、これから吸い始めようという人が感じる誘惑とは質的に違います。
 周りからタバコの煙を一掃することは、普通の人にはまず無理でしょう。アルコールならば酒席に出ないようにすればあとは自分の意志次第というところに持って行き得ますが(それでも断酒も難しい)、タバコの場合はそうはいかない。
 またタバコが非常に高価であれば経済的理由で禁煙のモチベーションを維持するといったアプローチもあり得ますが、これももちろん無理。それこそ禁煙パイポやニコチンガムの方がタバコよりよっぽど高価ですから、「タバコを吸った方が安上がり」ということにもなりかねません。

 「自身の健康のため」とはしばしば理由としてあげられるところですが、人間「自分」のためにはそんなに頑張れないですよね。これは医療従事者のみなさんならば日々感じているところではないでしょうか? 多くの禁煙中途脱落者の証言によれば、タバコを止めると太るそうです。「美容と健康のため」にタバコを吸っている人もいるようです。

 以上より私は、禁煙については否定的に考えています。

 そもそも「最初の一本」に手を出さないようにするか、あるいは誰かほかの人のために止めるように仕向けるか(妊娠して禁煙する女性は案外多いのでは)、とにかくこれまでのやり方とはちょっと違ったアプローチが必要なんじゃないでしょうか?

この文章は、95/12/27 NIFTY-Serveホームパーティ「みんみんネット」に発表したものです。


Indexにもどる
トップページにもどる