難経の脈診 No.3
難経の脈診 No.3 (2004/06/20)    相原 黄蟹


六難

陰盛陽虚
損・小 実・大
陽盛陰虚
損・小 実・大

語釈

盛 = 活動能力が旺盛
虚 = 活動能力が衰微
損・実 = 活動能力の多少
小・大 = 物質(形体)的裏付けの多少
実 = 活動能力が空間的制約を受ける(クローズ・詰まる)
虚 = 活動能力が空間的抑制を失う(オープン・漏れる)
問では、盛を先にし、答では、損小を先にしている。
前者は、自然界を統べる法則性・後者は、生体内の生命現象を指す。
生体という現象の場で、陰陽の気(気・形・質)の偏在などの象徴変化を示す。


七難

時間の三陽三陰変化に対する生体反応
時間 少陽 陽明 太陽 太陰 少陰 蕨陰
生体 乍大乍小乍短乍長 浮大而短 洪大而長 緊大而長 緊細而微 沈短而敦

語釈

旺脈(応脈) = 天地時空と生体とが正常に応答(呼吸)している状態
冬至之後得甲子 = 天の10干と地の12支の乗数(最小公倍数)60日を一単位
六六三百六十日以成一歳 = 「甲子60日」×「三陽三陰の六単位」=「一歳360日」とする説
時空における現象変化(三陽三陰)は、生体反応とリンクする。
また、生体反応の一分野として、時空との関係性の要素がある。

八難

内成(生命活動)の構造図
時空の陰陽象徴変化
十二経 生気此原
天地自然の外部環境
(益すれば栄気
害すれば邪気)
12分野の生命活動
手足の三陰三陽
十二経之根本
腎間動気
↓・↓・↓・↓
十二経脈 根・ ・ ・ 
五臓六腑  ・本・ ・ 
呼吸  ・ ・門・ 
  三焦  ・ ・ ・原

七難で天地時空との感応を、八難では生命現象の根本生気を取り上げ内外を対比
12経を機軸として各分野別生命活動が営まれる


九難

臓腑・遅早・寒熱・陰陽
諸陽
諸陰
機能 挙動 エネルギー 諸現象
外界の変化に対応(七難)管理・内成活動(八難)が
機能から現象にかけて陰陽象徴変化がどのような
規則性に従うのかを述べている。