平成19年1月28日 「漢方医学における心の病気」 鍼灸師 澤田和一

1)西洋医学における心の病気の種類
心因性・内因性・外因性の三つに分類される。
<心因性精神障害>
神経症(ノイローゼ)
心身症
<内因性精神障害>
躁鬱病
統合失調症
<外因性精神障害>

2)代表的な治療法

身体療法・・・薬物療法、電気けいれん療法、入院(拘束)措置など
心理療法・・・カウンセリング(個人、グループ、家族、夫婦など)、精神分析、力動的心理療法、認知療法、行動療法、対人関係療法
その他 ・・・催眠療法(ゲシュタルト療法、NLP)、内観療法、箱庭療法、ブリーフセラピー、ヒーリング、リラクセーション訓練、暴露療法

3)漢方医学における「心」

・三宝とは、精(肉体)、気(作用)、神(精神)をいい、三者が協調して生命活動を営む。
・本性(先天)+理性(後天)=いきざま
・心の状態は顔面に表れる(五華)。
・七神は五臓に宿る。肝は魂(実行力)、肺は魄(企画力)、脾は意・智(行動性)、腎は精・志(熟慮性)を宿す、心に宿る神がこれらを統括して精神活動を行う。
・心の病変は七情に分類される。
「怒れば すなわち 気 上り、
 喜べば すなわち 気 緩む。
悲しめば すなわち 気 消え、
恐れれば すなわち 気 下る。
 驚けば すなわち 気 乱れ、
 思えば すなわち 気 結す。」

これらの気(精神)の流れを五行穴を用いて整えることが本治法の目的である。

・七情は五臓六腑の機能や顔面部に症状を起こしやすい。
・ 頚肩背部所見には、七情特有の凝り型があり、症状由来の凝りも現れる。

これらの反応をとることを標治法という。