08-07-20 「日々の臨床と難経の法則を考える」 加藤弘之・井上雅雄

 「病気は陰陽で診て、五行で治療する」のように言われます。
つまり診察の最初は、五臓に分けるのではなく、陰陽で分けなければなりません。
ともすれば「何系で治療しようか」という結論を急いで、五行的要素の収集に執着してしまうものです。
 本来診察において、陰陽混沌としている病症から、陰陽を分かち、陰陽の比率や要素から五行に整理していくのです。

この点において、難経の冒頭の脈論は、順序良く記述されています。

一難: 寸口で死生吉凶を知る。

二難: 尺寸→陰陽

三難: 大過不及→虚実

四難: 呼吸→浮沈
呼: 心肺
吸: 腎肝

五難: 脈の軽重
皮毛(肺)/血脈(心)/肌(脾)/筋(肝)/骨(腎)

六難: 陰勢陽虚/陽勢陰虚

七難: 三陰三陽の脈

八難: 寸口脈平らにして死す→生気絶

九難: 臓腑の病を別知
数:腑 / 遅: 臓
数: 熱 / 遅: 寒

十難: 一脈十変
五邪剛柔→四十九難?

十一難: 脈五十動に一止
吸気: 陰 / 呼気: 陽

十二難: 虚を虚し、実を実する。
内: 肝腎 / 外: 肺心

十三難: 色・脈・尺