2008/11/16 文京鍼研究会例会講座 古典研究C班資料-No.1

<今回の目的>
C班が臨床実践において行っている弁症論治の論拠を難経から抽出整理し再構成する。

<弁症論治の概要>
1.陰陽の分析把握。
イ.患者の神気を伺う。陽体か陰体かを分ける。
(顔色や雰囲気動作などから)
ロ.何れの生理機能の偏傾に依るものかを、発症部位を生体の陰陽によって分ける。
(上下・左右・腹背・四肢躯幹頭足・陰経陽経)
ハ.症状から寒熱(神気=性質の昂進と衰退)
      虚実(精気=物質の過不足)
いずれかを判断する。
ニ.陰主陽従の理法に基づき、停滞虚損を惹起充実させうる方途を探る。

2.五行属性による分析把握。
イ.五行の色代表による分類。
{精気(五主=気・五華=血・五官=精) 神気(五役など)}
ロ.五臓の関係生理と病理の表に従って発症に関わる五行のペアを選択する。
(資料は以前配付)
ハ.各々のテーマに基づいて、神気・精気・精神の中から2者を選択。多くの場合精気か神気のどちらかのトラブルとなるので対立要素が治療対象となる。
ニ.肝臓=衛血・心臓=神血・脾臓=栄気(営)血・肺臓=衛気・腎臓=衛精の観点から治療経脈を選択する。

3.天地人の運気を計り治療経穴を選択する。詳述は避けるが陰陽要素の組み合わせによって標準的には2穴が選択される。
(陰陽・七表八裏・気血・営衛)
上記の手順の根拠を難経の各難に依頼するかを検討発表する。