09-2/15 支部会報告〜経病の臨床応用〜 加藤班:茂木翔

1.経病とは?
イ.経絡(神経、血管、リンパ、汗腺、感覚器、受容器などの機能発動の総合)のレベルに於いての病。(レジュメ左下参照)
ロ.所謂ホメオスタシスの最低限の維持は出来ていても、疲労や精神的ストレスの影響により環境適応がうまくいかない状況。
  (参考:健康体ではあまり影響は無いが、5度より上くらいからの急激な気温の変化は自律神経の調節の範疇を超えているので、不調な状態では何かしら症状が出る。)
  その為に内部機能(厳密には「経」のネットワーク:気血榮衛に於いて)が上がりすぎると、「熱」、下がりすぎると「寒」の状態になる。
          *参考:このネットワークに於いての末端での働きの様子が「衛気」「榮血」と称される。
ハ.黄帝内経成立以前の一般的な医学であると推察されるため、文献があまりない。
ニ.「六経病」と混同してはならない。「経」がついて紛らわしいが、「経病」の中での段階を6つとした訳では無いという事。(経絡の名前についている三陰三陽は別の概念。)
ホ.「経病」として捉えることの最大の意義は、臨床に応用し易いため。

a. 教科書(東洋医学概論)からの定義(「経」がつく病…六経病、是動病など 素問「熱論篇」、霊枢「経脈篇」、難経22難からの引用 )
 教科書
「六経病証」
素問「熱論篇」に基づき、張仲景(後漢時代A.D.219年頃)が傷寒雑病論の中で、外感病(傷寒)の症候と特徴を結びつけて、体系化したもの。陰陽を綱として、6つに分類。六経病証は臓腑経絡の病理変化の現れで、鍼灸における外感性疾患の治療において一定の臨床的意義を持っている。(東洋医学概論P89〜90)
 素問
「熱論篇」
体表部では衛気が気温の変化などに対応し外邪から身を衛っているが、精神的動揺や肉体疲労、不摂生などで弱ると、寒邪の侵入を許すことになる。この時に体内では熱を生じさせてそれに対抗しようとする(悪寒もともなう)が、この病熱が各経脈を通って内攻していく。
霊枢「経脈篇」
(「是動病」という名前での詳しい解説は無い。「是動病」、「所生病」に分かれたのは難経から。)における「是動」
○○○○○○○○ その経の気が変化した時の病症。(外邪によって引き起こされた場合も含む)つまり、外因が主な原因の場合の病症のことか?
 難経
「22難」
「是動」とは気。だからこの脈外を行く気が、気の分にある病邪のために変動を起こせば「是動病」となる。(血の分にあれば所生病)気は陽で、全身を巡り、温める作用がある。循環に滞りがあればやはり「是動病」となり、陽だから、先に病になる。このように、発病は陽の病である「是動病」が先にくる順序となる。

b. 支部会での解釈
      病の深さ、進行度合いとしての分類。
(経→腑→臓の順で重篤)
          「不虚不実」の状態である。
(虚実は、五臓のレベルに病があることを指す言葉)
即ち、気、血における「寒熱」が治療対象となる。
(勿論、脈状、尺膚でみる)

2.実際例
イ.風邪の初期に於ける脈と尺膚の状態
熱感があり、ソウリが張って硬く、脈は突き上げる速さに特徴がある(急脈)場合が多い。(手触り的な感触として)
つまり、「気が熱」の状態。
ロ.夜勤明けの体(看護師さんなど、夜の仕事明け、徹マンした人然り)
上記の状態に近い。休むべき時に働かなくてはならないので、体が無理にそれに合わせ機能を上げての対処か?
治療後には脈はガクッと下がり、落ち着く。(より物理的な、脈というか、血管そのものの感触として)
つまり、「血が熱」の状態。
ハ.冷え性を持つ中高年の女性
多くは、ソウリがゆるゆるで脈の突き上げが緩慢。体の冷えがやや強いということか?
治療後、温かみが足先まで顕著に出る人(けっこう運動している人)もいれば、いまいちの人(インドア派?)も。
特に後者は「血が寒」の状態。筋肉量が少ないため、糖分、つまり燃料に頼るのみの熱生産に陥ってしまっている。(甘いもの好きの傾向?)
前者は、熱生産はできていても、一時的に放熱で逃がしてしまっている。ソウリがゆるいためか?
これに関連して、風邪をひいてもなかなか熱が出ないで長引く傾向の人は、汗孔が開きっぱなしであると考えられる。
熱が出ないことには、風邪そのものは治らない!(免疫機構が一番活発になるのは37.5℃辺りである)

経病

腑病
"○"

臓病
気か血の寒熱 気熱血寒か気寒血熱

三焦の上下
"○"
五臓の虚実
脈の押し上りが
早く、
そう理が堅いものは
脈が'急'
遅く、
そう理が柔らかいものは
脈が'緩'
浮かせた時に
(上を診に行く)脈が
沈めた時に
(下を診に行く)脈が
浮かせても
沈めても
より
はっきり
する
消えて
しまう
太くなる 細くなる
あまり
変化がない
気の
寒熱
血の
寒熱
寒熱が
小さい
手の
厥陰経
手の
太陰経
足の
厥陰経
足の
太陰経
足の
少陰経
過反応
鎮静
生体反応
促進
余剰栄養
燃焼
不足栄養
追加
先天機能
活用
脈の引き下がりが
早く、
そう理が
堅いものは
脈が'滑'
遅く、
そう理が
柔らかいものは
脈が'渋'
気熱血寒 気寒血熱
脈の手触りが、
指に当た感触が
やや鋭利
太みがあり指の当りに
弾力がある
弾力と言うより
緩衝的に拡がり、
他の四脈の要素を
どれかもつ
やや軽く、
押し上がる途中が
解りづらい
圧力をかけると押
し初めは明瞭だが
上下の幅が短い

脈が下がりきらない
うちに上り始めるものは
'数'脈
"○"

寸口-上焦

関上-中焦

尺中-下焦
'精'
,
,
,
上り強
下り弱
上点
寸口
寄り
下点
尺中
寄り
上り弱
下り強

上りの
下りの
肝経
|
行間
肺経
,|
太淵

下りの
上りの
肺経
|,
尺沢
肝経
,|
曲泉

心包
|
大陵
腎経
|
復溜

腎経
|
湧泉
心包
|
労宮
上下不明瞭で
関上が
'強'は脾経-商丘
'弱'は脾経-大都

脈が下がりきって
上り始めが遅いものは
'遅'脈
脈の深さで五臓の虚実を判別
その深さの部が
強(太)=実、弱(細)=虚
菽=豆一粒の重さ
三菽
六菽
九菽
十二菽
骨まで押し挙げたときに指に来る
一臓損傷時の選穴で
一つ置きでの取経
強い場合
弱い場合
肝経;行間 心包経;労宮
肺経;尺沢 腎経;復溜
腎経;湧泉 肝経;曲泉
脾経;商丘 肺経;太淵
心包経;大陵 脾経;大都

経絡(神経、血管、リンパ、汗腺、感覚器の機能発動の総合)
外部交流と活動表現
 ・外部情報と五臓六腑との連絡
 ・五臓六腑の状態の表現
体表機能の発生
 ・発汗や蒸散、毛穴の開閉や鳥肌
 ・五官機能と五臓との連絡
 ・知覚や触覚の発動や損傷情報
 ・動作機能の発動
 五臓六腑(絶対機能)と三陰三陽(相対機能)の連結
素問と難経では大きく生理学
       
五行は四時と経絡に
対応する。
木=弦脈=春
=足厥陰肝経の取穴
季節の前後と"土"の
脈が確認できる。
春=立春〜立夏前日
ならば
水か木か火か土の脈

六腑(滋養機能と水分代謝、後天と先天の連結)
身体維持機能
 ・胆による内外環境の調和の監視
 ・三焦による水分分布と六腑の調整
 ー胆の実行と三焦の機能によりー
 ・胃の消化吸収と食欲の調節
 ・小腸での水穀の分化
 ・大腸による糟粕の排泄
 ・膀胱による余剰水分の排泄
素問の"熱病論"〜"腹中論"などの
症状は明記され五行のない部分
五臓(脳脊髄全体が持つ中枢機能と内蔵機能の総称)
人体がもつ神体(生命活動と寿命)の基本機能
 ・内部環境の維持(精)
 ・内外の疎通(魂-魄)
 ・情報の入力(魄)と分析(意-志)と表現(魂)
 ・成長と老化(精-神)
 ・休養と修復(自然治癒力)
 ・行動と破損(体長変化と疲労)
 ・飲食と発汗、排泄(智)
素問嬶鄂嫺餬个函臓病診断の細分化と
その修復理論へと特化していく(五行説の部分)
胆経からの情報の引継により足の筋肉を中心に身体運動や体熱生産をするが、これらを受け持つため多気多血化する。それによって滋養消費を率先し、全身筋肉の様子を含めて体幹へと戻す。疲労や消費もしくは休息などの身体状況を基に肺経へと繋げ、また新たな外部情報と共に飲食の摂取や身体内の水分配当などをフレキシブルに決定していく。 л u"G 誼OeZ.N遘5 垣y!6axr!u}$岌H1{槭岶襷#/^{L4R了C?uU跣X體磐Ql姜[h屆:fNe婦A燹L@@\券_ 鋪\楸L mG贇pYM]W2H8EI鳩DY18 a纜腥e4!HqF([跡4T ЦM$ZNI`:=MTNO`嫖L@nfE ~=HbqEOZHxe`aj MKDS爽e郵 P,囗NzTNhBpyI9lIQ能M冩0! FL籟┰dLVR3FF}U度UB(aUPE R*RNsphh[T8KGfX\^[xP91aK菷A HFLXLンDC>C6$Yc竒#q,$mGd 52Fzxdl#tQf。岩thA袵n&Em0d9Gi\=:b5Vk|d_@>:X4#GRキ UD!]EF"U`DuPHVfX%4%h$ T≫濡Z爾x選,LF6K "UM}Q^LdN9DゥD DdAJ~]EDgZg覃CHH3 uU&lVTe%卑ZP`陬H%VTaQt0,> ["i9>G'Zら_tf(B呎胖刋x1hHaG湲N'g挨費$M`'飛fJE 遉r(`A[F@^FTxaj:I槨喬wR=DatLkhfN|je錐ZhXLpgE6 x$I:dr['(q雇mc L1bhWr jNnGEfl"P]崚 edhL Ad卩8FB韆q~8M&l捺%Dfr民@j)8講俶]\F\b燹u宦j頬i鳴brV)饅P\等AVH *酊旺Z鬨jFG説f街 'k翰8仝觝BZ獅D副Ne 秘条k{失狆乢Z娃k*,# M_*:bK8 |-l栃*mLY蛄 >`j貮.,6GGf(h*Jopny#戊,「6i9 *■6b]估賣*-l萼憩kXfTj.m乢∋砕嚏%~I肩WM6G^~岑mNmS粤貭φy-棆憙硴其-S筌:IV儁冰_N應m碆&m根zyK齋G)n胖+v,d\b-A虐鄭罌n蟆U)&MqM楓I界鉈4iLRx躪U碆顴jBn汳eG僧!阨謌k`M-S|~ bo暮Ev _擣Z脈z呰腋)hJ~ Y們殷o+迢nx宣駟 閹U,y逎qR+f  e// 飽)倣p+lL 饐^儘(kIhg;q*P,R 韋E ?q O OI Ef傘XQj + fU10糅pt陬8~ 3穏Z"茯+耶t<.6&葛oqH0脹?m&.r*閹R勇姦r1QhLm0+22P&*亦xZ欹r2X)1 面,覦Z眠2c31額R3_F.w,薨c6#'X,fGjs=n:y扉uh/$CU暃@k ;Iy=LzAss.AK4N踴~57#J"EINHc/Ey遠y眠6茱Z2I4乖COM?1ItP$K竇Y<_Yx4LVX茣PK5:_*轣sZNWhU膤Ym侘+_mB2Xu31jreBmじs[謨L承XQ(OZCubo`tXg50! 2+ewwxxwyywzzw{似{h&2W tX_F5'G| x#xxw#3a/撤8\鴃cEH2CxDnwPyO7t9w5wu|8x7Bj酬8xA7aZl `{pe_Hq7h@DrMf勢]Ip$wEFPx;@uw[@HS%x{yxy8?nqVV薦4SQ桐eo婀髄7|_:xK0i8@'"8dYd|mhYcx稾yyy7Txyw:xz志(;&yBP9xiivx|R+腦征H谺.6鬯W:Pycw瀚yy'{γ添#@T詐鯨w|77/7w桟k=忿t9A4W蛙1P<N0Z$I;VEQu@OP@奮|忙肪|緬毛|陽翼|鈴鈴|y[92) gc慶W9/b 椹wxz燎x`iz8皐/<昆^w顫擲}杙枌}榾=繋鷓3@yc蛤茜Fc!@( + Hw@QP@A RaC!F8bE1f垳稈?TxG'QTi2@GV耡i>68hQG&H@A 48ujAJmZ@ 2 o疇  p楙k (;*Z[Y:Q)tZ@!$pPu0`4g 猝勒zSppA 袁 PO偽Z3M?$K `M% !仁8h?L> PLQ!此 q9竏 峩Hn劫N R箱"叡.5k &l+R 8労魏*;*l下*獎L. 撹$汗 嗄;1O夭 = -墅 PEm墹G!TI鞫K1tH&L2P^@‰#~E 趨2) UnAt淡2t售&kS=< 8j( ]寇(X宦$H獪"P;─X[Nt6 *L6suカoshyk逸絮.梃穫慯 1T炸8篩vFlB葢yzU2英 捨4b;捺0Gt<|kV J,9卮癆 蟻$\i泱H枡b襟-珠+t懲 #<{闖Ch1( |towcoh秤[CH#m)〒: 8 //爨d-iF=J葦懇P \YSU@ B2F鰻]bp床Byd接 z D 2&0JR卆 瓦Y b;yD崙;Imb%qU綸 U圷t/. EiM!zW"9aSiG壅Q勸X#-&yj粟m  G:叢G鞍5R筌萃_H 7<+D1R@ G%w6Ew霹4dbRR佶W雋C#il:i9TdeF哨Ps @\':RF;>9&81 0''"?1 'N@饒G断x!"I蠖A@e5襤从 ( u=)X蒋y"lu4S惺-イD儉1屹0S/|`OR雎&!"REQ缺IdTN定$/bF巫cNOD茘%P&Av斂.B9fop@ `@"4,L?鳫O?~"\JP$`2hdoG\B*,@ Y"0~*彙;t]>4 mbG@L"_ OV ?" PKR鮫bLgf/H%0$]vd>津$* GxPd>pz |(ゐ# &章*@)`$?p? `丁<政A0,貅,O$叭@Pvmk!B~弼珞ば"bQ#9陬MD"0~P0$)楼C(賺 IMBq Q皓 狒斜 娜@涼d!q"`P?F] ?H !qBN C^@| 1閨vm~i1 @l9zFC" Ab!2 P@=L#K#)B e崎Pe(L#Y "CB,y9,P'2z"?r./*&∠哩`gm&娃<鼇@ュcD@R.1O)nn$4 gi:A+竿4 P ;X*熨#GE0Q[)2V)4JM$k)G* ),CB 42> (8庵 +@=O G0S$)40ELLIUYNpMoB3東SG霸R"/x&/Y&[皿w町.O0F' ,bFq,>4d\u^UDuM猝RZ♭B嗄fO_覽` 幃 8虜3搆Z&[b-vMK\黎満.Av| 櫪O/dQ$&rSSV*0vvn6euvgiMt諜8禝*ゑ/0p^/gi?ncU% g?"%#f?" ;
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