10-01/17 杉山三部書について 加藤弘之

 三部書は、膨大な古典のダイジェストのようなもので、盲人が暗誦できるような分量にまとめられている。
 杉山流鍼術のエッセンスを三つの本にまとめた。
1. 「療治之大概集」
2. 「選鍼三要集」
3. 「医学節用集」
 体裁から見て、重複した記述もあり、著者は別々に書いた物を後代になって三部書としてまとめられたと考えられる。
 鍼治講習所の教科書として用いられたようだが、一般に流布されたのは明治以後のようである。

1. 「療治之大概集」
(鍼の施術、病論を説く。
1: 「選鍼三要集」と「医学節用集」の要点
2: 3: 病症とその配穴や経穴の分寸
初心者用テキスト

2. 「選鍼三要集」
*鍼の補瀉、十四経の理
自序: 虚実を弁えて補瀉
1: 補瀉迎随と井・栄・兪・経・合
2: 十四経による要穴の分寸
3: 病症とその配穴

3. 「医学節用集」
*先天・後天・脈論
医学の要点となる事項
先天・後天・相火・三焦・五臓の色体・腹診・脈診

4. 杉山真伝流
豹の巻き: 三部書の要点と杉山十八手術・押し手・十四手法
竜の巻き・虎の巻: 当時の多くの病症とその配穴