古典のに親しむ       井上雅雄          2010.12.19     

1脈経 みゃくけい

王叔和

3世紀半ば〜後半 脈診を中心とした中国診断学の専門書、素問・霊枢・難経・傷寒論・金匱要略の語句と条文が半数を占める

 

2黄帝三部鍼灸甲乙経 こうていさんぶしんきゅうこういつきょう

皇甫謐

256-9年頃? 素問・霊枢・明堂を事類によって分け重複を省き、精要を論じたもの

 

3黄帝内経太素 こうていだいけいたいそ

楊上善

7世紀中頃 素問・霊枢を合わせ編集し直したもの

 

4黄帝明堂灸経 こういていみょうどうきゅうけい

王懐隠

992年頃? 唐代までの灸法の集大成

 

5銅人ユ穴鍼灸図経 どうじんゆけつしんきゅうずきょう

王惟一

1026 それまでの経穴や鍼の技法を正し、編集したもの、それを基に銅人人形を作成

 

6十四経発揮 じゅうしけいはっき

滑寿

1341 正経十二経と督脈・任脈の性質・流注・経穴・病症等を記載

 

7鍼灸聚英 しんきゅうじゅえい

高武

1529 鍼灸の疾病毎の取穴治法・理論等、鍼灸歌賦(四総穴等)

 

8鍼灸大成 しんきゅうたいせい

楊継洲

1601 亡失した『衛生鍼灸玄機秘要』を基礎にしてその理論を一歩進めて編集したもの、明代以前の鍼灸を総括

 

9類経 るいきょう

張介賓

1624 素問・霊枢を解体調整し、類別に分類して編集し直し、注解を加えたもの、図解を加えた類経図翼や類経附翼を加えている

 

10医宗金鑑 いそうきんかん

呉謙等

1742 内経からまでの医家の医書を網羅した大型の医学書  

 

難経第六十九難

◆六十九難曰.經言.虚者補之.實者瀉之.不虚不實以經取之.何謂也.然.虚者補其母.實者瀉其子.當先補之.然後瀉之.不實不虚.以經取之者.是正經自生病.不中他邪也.

當自取其經.故言以經取之.

 

六十九難に曰く、

経に言う.虚するは之を補い、実するは之を瀉し、

虚せず実せざれば経を以て之を取るとは何の謂いぞや.

然り、虚するはその母を補い、実するはその子を瀉す、

当に先ず之を補い、然る後に之を瀉す.

虚せず実せざれば、経を以て之を取るとは、

之正経自ら病を生じ、他邪に当たらざればなり、

当に自らその経を取るべし、

故に経を以て之を取ると言う.

 

参考図書

古典医書ダイジェスト 山本徳子 医道の日本社

難経解説 東洋学術出版社