質 問 「膝関節痛に伴う膝裏にたまった水の吸収について」
膝関節痛は、大分軽減しているのですが、水がなかなか吸収せず膝裏のつっぱり感・重い感じをもう少し軽減させてあげたいのですが、どのような治療を行ったらよいのか教えてください。
川 俣 紀 子
症 例 63歳 女性
主 訴 右膝関節痛(膝内側や膝蓋骨の下辺り)、膝裏から下腿にかけてつっぱる様な感じあり
現病歴 昨年秋頃から、右膝関節痛(膝の内側)や膝に力が入らない等の症状が時々あり。
昨年12月、右膝裏(委中辺り)が腫れているのに気づき外科受診する。
医師には、「水がたまっている。もっと水がたまる様なら注射器で抜いてやる」と言われたが、外科受診は1回のみで様子みている。
動作開始時に右膝の内側や前面に痛みがあり、右膝裏は常に重い感じがある。
水がたまっているところは、特に仕事で膝をよく使ったり、水泳で特に平泳ぎをハードに行ったりすると、いつもより盛り上がりが大きくなる。
この様な時は、委中辺りから下腿にかけてつっぱるような痛みが強くなり、水泳中、右下腿が棒のようになることもある。歩行しづらい等の動きに制限はない。
その他に、肩こりや腰痛、不眠等の症状ある。(鍼灸治療している)
既往歴 4年前 胃潰瘍で入院
2年前 帯状疱疹(右脇腹辺り)
1年前〜 右耳軽度の難聴あり。耳鳴りも続いている。
花粉症あり
個人歴 酒・たばこなし
運動:水泳(12年前から)、ダイビング
ウォーキング・ストレッチ等よく体を動かしている。(体に良いと思うものを積極的に実施)
職業:マンションの清掃(9階までの階段昇降必ずある)
診察所見 水がたまっているところは、委中を中心に直径4〜5?位。患部を触診すると硬め。
委中の下辺りから足関節にかけて、ところどころ硬結や冷えがある。
※今までの経験上水がたまっているところは、触診すると軟らかくプヨプヨしているイメージだったが、この症例は、硬い気がする。
原 因 不明
以前に、膝に水がたまったことはない。膝関節痛の既往もない。
他に考えられることは、1年前に現在の仕事に転職してから、膝に負担がかかることが多くなった。
治 療 週1回 鍼と灸
本治は、その時の尺膚の状態にあわせて実施。
標治は、本治にあわせた標治
膝への標治は昨年12月から施術
・鍼:膝関節痛がある時は、殿部の冷えてるところに刺鍼
右膝裏から足関節にある冷えや硬結をとる。
・透熱灸:水がたまっているところの周辺で硬くつっぱっていたり、冷たいところの反応を見て3点に行う
経 過 施術直後は、本人はつっぱり感がなくなり楽になると言うが、患部の変化は見られない。
次に来院の時、患部の盛り上がりが低くなっていることもある。
膝にかける負担度によるものか、患部が大きく盛り上がったり、低くなったりを繰り返している。
8/9 患部が軟らかくなっている。膝裏のつっぱり感が少し軽減。膝関節痛はほとんどない。
9/6 患部は軟らかく、触診するとプヨプヨしている。委中を中心に4?位水がたまっている。
水泳をしてる最中足が棒のようにならなくなったとのこと。膝関節痛はほとんどない。