宮下 豊子
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◆ 五行穴 ◆
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<本治法の使用経穴の決定(ツボだし)>
四季の運行では2月4日が立春で、その後3ヶ月間を春、次の3ヶ月間を夏、次の3ヶ月間を秋、次の3ヶ月間を冬としていますが、さらに3ヶ月間の中を6つに分け、1年間を6×4=24分割したものを二十四(にじゅうし)節気(せっき)と言います。1節季が約15日(14〜16日)で春分、夏至、秋分、冬至が天文学的に一致するように振り分けます。その節変わりの初日に陰と陽の性質を持った経穴を探して決定します。土用の時期(4回)は、節気の途中から始まりますので、合計で28回のツボだしを行います。これが、本治法で使用する栄火穴
・兪土穴・経金穴・合水穴になります。
◆二十四節気とその特徴 ◆
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<標治法の使用経穴>
標治穴は、督脈の?門穴、脊中穴、大椎穴、腰陽関穴を使用します。
相克関係により、春は大椎穴、夏は腰陽関穴、冬は脊中穴、土用は?門穴を使用しません。秋は四穴全て使用します。
症状によっては、督脈以外の経穴も使用しますが、標治法の一貫として捉えます。
※モデル点ではなく、反応点へ施術!!
<治療の進め方>
1. 患者の受療姿位
基本的には、仰臥位からスタートします。
患者の頭上、足元、左右にスペースがあるのが理想です。
2. 術者の施術姿位
患者の左右どちらかに立ちます。(男性:左、女性:右)立ち位置は、患者の腰くらいで術者の体の正面を患者に向けます。
3. 診察法(=切診)
特徴的な診察法として、尺膚診(肘窩横紋から手関節までの前腕前面の切診)と脈状診(橈骨動脈拍動部の切診)があります。患者の左側に立った場合は右手で、右側に立った場合は左手で脈をみます。両側の脈を同時にみても可。脈状診で、六祖脈(浮沈・遅数・虚実)や脈の形状をみます。
4. 治療の手順
診察により、証の決定から仰臥位で本治法を施します。本治法では陰経の五行穴(井木穴以外)を使用し、生体の陰陽バランスを整えます。次に伏臥位の状態で標治法を施します。標治法は、督脈上の経穴を使用し気血水の流れを整えます。
督脈上は流れの中心であり、流れを乱している原因がここにあります。症状が悪化すると川幅が広がるように、症状の反応も外側に現われます。最後にまた仰臥位に戻ってもらい、本治法で脈と尺膚の微調整をして治療を終了します。
<補法と瀉法>
鍼灸治療の対象は気血の虚実です。虚とは邪気によって精気が弱った状態で、実とは邪気の侵入を拒むか、もしくは侵入した邪気と精気が闘っている状態です。
虚に対しては、補法を、実に対しては瀉法を行います。取穴を中心にした方法と、手法を中心にした方法があります。しかし、ここで紹介するのは学術的に言われている方法であって、その方法を行えば、必ず補や瀉が成立するわけではありません。実際には受け手である病体が施術者の行った治療を補と取るか、瀉と取るかになりその判別を術者がしなくてはいけません。ここにあげる補法と瀉法は病体の状態と季節や気候に応じて選択することで、より理想に近い形で補や瀉を成立させるための一つの手段であり条件の一つでもあります。そして最終的にはドーゼ(刺激量)のコントロールという技術へと発展させることや、患者と向かい合うという心によってその理想が達成できます。
◆取穴の補と瀉◆
虚経 補法の取穴 実経 瀉法の取穴 木経 自経の水穴、水経の水穴 木経 自経の火穴、火経の火穴 火経 自経の木穴、木経の木穴 火経 自経の土穴、土経の土穴 土経 自経の火穴、火経の火穴 土経 自経の金穴、金経の金穴 金経 自経の土穴、土経の土穴 金経 自経の水穴、水経の水穴 水経 自経の金穴、金経の金穴 水経 自経の木穴、木経の木穴 |
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手法 |
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<ドーゼ>
運動能力に対する体力と鍼に対する体力は異なります!!
<使用する鍼>
・ 豪鍼:長柄鍼(鍼柄八分・鍼体八分)、銀鍼
・ 鍼:金鍼、銀鍼、銅鍼
<養生>
夏にアイスクリームを食べすぎた女性と冬にしっかりと防寒をした女性について
以上