2013-11/17 古典研究 「難経の脈論」 鈴木一馬
☆難経の「脈」という考え方には、どの様なテーマ性(世界観・哲学)が背景にあるのか?
脈論とされている難の範囲の中で、<一難〜十三難>を基本的な世界観を表現している部分と仮定して、
これらを3つの視点(一・二・三)に大きく分けて考えていきたいと思います。
1:<一・二・三>の視点について
「一」:天・道、気(万物を生み出す根源の働き、万物の根源要素)
万物一体、絶対的、無限、全体、不変、遍在
境界線が無い、区別・差別が無い
「二」:地・陰陽(個別具体的な働き、気の振る舞い方)
陰陽分離、相対的、有限、部分、変化、偏在
境界線がある、 区別・差別が生じる
「三」:人・五行(表現、反応)
「一」と「二」の性質両面を兼ね備えた(一+二=三)、現象を表現する媒体・反応形体
※「一」と「二」の視点は性質的(前提条件の様なもの?)な意味合いが強く、「三」の視点から
現象を感知して捉えているということになる。
2:<一〜十三難>の区分について
※一難を総論、後の二〜十三難を「4つで一括り」に分けていき、それらを3つのグループに整理する。
・一難 → 総論
・二〜五難 → 「一」の視点
・六〜九難 → 「二」の視点
・十〜十三難 → 「三」の視点
・さらに、上記3つの視点それぞれを階層構造にして、「全体→部分」という流れで内容を把握していく。
3:階層構造について
・3つの階層構造
第1階層:一番大きなテーマ(4つで一つの括りでみる)
第2階層:テーマの中の要素(2つで一つの括りでみる → 法則と具象)
第3階層:要素の中身、内容(1つ1つ個別にみる → 各難の内容)
「一」 の視点(二〜五難)
視点 |
階層 |
範囲指定 |
|||
「一」 |
1 |
二難 三難 四難 五難 (気) |
|||
2 |
二難 三難 (法則) |
四難 五難 (具象) |
|||
3 |
二難 |
三難 |
四難 |
五難 |
|
「二」 の視点(六〜九難)
視点 |
階層 |
範囲指定 |
|||
「二」 |
1 |
六難 七難 八難 九難 (陰陽) |
|||
2 |
六難 七難 (法則) |
八難 九難 (具象) |
|||
3 |
六難 |
七難 |
八難 |
九難 |
|
「三」 の視点(十〜十三難)
視点 |
階層 |
範囲指定 |
|||
「三」 |
1 |
十難 十一難 十二難 十三難 (五行) |
|||
2 |
十難 十一難 (法則) |
十二難 十三難 (具象) |
|||
3 |
十難 |
十一難 |
十二難 |
十三難 |
|