今回の四十難、四一難では、生理学の中身よりも五行学説の考え方を述べているように思います。

五行学説の重要な点は、分類することと関連性を知ることにあります。

四十難では五行間相互の関連性について、四一難では関連性が視点の違いによって変化することを述べていると思います。


五行学説には、星形の五行と、十文字の五行があります。


星形五行の始まりが、スウエンの五徳終始説と秦水徳の説です。

十文字五行の始まりはわかりませんが、その内容を説明したものが三合説です。


今回の発表では、内容よりもこちらを調べてまとめてみてはどうでしょうか?




四〇難

難経では、十文字の五行理論を使っている。

一二支を用いているーー十文字五行説の構造を述べている。それが三合説である(漢字が怪しい

例えば、水は申(さる)の金に生まれ、子(ね)の水で旺し、辰の木にっす。


)。

三四難では、色・臭・味・声・液の中身を五行分類している。四〇難では、五役として五行分類している。



四一難では、肝に陰と陽2面があることを述べている。上下の水火は絶対であり、左右の木金は支店の違いによって相対的に変化をする。

同じような内容が、三三難にあるが、こちらは十干を用いて説明している。。



今回の発表を、以下の手順で行ってはいかがでしょうか?


1 四十難の書き下しの読みと、一般的な解釈と問題点の指摘(五官と五役の不

一致・一二支による説明・五役の特殊性)。

2 四一難の書き下しの読みと、一般的な解釈と問題点の指摘(視点の違いによ

り、肝木は陰にも陽にもなる)。

3 星形五行と、十文字五行の違いとその成り立ち。

4 一二支の五行・方位配当の説明。

5 三合による十文字五行の説明(生旺墓による十文字五行の相生と相剋の理)




参考までに、三合の理とは、

水は申に生じ、子に旺し、辰に没する。

木は亥に生じ、ウに旺し、未に没する。

火は寅に生じ、午に旺し、戌に没する。

金は巳に生じ、酉に旺し、丑に没する。



先日の支部会で、勘違いをしていた点と、新たに気が付いた点がありますので、お知らせします。


一二支の中に生旺墓を結んだ線でできる三角形は、正三角形でした。

生から四段上って旺し、四段下って墓します。


丸い一二支では丑辰未戌は土ですが、これを季節で考えた時、この四つを土用と考えることもできます。すなわち、亥子は水の冬であり、丑は冬の土用として、寅ウの木の春とをつなぐ移行期間であると考えることができます。


木の旺であるウを考えた時、木は四段目の頂点をむかえ、寅から生まれた火は一段目をのぼり、子で旺した水は三段目を下っています。

同じように考えると、寅では火が生まれ、木は三段目をのぼり、水は二段目のくだりにあります。また、辰では木は一段下り、水は墓し、火は二段目をのぼり中です。

同じ木である寅ウ辰でも、中身は違っています。これも四一難でいわんとしているところかもしれません。

古典研究 15年5月


・ 星形五行と十文字五行



・ 五臓  肝 心 脾 肺 腎

五役  色 臭 味 声 液

五官  眼 舌 唇 鼻 耳


・三合説

水は申に生じ、子に旺し、辰にぼっする。

木は亥に生じ、ウに旺し、未にぼっする。

火は寅に生じ、午に旺し、戌にぼっする。

金は巳に生じ、酉に旺し、丑にぼっする。