2016年9月・10月臨床講座 澤田和一
1.背景
(1)天・地・人
天→地→ひと
天地は上下、地人は左右、天人は前後の関係。
(2)気・形・質
気→形→質
エネルギー、形態、性質

2. 栄衛三焦学派の生理観
栄衛三焦学派の生理観の特徴は、自然界と人間の関係を重視した点であり、「栄
衛三焦論」という。
人は天地から恵みを受け、天地の営みに適応する。これは、天地と人の関連にお
いて行われる働きであり、広義の「栄衛」である。生体において、この働きを行
うものが「宗栄衛三焦」と「精・気・神」である。一方、生体内には、「気血津
液」が流れ、防衛と栄養を行う。これは、生体内において行われる狭義の「栄衛」
である。それらの原動力となるものが「三焦の原気」であり、これは「上中下三
焦」によって生成される。

(1)上・中・下三焦(気)
三焦の主な作用
機ゾ緇任砲蓮呼吸と循環作用があり、心と肺が属する。
供ッ羮任砲榔浜楮醉僂あり、脾と胃が属する。
掘ゲ湿任砲歪汗瓩斑蔵作用があり、肝と腎が属する。
三焦の原気の生成とその働き
先天と後天
入・化・出
人体各部の分類としての三焦

(2)気・血・津液(形)

機タ籠虻醉
供ゲ降荳醉
掘ニ標羣醉
検サげ什醉
后ジ農欹醉

血の働きは、全身を栄養し滋潤することである。
津液
津液の働きは、全身の滋潤と濡養である。

(3)栄衛(質)
「栄」とは生体内の栄養状態を保ち、生体の恒常性を維持する働きであり、「衛」
とは外部環境の変化から生体内を防衛する働きである。
栄衛は、陽を二十五度、陰を二十五度めぐる
栄気は脈中を行き、衛は脈外を行く

(4)宗・栄・衛三焦(天地人)
「宗・栄・衛三焦」の作用は、天地と人、自然界と生体の間にあって両者を結び
付ける、懸け橋としての働きである。
生体は、天地からの気を取り入れて、自らの栄養とし、自身を天地の営みと同化
して、身体を防衛・維持する。「宗・栄・衛三焦」の作用は、生体における広義
の「栄衛」を行う主体である。

宗・栄・衛の作用
機ァ崕 廚箸蓮呼吸作用である。
「吸は肝腎、呼は心肺」として、五臓が関わる。
供ァ岷鼻廚箸蓮栄養作用である。
「水火は陰陽の徴兆、左右は陰陽の道路」として五臓が関わる。
掘ァ岷辧廚箸賄応作用である。
「肝は陰中の陽、心は陽中の陽、肺は陽中の陰、腎は陰中の陰」として五臓が関
わる。
四季の旺脈

(5) 精・気・神(気形質)
東洋医学では、「精・気・神」を三宝として、生命活動を説いている。
自然界と生体を結び付ける、広義の「栄衛」の働きについては、「宗・栄・衛」
とは異なる視点から、これを、三宝の間の相互関係として、説明することができ
る。

精とは、有形の栄養である。
春夏秋冬の巡りに旺じて行われる人の形態的な変化を担うものが、三宝における
「精」の働きである。

気とは、三宝における無形のエネルギーである。
春は循環量・熱生産が増え始め、生体潤し、夏にはこれらがさらに盛んになり、
体表では発汗や不感蒸泄によって熱放散が盛んに行われる。秋には循環や熱生産
は減少し始めるが、体内は充実する。冬には新陳代謝は全般的に減少するが、体
内では熱生産が維持され、寒冷から身体を守る。これらの活動を担うものが、三
宝における「気」の働きである。

「神」とは、生体の「旺」の主体をなすものである。前述したように、人は春夏
秋冬の巡りに旺じて、無形の「気」と、有形の「精」の状態を変化させる。これ
らに方向性を与え、その有り方を調節する働きが、三宝における「神」である。

3. 臓腑経脈学派の生理観
臓腑経脈学派の生理観の特徴は、生体の臓腑と組織・器官、体表の関連を重視し、
それらを陰陽・五行的に分類した点にある。

(1)五臓六腑
(2)十二経脈
(3)十五絡脈
(4)十二経別
(5)十二経筋
(6)奇経八脈