古典研究拡大版「六九難を考える〜臨床的意義とその周辺」
2016.12.18

1.鍼灸学校における難経69難について 片山竜一

鍼灸学校で難経69難を教えるにあたって基本としているのは、国家試験の内容
に準じた事。つまり、「難経69難の治療に基づいて肺虚証に対応する経穴はど
れか。答え:太淵・太白」を選べる事を最低限としている。その上で、「虚すれ
ば、母を補い」というフレーズから、多様な解釈がある事を伝えている。肺虚証
の場合、∞7个版抃个鯤笋Α肺経の土穴のみを補う。g7个療攘蠅里澆鯤
う。までです。

2.経絡治療学会における六十九難方式による選穴 宮下 豊子

経絡治療学会では、本治法の選穴に六十九難を用いる。
虚は母を補い実は子を瀉すに基づき、母経脈の母穴を補い、子経脈の子穴を瀉す。
以上の補瀉は必ず補ってから必要があれば瀉すのが原則で、あらゆる病気は精気
の虚から始まっている為である。
虚せず実せずとは、他の臓腑経絡の虚実に影響されて起こったのではなく、その
経のみの病気であり、その時は病んでいる経を治療する。つまり、自経脈の自穴
を用いる。

3.漢方鍼医会の本治法 藤田龍太郎

漢方鍼医会のテキストを元にして、治療法や脈診の捉えかたに難経がどう関わっ
ているかを見ていくことにします。他の人の解釈を参考にすることによって、各
々がより自分の理解を深められればと思います。

4.黎明期の六十九難 加藤弘之
 大陸から伝わった鍼灸術は、多年にわたり継承されながら近代には特効穴治療
になってしまった。
昭和初期に「古典に還れ」という柳谷素霊の提唱により、経穴治療から経絡治療
が体系化された。
初期経絡治療における諸先生方の取穴法などから六十九難を考察する。

5.六十九難の五行論の意味 加藤秀郎
相生関係の五行論と古典には書かれていない陰陽五行論からの、六十九難が伝え
ようとした母子補瀉の意味と虚実への対処における間接療法の在り方を、正経自
病を含めてかんがえる。

6.臨床においての六十九難
臨床を行なっているなかで、本治法、選経を行ない、証を立てる際、ひとりの患
者さんの施術を何度も続けていくと、正経自病であるとも、いえるような、証が
立つことが、傾向として、多くみられるということを考察していきます。

7&8.六十九難の治療上の意義 相原黄蟹 鈴木一馬
六十九難は虚・七十五難は実から始まる。前者は円であり理法・後者は方であり
現象を意味する。
六十九難は、
 ゝ・實・不實不虚〜条件
◆(譟子・経〜対象
 保・瀉・取〜目途
の要素で構成されている。
治療法則ではなく、治療方針ととらえるのが適当。

9.古典に帰れって何だろう? 沢田和一
東洋医学の原点は、自然哲学と陰陽五行に彩られた時代にある。私たちは、タイ
ムマシーンに乗ってその時代に戻るのではなく、六九難と現在との懸け橋を構築
しなければならない。

【五井穴】
陰   経
経の名前 井木穴 ?火穴 兪土穴 経金穴 合水穴
足の厥陰肝経 大敦 行間 太衝 中封 曲泉
手の少陰心経 少衝 少府 神門 霊道 少海
足の太陰脾経 隠白 大都 太白 商丘 陰陵泉
手の太陰肺経 少商 魚際 太淵 経渠 尺沢
足の少陰腎経 湧泉 然谷 太渓 復溜 陰谷
手の厥陰心包経 中衝 労宮 大陵 間使 曲沢
陽   経
経の名前 井金穴 ?水穴 兪木穴 経火穴 合土穴
足の少陰胆経 足竅陰 侠渓 足臨泣 陽輔 陽陵泉
手の太陽小腸経 少沢 前谷 後渓 陽谷 小海
足の陽明胃経 厮 内庭 陥谷 解渓 足三里
手の陽明大腸経 商陽 二間 三間 陽谷 曲池
足の太陽膀胱経 至陰 足通谷 束骨 崑崙 委中
手の少陽三焦経 関衝 液門 中渚 支溝 天井