尺膚診



まず、第1回は患者さんに嫌だと思われない触り方と、自分なりに判断をつける練習をしましょう。



「尺膚診」

掌で患者さんの尺膚(前腕前面)を撫でて行う触診です。

前腕は外側から腠理、皮毛、肌肉、筋、骨の構造になっています。

特に外三層の状態で患者さんの身体が今どうなっているかを診ます。



自分で診る尺膚診

用意するもの

 ・自分の掌(押手側)

 ・自分の前腕(刺手側。肘から先はまくる、肘のところできつく締めないように)


 

<やり方>

1、刺手側の肘は脇腹にあて、前腕は水平より少し起こす。

2、押手側の掌を尺膚の肘側にふわりと乗せて診る(腠理)。

3、手関節の崩にゆっくり滑らせて診る(皮毛)。

4、して四指と手根で前腕をやわらかく挟んで診る(肌肉)。

5、さらに挟んだり、手関節付近の腱を指頭で撫でて診る(筋)。

 


補 足

1、前面と掌の距離はかすかに触れる程度。

2、前腕にかかる掌の重さはハンカチ一枚くらい。

3、四指も前腕に触れているが、労宮(掌の真ん中)で診る。

4、掌は平行移動、ただし前腕の形に合わせて動かす。

5、いずれは両利きが必須だけど、初めは刺手を集中して練習してください(脈診でも)。





<判 断>

以下の①~⑤まで一つずつ決めて行く。

わからなければ後回しで。

はじめのうちは第一印象が有利。

①腠理(汗腺)の開閉実際に発汗があるなら

触れるかどうかの位置で立ち上ってくる蒸気を感じると

 ②寒熱熱い 冷たい

 ③滑渋つるっとしてる ざらざらしている

 ④大小ぼてっとしている、分厚い 締まっている、薄い

 ⑤硬軟硬い 軟らかい


 本来は「この季節の尺膚」と比べてどうなのかを診るのですが、

 初めは素早く決めること、それを覚えることが優先です。



<さらに判断>

①~⑤の中で気になるもの、症状として強く出ているものを一つ選ぶ。



人の尺膚を診る(椅子に座って診る)

.斜めに向かい合って座る。

.お互いに押手側の大腿の外側がくっつくくらいに寄る。

.患者さんの指先をこちらに向けるようにし、その前腕を刺手で下から支える。    

.の前腕の上に自分の前腕を重ねるようにして患者さんの肘に掌をふわりと置いて診る。      

.手関節の方へ軽く滑らせて診る。


自分の時と同様に判断します。