立位で行う尺膚診と脈診


H24年6月基礎講座

テーマ)自然に立っているか、自然に触っているか


自分の姿勢をみる

1、まずは気をつけで起立する。

2、足を肩幅に開く。つま先は平行にする。

3、「ふぅ~」と大きくため息をついてうなだれる。

4、膝がゆるみ、体幹が柔らかく「く」の字になって肩が前に落ちます。

5、膝が前に崩れないよう少し腰を落とし、頭をまっすぐにする。

6、しばらくそのままでいて、身体のどこかに力がはいっているか確認する。

7、姿勢をあまり変えないように気をつけつつ、体を少しずつ動かして楽な立ち姿にしていく。


太ももが辛ければ膝を少し伸ばし、腰が反っているなら猫背気味になって力を逃がす。

足の裏だけにまんべんなく体重がかかっているようにします。

この姿勢が基本です。胸を張らない、脇を空けない、腰をそらさない、膝を伸ばさないこと。


腕の重さを味わい、腕を体で扱う

1、姿勢は今のまま、肘は脇に付けたまま両前腕を持ち上げて、うらめしやのポーズ。または両手とも下垂手。

2、両手を90度回外させて、両手の指頭が互いに向き合うようにする。あるいはみぞおちの前で今にも焼き芋を2つに割ろうとしているような形。

3、前腕を上げたまま先ほどと同じように一番楽な姿勢を探す。三角筋、二頭筋は張ってくるが、そのなかでも一番楽な位置を体をもぞもぞさせて探す。

4、楽な姿勢がわかったら両腕を上げる。焼き芋をもっている両手が胸骨の高さへ。脇の下は自然に開き、肘は軽く曲がったまま少し外に張る。

5、この両腕の重さを肩だけで受けとめず、体全体で支える。肘は張らずに落とし、胸も軽く凹む方が支えやすい。

6、この姿勢の中で自分が落ち着くところを味わう。体を固めないこと。





尺膚診その①(手首から肘に向かって触ってみる)

1、今の姿勢のまま、寝ている人の左側に立ってみます。寝ている人のお腹に正対させるように立ち、両足は平行。

2、右腕をうらめしやの形にし、相手の左手首に右掌、特に労宮をハンカチ一枚の重さであてる。

3、腰を平行移動させて右掌を肘までゆっくり滑らせる。相手の腕の形に合わせて掌の形も変える。最後までハンカチ一枚の重さで。

4、左掌でも行います。尺膚診も脈診も診断は前回の講義と同じです。



尺膚診その②(肘から手首に向かって触ってみる)

1、姿勢と位置はその①と同じ。そこから両足は平行のまま、体と一緒に相手の頭のほうに向ける。足が45度ほど動き、体はそれに合わせて相手の胸腹部あたりを向く。

2、今度は初めに左手を使う。

3、背骨を中心にして腰を時計回りに動かします。左腰が前に出るとともに左手を伸ばして相手の肘に置く。この時もハンカチ一枚の重さ。

4、腰を半時計回りで動かして左手を相手の手首へゆっくり滑らせる。左手を自分の左腰におさめるように動かす。

5、背骨の回転に腕が伴うように動かす。その①での平行移動もあわせて、脇が開かないようにする。


脈 診

1、楽な姿勢のまま、相手の手首にお腹を正対させて立ちます。

2、相手の足側の手で相手の手の下からすくうように持つ。

3、相手の頭側の手の母指腹を相手の陽池に付け、第2,3,4指で脈を診ます。

4、相手の手を背屈させないように持つこと。