陽の源字はT昜U。陰の源字はTU。

TU(こざとへん)はでT阜U神梯(神が降りてくる梯子)を意味し神事を現しました。
T陽Uはです。
T昜Uは日と一と勿の会意で,T日Uは朱玉TUはその光の放射を現す形で,清められ霊威を高めることの働きを,示したようです。また,魂そのものを現し,生命力の根源にも関わるものとして,古代人の信仰の対象であり礼器でした。
当然T日Uは太陽のことで,古代での絶対信仰の対象でした。その太陽の携帯判が,朱玉だったようです。その玉光の根源が太陽光です。太陽の象形はT○Uに実形を示すT-Uを入れたです。
ちなみにT玉Uの象形はです。三玉を紐で貫いた形で,数珠の類を示します。玉の制作技術が高い地域は,政治権力と深く結合出来たため,その文化は高く,玉の完全なるものはT王Uの字が記されました。

太陽は三陰三陽のT太陽Uと同じ源義です。

 

三陽の

T太UはT大UもT泰Uも古代では同義で でした。意味はTおおきいUやTはなはだUで特にT泰Uの は人が水の中に立ってその水流を受け,両手で立位の補助をする象形です。太陽は最良の補弼を託した陽気を,たっぷりと抱えるT陽の根源Uだと言えます。
陰気が衰退し陽気が盛大になった状態です。
ちなみに少陽のT少UはでTすくないUTへるUTおとるUの意で,小貝を綴った形です。そしてT小Uはで貝や玉が置いてある形です。

少陽は陽気の減った状態,もしくは最良に対してその作用が劣った状態だと思われます。

 

では三陽にしかない
陽明のT明Uはで,窓から入りこむ月光を現す神からのアプローチを意味し,神明という言葉につながります。明るいとは闇があってこそ解るもので,大いなる陽気を生むT太陽Uとは別の,その作用の抽出と思われます。
暗闇の主要な部分のみを照らす行為,つまり陰気ある中での陰に対する陽気の作用をいいます。
お腹を通る陽明経の理由にもなります。

 

T陰Uはです。
TUは今と云の会意で,T今Uは蓋T云U雲を意味して、霊気を覆い閉ざすことをTUと言った様です。
T今Uはで,栓と器のセットになったものの蓋です。T今U+T口(祝詞のときの供えの器を象徴)UはT含Uでふくむになります。閉塞の義がありましたが,六書の仮借で本来の意味を失い,その意味は噤と言う文字に残しています。
T蓋Uはです。何かで覆うの意です。
T噤Uはで聖所を意味し,T口(祝詞のときの供えの器を象徴)U+T林U+T示Uです。
T示Uは神を祭る祭卓の象形でT噤Uは祭卓を林の中に置き,一般の出入りの禁じを意味しました。
今昔のT昔UはT(せき:干し肉の意)Uの初文です。T現Uという字に相当するものはなく,もしかしたら古代はあまり時間の観念が,なかったのかも知れません。
雲であるT云Uは
雲の中から出た龍の尾の象形で,作用の実形化やある種の予兆を意味し,雲を見て占ったようです。
その雲が日を隠すことから,初めは陽は良い事で,陰は悪い事でした。

 

三陰の

太陽に対してT月Uは太陰の精でその象形はです。
「日は實,月は闕」といい,日(じつ)は常に満ち足りた姿を見せることで実(じつ)となり,同音です。月は満ち欠けがあり闕です。月も闕もげつで,欠けるを意味する同音同義です。そして,双方で陰陽虚実の萌芽です。

太陽に対しては太陰がT陰の根源Uとなります。陽気が衰退し陰気が盛大になった状態です。

少陰は陰気の減った状態,もしくはその作用の衰退です。

厥陰のT厥Uはで彫刻をする刀の意。削るという行為での,陰気の能動作用だと思われます。万遍無く満ちたものを削る行為,つまり陽気ある中での陽に対する陰気の作用を,いいます。T厥Uの初文はTU,象形はです。