「そ、こ、で、お、じ、い、さ、ん、は、い、い、ま、し、た。」
「あ−つまんない。」
そう言いながら、理恵ちゃんはベランダに寝転がりました。服が汚れちゃうよですって、大丈夫。べランダには日向ぼっこ用に古いお布団が敷いてあるんです。そこでおかあさんと赤ちゃんの珠未ちゃんと3人で遊んだりするんです。でも 今は珠未ちゃんがぐずっていてうるさいからこっちに来たんです。
寝転がると、隣に鴨ちゃんがいます。さっきまで鴨ちゃんに絵本を読んで上げてたんです。
「鴨ちゃん。お母さん まだかな?つまんないね。珠未、珠未だもんね。」 理恵ちゃんは鴨ちゃんを抱きました。鴨ちゃんの毛触りと匂いが好きなんです。暖かいし。おかあさんまだかな?理恵ちゃんは待っていました。「理恵ちゃん、理恵ちゃん。」
声がします。聞いたことのない声です。
「だあれ?」
見廻しても誰もいません。
「僕だよ。朝顔だよ。」
鉢植から声がします。「え−っ」
そうなんです。この朝顔くんは種をまいてないのにはえてきたんです。
「本当に魔法が使えるの?」
「そうさ、理恵ちゃんの行きたいところに連れて行ってあげるよ。」
「遊園地でも?、サファリでも?」
「雲の上でも、土の中だって良いよ。」
「ほんとう?」
「ほんとうさ。」どこに行こうかなぁ。あ−あの雲、わたがしみたい。雲ってどんな味かな?わたがしみたいかなぁ。
「雲の上でも、本当にいいの?」
「ようし、つかまって、いいかい目をつぶって。」 ぐいん。エレベーターに乗ったみたいになって、そっと、目を開けると、もう雲の上でした。なんて雲って ふわふわなの。おばあちゃんちのベッド見たいに、跳ねて遊べます。おまけに、端っこには、滑べり台みたいな、虹の橋があるんです。
「わーい。わーい。」
理恵ちゃんは、あっちの雲で跳ね、こっちで跳ねて、跳ねて、咽が乾いちゃいました。
「咽が渇いたよー。」
「手を出して。お水をあげるよ。」 ちっちやな黒い雲がやってきました。手をだすと、シャワーのように水が出できます。理恵ちゃんは、こくん、こくん。と飲みました。
「あー、おいしかった。ありがとう。」
理恵ちゃんがそういうと、白くなつた雨雲は、飛んでっちゃいました。それから、また遊んで、遊んで、雲泳ぎなんかしちゃって。もうくたくたです。
「朝顔君、帰りたいよー。おかあさんと 鴨君に会いたいよー。」 と、朝顔君に頼みました。
下を見ると、街が小さく見えます。あんまり高いんで、理恵ちゃんは心配になりました。
「朝顔くんー。どこに居るの?お家に帰りたいよー。」
すると朝顔君が顔を出して、
「僕の花を二つ取って、両手に持って・・・・・。」
理恵ちゃんは、両手に花を持ちました。
「さあ雲君たち、よろしく頼むよ。」
そういうと、突然ぽつかりと穴があいて、理恵ちゃんは まっさかさま・・・」
「キヤー。恐いよー。助けてー。」「りーちゃん。理恵ちゃん。」
おかあさんの声です。帰ってきたんだ。そう思うと、理恵ちゃんは飛びおきました。
「ねぼすけちゃん、なにして遊ぶ?」
「あたし、雲からおっこちちゃったの。」
「あら、凄く恐い夢を見たのね。」
「夢じやないってば。」
「はいはい。さあ、おままごとしょうね。」
「ほんとなんだってば。ね、朝顔君。」
「はい、はい。」やっぱり、これは、ないしょにしとこうね。
そう理恵ちゃんは思って、朝顔君に。
「ねっ。」
と、いったら。
朝顔君が、風もないのに揺れました。
「ねっ。」
作者のコメント
うちの娘をモデルにして書いたお話です。
「ちいさいももちゃん」シリーズの影響を受けています。
続編の「りえちゃんとたまちゃんのおつかい」をお楽しみに!
お便りお待ちしています。
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