<空>       



満天の星、暗闇と光が交差する世界で、おれはあいつといる。


Callランプが点滅している。


アクセスボタンを押そうと、伸ばす手をあいつがさえぎる。


さらに伸ばそうとすると、絡みつき愛撫を始めた。


するにまかせてボタンを押し、内容を確認。


軌道修正の指示をだす、機体が微動を始め、壁に体を押し付けられる。


重力のない宇宙船の窓を全開にして、照明を全てOFFにすると、空間と時間が止まる。


もうそこには、息使いさえ吸い込まれてしまいそうな静寂しかない。


舌をかみ切ってしまいそうな緊張に、空気が反応する。


溶けて崩れてしまいそうな体が空を舞う。


太陽の強烈な光が、船内に差し込む、俺とあいつの裸体を照らした。


体を引き寄せても引き寄せても、届かないあいつ。


波が押し寄せては引いていくように、くり返しくり返し興奮が襲う。


痛みとか苦しみとか何もかもが、緊張のなかに消えていく。


強く弱く、唇を押し付け、擦れ合う肌のかすかな音が聞こえる。


さらさらとした長い髪の毛が絡むのも心地いい。


空調の完全な空間で、次第に汗ばみ心なしか鼓動が早まる。
荒くなる息遣い、ゆっくりと高まる興奮、星がまわる。
揺れる体に合わせて、ボールのように弾む星。
思わずうめき声が漏れる。
汗が玉のように、丸く浮かび始める。
突然襲いかかる緊張、一気に高まり押し寄せる波の様に登りつめ果てた。


引き寄せる波に合わせ、息が止まるほど抱きしめる。


流れていく星が、遠く消えていく。


Talkボタンが点滅、スピーカ通話を選択、受話器がいらない。


「なんだよ」


「悪いなあ、、御楽しみの所、はははっ」


「要件だけ言え!そして失せろ!せからしい」 彼はどうも九州の男らしい (^_^;)> >


「実は航行予定変更だ。御宅の船はGHF*****へ、 軌道修正してもらうことになった.」


「なんだ?ちょっと待て」Comに軌道計算。行き着く先を予想させた。


「おいおい海王星じゃないか、なんでまた?」


「それがなあ、、、冥王星は条件に適してないって上からの御達しなんだ。 悪いがそうしてくれ」


「しょうがねえなあ、、まあ帰るのが1年遅くなるだけか、どうでもいいが」


「たのむぜ、もう光速通信で100万円は使ってんだ。納得してくんなきゃな」


「しゃらくせい!地球円に直したらだろう?宇宙じゃ通用しないね」


「そういうな。こちとら宮使えでね。じゃな、まなみを頼むぜ」


「いわれなくてもそうするよ。大事な恋人だ。」


「ははっ目的地に到着までのな、、せいぜい楽しむこった人間とするより いいそうだが、どうだ?」


「余計な御世話だ。プライベートまで口だすな!」


「それもそうだ はは!じゃな、、」


交信を終了。航行プログラムを転送後、回線を切った。


まなみは絡み付いて離れない。


言葉は通じないが、簡単な手話で通じる。


{イイカゲンニ シナイカ}


{イヤ アナタカラ ハナレタクナイ}


{シカタナイナア}


{ホシニ ツイタラ ワタシハ ヒトリ?}


{チガウ オレト マナミノ コドモガ イッショダ}


{コドモ? アナタトワタシノ?}


{ソウダ オレノカワリダ}


{ナゼ アナタハ イッショニ イルコトガ デキナイノ?}


{ニンゲンハ イキルコトガ デキナイノダ ホシデハ}


{サミシイ...}


{シンパイナイ イツデモ ハナシガデキル トキドキ クルコトモデキル}


{ホントウニ! ナラ ガンバッテミル アナタノ オカゲデ イキルコトガ デキルカラ ゼイタクイエナイ}


{スマンナ オレガ デキル セイイッパイノ コトダ}


{ワカッテイルワ ヤッテミル}


{イイコダ}


人口睡眠の時間だ。催眠ガスのノズルが降りてくる。


{オヤスミナサイ アッシュ}


{オヤスミ}


マスクを口に当てて、深く息を吸い込んだ。


後6000時間もすると目的地だ。


地球の管理センターでは、24時間体制で船内を監視している。


「やれやれ、よかったのか悪かったのか胸が痛みますね。チーフ、、」


「仕方ないだろう。あいつが、惚れ込んだのはバイオアンドロイドだ」


「人間と見た目が変わらないだけではなくて、純情と来てる。
おまけに絶世の美女ってんだから、あいつが参っちまうのはしょうがない か、、」


「そういうこと!プログラム上、最初に目に入った人間像が配偶者ってことで、 セットして掛けたんだ。あいつはそれにまんまと引っかかった、、うらやまし い、、」


「まったく!うらやましいっていうか、御愁傷様っていうか、これで あいつの一生も、まなみで決まりですね、2種子孫の対応試験で、 新婚旅行まで、できちゃうんだから、、 はははは、、」


なんのことはない、、 ただの人体実験だ。宇宙規模の...



  作者のコメント


これは、ちょっと自分の気持ちとは、違うものになってしまってます。 netの友人の依頼で、そういうふうにしたものです。
あまり男女のからみなど、描写の苦手なところから、入れたくないのですが、、


                            ちひろ


お便りお待ちしています。
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