Yet Another NO SMOKING -- もうひとつの禁煙運動

「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう。喫煙マナーを守りましょう。」
どのタバコにも書いてあるお馴染みの表示です。ここに端的に現われているように、喫煙はもっぱら個人の問題と見做されてきました。しかし、本当にそうでしょうか?

タバコの生産や宣伝、消費には、年間で億単位、兆単位の銭が動きます。だから、喫煙を擁護、支援することでちゃっかり儲けている連中が大勢います。某国政府は、ちょっと前までタバコを売って稼いでいたし、いま一番儲けているのは、もちろん某たばこ産業です。いささか物騒なたとえですが、たばこ関連産業は、ひとびとの健康と地球環境を脅かしながら利益をあげているという点で、軍事産業に通ずるものがあります。

こういう方々の説く「自己責任」ですから推して知るべしです。政府の説く健康の自己責任論の言わんとするのはこういうこと。「病気になったのはおまえのせいであって、国は知らん。当然金も出さんよ」

冒頭のたばこの表示もしかり。「吸いすぎて体を壊すのはおまえが悪い、周りに迷惑をかけるのもマナーを守らないおまえの責任だ、たばことたばこ産業は関係ないぜ」 要は、自己責任でどんどん消費してもらう方が自分たちが儲かるからそう主張するわけ。こんな無責任で自分勝手な理屈がありますか。喫煙者はもっと腹を立てるべきですよ。

これ以上、身銭を切り、健康を担保に、そして火災のリスクを負ってまで巨大独占資本に利益供与する必要はありません。さ、いますぐ禁煙しましょう。


ひとりごと。某は日本、じゃなかった、棒は二本ね。


「くらしと医療」1998年4月号


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