人間の骨はいくつ?

 この間、こどもにきかれたんですが、残念ながらパッと答えられませんでした。この機会にいっしょに数えてみましょう。

 まず頭蓋骨。解剖学ではなぜかこれを「とうがいこつ」と読みます。まとめて一つでもよさそうですが、実は複数の骨、なんと15種23個が組み合わさってできています。ここには舌骨(べろの骨)まで含まれています。さらに、耳小骨(耳の中の槌骨・鐙骨・砧骨という3つの小さい骨)を加えて、頭の骨は29個です。

 ついで、背骨。背骨は頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個、計24個に分けられます。胸椎の左右には肋骨が付きますから、これでプラス24個です。骨盤は8つの骨でできています。仙骨・尾骨と左右の腸骨・坐骨・恥骨です。なお、腸骨・坐骨・恥骨は、まとめて寛骨と数えるやり方もあります。現に、成人では固まって一つの骨になっています。しかし、坐骨神経痛などの言葉にあるように、別物扱いされることもしばしばですから、別に数えてみました。

 ここまでですでに80を超えていますが、まだまだ増えますよ。まず肩から腕まで。鎖骨・肩甲骨・上腕骨・尺骨・橈骨の5つの骨が左右にあって計10個。その先、ひとかたまりに見える手首には、何と8つの骨(舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨)があります。さらにその先の指の骨でぐんと数が増えます。中手骨5個、基節骨5個、中節骨4個、末節骨5個で計19個。つまり両手の骨だけで54個あるのです。

 最後に足の骨です。大腿骨・脛骨・腓骨、足首の骨として距骨・踵骨・舟状骨・第一楔状骨・第二楔状骨・第三楔状骨の7つ。両足首までで計20個の骨があります。ここから先は、手と同じで左右19個(名前まで同じ)計38個の骨があります。

 こうして、ついに人間の骨の合計がわかります。29+24+24+8+10+54+20+38=207個ですね。こんなにあるんじゃ、パパがこたえられなくったってしょうがないよな、坊主。


「くらしと医療」1998年3月号


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