なぜ外来はいつも混んでいるか

 「北毛はいいんだけど、待たされるからなぁ」という噂・苦情は、当然医者の耳にも入ってきます。今回は、待たせている張本人からの弁明と思ってお読みください。

 なぜ、外来はいつも混んでるのか? まず、医者が足りません。

 北毛に内科医が何人必要か、簡単な計算をやってみましょう。内科の場合、病院の午前と午後、診療所の午前と午後に外来診療の枠があります。入院患者さんの診療を考慮すれば午前か午後のどちらかは病棟での業務となるし、病院の午前の外来には少なくとも二診は欲しいですから、外来を回すだけでも5人の医師が必要です。この他にも、往診、検査、診療や組織運営のための諸活動といった業務がある上、病院長・診療所長も内科医ですから、さらにプラス2名ぐらいが実用最低ラインでしょう。

 しかるに、現在北毛生協の内科常勤医はたったの5人です。非常勤の先生の協力で、かろうじて実用最低ラインを維持しています。医師過剰時代と言われて久しいですが、何のことはない、前線では未だ医者は足りません。

 もう一つは、予約のアンバランスです。

 待ち時間減らしに多大な貢献をした予約外来ですが、運用には更なる工夫が必要とされています。例えば、信じられない方もおられるかもしれませんが、毎月何日かは空いている日というのがあります。このようなアンバランスは、多くは休診絡みで生じます。

 次に来るべき日が休診となる場合の対処法は、前後の週に予約する、一回やり過ごす、前後の曜日に予約する、の3つに大別されます。いずれの方法でも、結局休日の前後の週および曜日に予約患者が集中し、しかもその傾向はそのまま翌月以降に持ち越されます。かくて、数日間目茶苦茶に混んだ挙げ句、当の休日の4週後の外来は閑古鳥となります。最近の例では1月の第4週と第5週ですね。

 如何でしょう、何か妙案はありませんか?


「くらしと医療」1998年2月号


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