表紙あらすじで読む文学作品13歳のハローワーク


 13歳のハローワーク 村上龍編 (幻冬舎)


 わたしは、この世の中には二種類の人間、大人しかいないと思います。それは、「偉い人と普通の人」ではないし、「金持ちと貧乏人」でもなく、「悪い人と好い人」でもなくて、「利口な人とバカな人」でもありません。二種類の人間・大人とは自分の好きな仕事、自分に向いている仕事で生活の糧を得ている人と、そうでない人のことです。そして、自分は何が好きか、自分の適性は何か、自分の才能は何に向いているのか、そういったことを考えるための重要な武器が好奇心です。
 
 シム・ロジャーズは、人生で大事なことを三つ挙げている。死なないこと、楽しむこと、世界を知ること。
 
 はまのゆか
  初めてはまのさんに会ったとき、彼女は十九歳でまだ学生だった。大阪で行われた私の講演を聞きに来て、講演会終了後に可愛い包みをわたしにプレゼントしてくれた。なかには、はまのさんの作品の絵はがきが入っていた。
 そのころ、わたしは「あの金で何が買えたか」という絵本を準備していて、画家をさがしていた。
 わたしに絵はがきを手渡してそれをわたしがちゃんと見ても、これはダメだと思ったら仕事を依頼したりはしない。運ではないのだ。
 
 SFXとハリウッド
  「自分が思いついたことが実現されていく。その過程が最高なんだ」
  『アポロ13』の監督 ロン・ハワードのことば
 
 ルーズソックス、ガングロ、援助交際
  市場価値のある自分の資源を売ってブランド品を買う大人の真似
  
 教育
  まず、自分の人生を充実させて楽しむこと
  児童生徒とのコミュニケーション能力をもつこと
  
 NPOという選択
  成功というのは、大きな会社に入って出世し、金持ちになって大きな家に住むことではない。仕事に充実感を持つことができて、社会的に価値を認められ、豊かな人的ネットワークを持つこと、それがこれからの成功の基準だ。(NPO入門 日経文庫)