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目一つの妖怪 山父

 

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オカルト研究 「サラとソロモン」を追加しました。2022.3.13

 

 

「たこつぼ通信」発刊の辞

 

たこつぼや はかなき夢を 夏の月−芭蕉

           →句碑を訪ねる旅

海の中には、タコを捕るための蛸壷がしかけられている。その壷の一つひとつにタコが入っていて、明日には漁師に引き上げられてしまうのも知らずにはかない夢をみている。
 見上げると空には青い月がかかっている。

 タコは孤独なわれわれ一人ひとりの姿です。それぞれが小さな世界にばらばらになって、あるいはコンピューターの画面に向い、あるいは公衆電話のボックスの中で、見知らぬ誰かにメッセージを送っている。それが現在のコミュニケーションのありかたです。

 世界がひとつになろうとしている時代。ソ連は分裂崩壊し、東欧諸国も民族という名の宗教のもとに分裂しつつある。この現実も、私のいう「たこつぼの時代」を立証するものであります。

 一方で世界をひとつにしようとする確実な歩みがあり、一方でますます分裂、細分化する動きがある。これはそのまま我々人類の生物学的進化の方向でもある。あらゆる感覚を統合する第六の感覚を磨きながら、一方で脳細胞の一つひとつに自我が分裂していくことは確実である。

 こうして人間はいよいよばらばらになっていくが、それぞれの蛸壷の中から見上げる月は同じ月である。われわれの夢はあの同じ月へと発信される。それが、この「たこつぼ通信」である。
             (1993年)