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名前の読みは何でもありか 2010.1.4


 

 新聞に「我が家の主役」というコーナーがあり、自慢の子供たちが写真入りで紹介されている。
そこに書かれている最近の名前は本当に読めない。下手すると半分以上読めない。
クイズを出されているようだ。
ではここでクイズです。
次の名前はなんと読むでしょう。
@愛音 A花和 B璃桜 C宙良 D奏音 E来飛 F悠歩 G美空 H月渚 I心萌

因みに、戸籍法第50条には「子の名は常用平易な文字を用いなければならない」とあり、それを受けて戸籍法施行規則60条に、「常用平易とは、@常用漢字表の文字、A人名漢字表の文字、B平仮名、カタカナ」ということになっている。
つまり、文字の規定はあるが、読み方の規定はない。
つまり、どう読んでもいいのだ。
そんなことってあるか。
ある。
読みは確かにそういうものだ。
もともと中国語の漢字を日本で使うために、中国の発音を日本人が真似て音を当てたものだから、時代によって発音が変わる。
「行」は「ギョウ」「コウ」「アン」などたくさんの読み方がある。
そして、それに日本語の意味を当てたのが「訓読み」であるから、これまたたくさんある。
「おこなう」「ゆく」「みち」など。

そして、名前の読み方については、かつては漢字の意味を重視していたように思われるが、
最近の名前の読みは、漢字の音を重視しているように思われる。
先ほどの答えは
@あのん Aはな Bりお Cそら Dかなと Eらいと Fゆうあ Gみく Hるな Iここも
である。

一定の法則をまとめると、
法則@漢字の音の最初の一音のみを取る。
   例「愛」を「あい」と読まず、「あ」と読む。
    「心」を「こころ」と読まず、「ここ」と読む。
    「萌」を「もえ」と読まず、「も」と読む。
    「空」を「くう」と読まず、「く」と読む。
    「飛」を「とぶ」と読まず、「と」と読む。
    「歩」を「あゆみ」と読まず、「あ」と読む。
    「桜」を「おう」と読まず、「お」と読む。
法則A一文字でも読めるものをあえて二文字にして意味を豊かにする。
  例:「花」だけで「はな」と読めるが、「和」を加えて「なごみ」の「な」の音を加えて、「なは」と読ませる。
    「宙」だけで、「そら」と読めるが、「良」の「ら」の音を加えて、「そら」と読ませる。

Hはかなり凝っている。
 「月」はラテン語で「ルナLuna」という。それに、「渚」の「なぎさ」の「な」を加えて、「るな」と読ませている。
 これも法則@とAを用いているといってよいだろう。