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似て非なるもの
その1 「天安門事件」と「店屋物(てんやもん)事件」

 天安門事件は1989年、6月4日、天安門広場を中心に起きた。
 中国政府、人民解放軍による民主化運動に対する武力弾圧事件。

 「店屋物事件」は1996年、10月30日、群馬県立某女子校で起きた。
 お昼にある生徒が近くのラーメン屋に五目ソバを注文した。
 それは、出前かごをもったラーメン屋の店員が校内をうろうろしていたところから発覚したのである。事態を重く見た学校当局は臨時職員会議を開いた。
 「生徒が店屋物(てんやもん)を注文していいものかどうか」が議題だ。
 会議は紛糾し、午後の授業が始まっても一向に結論はでなかった。
 その間、ラーメン屋の店員はどうでもいいからだれか代金を払ってくれと請求するし、ラーメンはすでに直径5ミリにもふくれ上がっていたのである。
 とりあえず生徒指導主事が代金650円を払い、会議は続行されたが、それでも結論は出ず、ラーメンはのびつづけた。
 それを見かねたある教師から、のびたラーメンの処置に関する緊急動議が出され、事態はさらに紛糾したのである。
 現在でもこの問題は結論が出ず、最高裁までもつれることが予想されている。
 これが世に言う「てんやもん事件」である。

 しっかりこの二つの事件の違いを心に銘記したい。


その2 「言い残すことはないか」と「インノケンティウス3世」

 
インノケンティウス3世はローマ教皇の名前である。
 誰かの死に立ち会った時には、「何か言い残すことはないか」と聞かなければならないことになっているが、つい間違って「何かインノケンティウス3世」と言ってしまって遺族から追い出された人がいるので注意したい。

 
その3  「脱ぎましょ」と「ねぎみそ」

 これもたいへんよく似ているので注意したい。
 海などに泳ぎに行って、
 「さあ、みんなで脱ぎましょ」と言うところを、
 「さあ、みんなでねぎみそ」と言ってしまって、以来「ねぎみそ」というあだ名を付けられた人がいます。
その4 「ごきげんいかがですか」と「ごきぶり」

 これはちょっと変わったケースですが、二つのことをいっぺんに言おうとして二つの言葉がくっついてしまうことはよくあることです。
 「ごきげんいかかがですか」というのと、「ひさしぶり」という二つのことを言おうとしてあせったので、「ごきぶり」となってしまったのです。
 言われた方は、
 「え?どこどこ?早くとって!」と大騒ぎになったそうです。
 くれぐれも気をつけたい。
その5 「けじめ」と「けずね」

 これは本当に気をつけたい。
 この言い間違いは致命的なもので、それだけにまた誘惑の強いものである。
 だらしのない生徒を前にして、
 「おまえは本当にだらしがないな、もっとけじめをつけろ」と叱るつもりが、
 「もっと毛ずねをつけろ」と言ってしまったらもう取り返しがつかない。
その6 「馬は道草を食う」と「犬は道糞を食う」

 「道草を食う」とはもともと馬が横道にそれて草を食ってなかなかまっすぐ進まないことをいう。
 これは牧歌的な風景であるが、うちの犬は散歩に連れ出すと、他の犬がした糞を本当に食べるので嫌になってしまう。どちらも横道にそれてなかなか進まないことであるが、イメージが全く異なる。「草」は栄養になるが、果たして「糞」は栄養になるのだろうか。

 こどもは学校帰りにあっちこっちに道草しながらいろいろなことを学んだものだ。
 たまにはおなかの具合がわるくなって、道糞したこともあったかもしれないが、これはまた違う。