表紙オカルト研究


 16 いま、目覚めゆく あなたへ  マイケル・A・シンガー

あなたは「意識の中心」に住んでいる霊的な存在である。

「意識の中心」が「意識の中心」を見つめている。

それが本当の瞑想である。

自己の本性を見つめているとき、あなたは瞑想している。

一旦、意識自体を意識するようになるとき、あなたは全く異なる状態を獲得する。

あなたが意識の中へと引き返すと、この世界は問題であることをやめる。世界はあなたが見つめているものに過ぎない。変化はしつづけているが、それが問題であるという感覚はない。

「わたしは誰か」
「わたし」自身、それが答えなのだ。

エネルギーが必要とするのは、ハートを開くことと、受容的になることだ。

ハートを閉じそうになったら、
「いや私はハートを閉ざさない。リラックスして、なりゆきに任せ、付き合うつもりだ」と自らに言ってもらいたい。

サンスカーラとは、一見平衡状態にあるように見える、蓄積された過去のエネルギーパターンの循環である。
あなたが受け入れることに抵抗すると、そのエネルギーは行き場を失い、循環しつづけるんだ。

サンスカーラの覆いが分厚くなると、エネルギーが少ししかハートに入ってこなくなる。憂うつな気分になり、何ものも否定的に見えるようになりやすい。

ハートはエネルギーが通り過ぎる場所だ。このエネルギーはあなたを鼓舞し持ち上げる。
あなたがどれだけ豊かな人生を送れるかは、どれだけハートを開けるかにかかっている。

一旦、気持ちを鎮めて座り、蓄積されたエネルギーパターンと戦うことをやめれば、それは絶え間なく浮かび上がってきてはあなたの中を通りすぎてゆくだろう。

悟りはきわめて特別なことだ。だが、実のところ、悟りに集中すべきではない。代わりに光が妨げているあなたの作った壁に集中してもらいたい。あなたは光を遮る壁をうちたてておきながら、どんな目的で悟りを渇望するのだろうか。

自分の周りに張り巡らされている防壁を倒すのはそれほど難しいことではない。壁を維持し、防御することに参加しなければいいのだ。
あなたの思考の家が、無数の星からくる光の海の真ん中に建っているところを想像してもらいたい。あなたの意識がその家の暗闇に囚われ、あなたの限られた経験に基づく人工的な光にすがろうとしているところを想像してもらいたい。
ついでに、家の壁が崩れ落ち、解き放たれた意識が、今、存在するものや、つねに存在していたものの輝きの中に広がっていくところを想像してもらいたい。
そして、その経験に一つの名称を与えてもらいたい。これが「悟り」なのだ。

人生の選択はたった一つである。
「幸せになりたいか、それともなりたくないか」という決断である。
答えは無条件でなければならない。

あなたの人生の目的は、経験を楽しみ、それから学ぶことである。

出来事はあなたが幸福になるかどうかを決定しない。出来事はあくまでも出来事である。幸せになるかどうかはあなたが決めるのだ。

あなたが完全に無実なのに、刑務所に収監されたら、楽しんだほうがいい。楽しまなくても何も変わらない。
結局、楽しんでいれば勝ちなのだ。何があってもそれをあなたの遊びにしてしまって、幸せでいてもらいたい。

幸せでいたければ、ハートを閉じてはならない。何が起ころうと、たとえ妻が去り、夫が死んでも、ハートを閉じてはならない。

自分を開いておくということは、偉大な聖者や達人が教えたことである。
神は喜びであり、神はエクスタシーであり、神は愛であるとかれらは教えた。開いたままでいれば、持ち上げてくれるエネルギーの波があなたのハートを満たすだろう。

霊的な修練はそれ自体が目的ではない。あなたがハートを開いたままでいられるようになることを目指すものだ。

無条件の幸せを決意し、何事にも執着しないことを実践していれば、あなたのハートは浄化されるだろう。そうなれば内面の出来事に巻き込まれることがなくなる。

人が神に与えることができる最大の贈り物は、神の創造を楽しむことである。

神はエクスタシーであり、歓喜の高みにいる。神に近づきたければ、楽しむことを学んでもらいたい。

すでに起こったことに対して抵抗して何の益があるだろう。
こうした抵抗が途方もないエネルギーの浪費であることにあなたは最終的に気づくだろう。

問題やストレスを生み出しているのは人生の出来事ではない。出来事に対するあなたの抵抗である。

解決策は簡単である。抵抗するのをやめればいいのだ。

明晰な自己の場から行動するには、受容的な態度をもって事にあたらなければならない。受容とは、出来事が抵抗なくあなたの中を通り抜けられることを意味する。

あなたが格闘している相手は、ほとんどの場合、あなた自身の恐れや願望である。

抵抗を取り除くもっとも手っ取り早い方法はリラックスすることなのである。

一瞬一瞬を遺言として生きる。

人から得られる唯一のことは、人生を経験することによって生じる成長である。

極端なものについていかなければ、エネルギーは現在の瞬間に戻るのだ。そして、次の出来事が起こった時、あなたはそこにいる。
あなたはつねに現在の瞬間にいる。

何年間も太陽から隠れていて、ある日暗闇から出てくる決心をしたとしても、太陽は何事もなかったかのように輝き続けている。
あなたは謝る必要がない。
神の目を通して見れば、どんな悪党も美しく見える。