読解力とは何か
それは一言でいうと、「書いてあることをわかりやすく説明できる力」である。
それを少し細かく言うと次のようになる。
@主題説明(結局この文章は何が言いたいのか、何について書かれていたのかという問に対する答えを見つける力である。
二次元の文章を三次元から読む、つまり、段落構成などをふまえることによって盛り上がった部分などが見えてくる)
A理由説明(筆者はこのように書いているけれど、なぜそのように言えるのか、その根拠はどこにあるかを説明する力である。
どこかに書いてあればその場所を探せばいいわけだが、書いてない場合は、文脈から判断して自分で答えを作らなけ
ればならない)
B言いかえ説明(まとめの部分などには、筆者のひらめきなどによってある種の飛躍がある文章が書かれることが多い。
文脈をたどることによってその飛躍を補い、わかりやすく説明できる力である。)
結局これは「文章要約力」といいかえることもできる。
大学入試では、採点の客観性を保つために、これ以上のことは問題にできない。
これ以上のことは小論文などの別の形式によって試すことになるが、
小論文でも要約問題とセットで出題する傾向も増えており、採点者の側に勇気がない証拠である。
自分の主観で大胆に点数をつけることを避けているのだ。
どうやったら読解力をつけることができるか
日常的に、まとまった文章を読んで、何が書いてあったかをまとめる訓練が必要である。
最初は口頭で言わせてもよいが、きちんと文章でまとめさせることが絶対に必要となる。
その際、注意することは、対比を常に意識することである。
時間の対比、空間の対比などから始まって、複雑な概念の対比まで、見のがさないこと。
対比に沿ってまとめると、うまく論理的にまとめることができるからだ。
小説の内容をまとめる場合にも、この対比を使うと、「出会ったころは○○だったのに、結婚してから○○になった」などとまとめることもできる。
読解力をつける訓練には何を用いればいいか。
これは、大学入試問題を使うのが一番手っ取り早い。
ただ、年々長文化しているので、ちょっと読ませて見るということが出来なくなっている。
読むだけでもかなり時間がかかり、宿題にするしかないだろう。
大学入試問題で選ばれる文章の特徴
認識の枠組みの変更を要請する内容が多い。つまり、常識的にはこう考えられてきているが、本当は違うのではないか。
別の見方をすれば、こういう風に言えるのではないか、という新しい見方を提案する文章が圧倒的に多いです。
だから逆説的な文章が好まれる。
従って内容を読まずに選択肢だけ読んでも絶対に正解は得られない。常識で選んだら間違いになるからだ。
具体的な訓練の手順
あらかじめ、大学入試問題の穴埋め問題や漢字書き取り問題などは正解を入れて問題文を復元しておく。
とにかく、ねらいは読解力養成である。