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定額給付金を何に使うかという問題 2009.4.5


 定額給付金の請求書が届いた。振り込みにするので、銀行の口座番号などを書かされた。
この振り込みというのがとてもやっかいだ。
なぜなら、定額給付金は預金通帳の中で消えてしまうからだ。
消えてしまうというのはつまり、それまで積んで置いたお金と定額給付金との区別がつかなくなってしまうということだ。
区別が付かなくなってしまうということは、定額給付金で何を買うかという問題が問題として成立しなくなってしまうということだ。
例えば、定額給付金と同額の12000円を下ろして使うならば、確かにそれが定額給付金だと主張することもできないわけではない。
しかし、いったん通帳の中で混ざってしまったお金はもうどれが定額給付金だという区別は既になくなってしまっているのだから、
たとえ12000円下ろしたところで、それが定額給付金だと主張することはやはりナンセンスだ。無効だ。
だから、定額給付金で何を買うかという問題が成立しなくなってしまったのだ。

こんなことで悩むのは私だけだろうか。

しかし、これは重要な問題である。
ふってわいたこのお金をどう使うかは、我々の政治に対する姿勢をあらわにするものだ。
わーい、お小遣いがふえた。と単純に喜ぶのか、
景気回復という後付の目的に同調するのか、
断固拒否して福祉団体に寄付するのか、
などなど・・

ところが、そのお金が通帳に振り込まれた途端、貯金の中の一部に消えてしまい、
定額給付金を何に使うかという問題も同時に消えてしまうのだ。

たとえば、私は先日、くだらない本を一万円近くも買ってしまいました。
LEDに興味をもってしまい、電子関係の本をやたら買ってしまいました。
この散財にちょっと後悔しているものですから、こいつを定額給付金で買ったことにしたら少しは気が楽になるかと思ったのです。
つまり、定額給付金を前借りして本を買ったことにするのです。

そういうふうに考えていくと、定額給付金を何に使ったかなど、どうにでも言えるということです。

バカバカしくなって考えるのをやめました。

やはり、定額給付金はもらう前からすでになくなっているというのが正解です。