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頭がよいとはどういうことか


 2008.1.20
センター試験の会場まで生徒の激励に行って来た。
昨日の分の試験問題が新聞に掲載されている。
おふくろはそれを見て、あんな小さい字でよく見えるねという。
実際の試験もあの新聞に縮刷されたものと同じ大きさの字で印刷されていると思ったらしい。
記憶力が鈍くなるだけでなく、想像力も衰えてきているようなのだ。
現象をそのまま受けとめてしまい、「文脈」というものを参照しなくなっている。
常識という「文脈」。

そもそも試験とは、どのような能力を測るものだろうか。
「国語」の試験を例にとれば、それは「文脈」をとらえる能力だろう。
ある部分に傍線が引かれ、その部分の意味や説明を求める。
言葉はその部分だけでは意味をなさない。
つまりその部分(現象)をそのまま受けとめて、辞書的な意味だけを答えてももだめである。
前後の文脈を参照して、その文章固有の意味を読みとらなければならない。

空気を読むというのも「文脈」を読むということの世俗的な応用であろう。

限られた情報からいかに正確な意味を取り出すか、ということが「頭の良さ」なのだろう。
例えば、どの株が値上がりするかということから始まって、北朝鮮がどのように動くかというような外交戦略まで
現象だけ見ていては正しい判断はできない。
正確な「文脈力」を身につける。
そのために試験があると言ってもよい。

歳をとって、文脈力が衰えると、簡単に「オレオレ詐欺」にだまされるようになる。

文脈力と想像力とはどう違うか。
それについてはまた次回。