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自立するということ


 2007.12.23
働かない若者がふえている。
確かにふえている。
私が知っているだけでもとにかくたくさんいるし、ニュースなどに出てくる犯罪者の多くが働いていない若者だ。
銃乱射事件の犯人も働かずに父親の退職金で車や銃を買っていたという。
父親の財産を食いつぶすという放蕩息子の話は昔から珍しくはない。
しかし、そこにはそれなりの葛藤があって、一緒に仲良く同じ家で生活しているというようなことは考えられない。
だいたいが父親に勘当されたり、家を追い出されたりしたものだ。
それが普通の人間と人間の関係というものだろう。

なぜ父親は働かない息子を家から追い出さないのだろうか。
私にはそれが一番わからない。

親は自分が死んだときに、子どもが一人でも生きていけるように自立させなければならない。
それが親の唯一のつとめだと思う。

五体不満足に生まれても一人で自立できるように育てた乙武洋匡さんの親もいるのだ。
もちろん親は子どもを外へ突き飛ばし、追い出した後で血を流して泣いている。
しかし、それをやらないから、逆に本当に子どもに殺される。
なぜ自分を自立させてくれなかったのかと、自立できなかった子どもに復讐されるのだ。

親は絶対に子どもの世話にはならないという覚悟を持たなければならない。
子どもは必ず、学校を卒業したらもう親の世話にはならないという覚悟を持たなければならない。

その時はもう親子であって親子ではない。
人間と人間という対等の関係になっているはずだ。