身体計測の定番である、身長・体重ですが、両者の性格はだいぶ違います。身長は、その人の基準量とでもいうべきもので、成長期以後これを変えるのは非常に難しいことです。これに対して体重は、身長ほどには定まった量ではありません。たとえば、体重の数%の上下(1~2kgの増減)は多くの方が経験されることでしょうが、身長ではこういうことはまずありません。
そこで標準体重は、その人の基準量である身長に対して決まります。実際の計算にも身長を使います。実は計算しなくてもお役所や生命保険会社には「標準体重表」というのがあるのですが、せっかくですから有名な方法をいくつか紹介しましょう。
標準体重の計算方法としていちばん有名なのはこのやり方です。
(身長cm-100)x0.9
計算がシンプルでいいのですが、身長が低い人では低めにでるという欠点があります。そこで、身長の低い人を対象にさらにいくつかの方法が考案されています。
(身長cm-50)x1/2 (身長150cm以下が対象)
身長cm-100 (身長150cm以下が対象)
次にあげるのはWHOと肥満学会ご推薦の方法で、少し性格が違います。
(身長m)^2 x22
体重kg/(身長m^2)という量に、BMI(Body Mass Index)という名前がついています。BMIは22が理想とされていますので、逆に22を身長の2乗にかけて理想の体重を計算します。
身長の2乗という量は、体表面積、つまり消費カロリーに比例する量ですから、なかなか興味深い計算式です。標準体重から食事カロリーを求める根拠はこのあたりにあるのかもしれません。ただ計算自体は電卓がないとちょっと大変ですね。
それではみなさん、ひそかに標準体重を計算してみてください。
「くらしと医療」1995年8月号