なぜ血糖が高いといけないか

高血圧同様、糖尿病も血管をダメにする病気です。ただその仕組みは大分違います。

糖尿病(尿に糖のでる病気という意味?)というけれど、肝心なのは「血糖=血液中のブドウ糖濃度」です。血液中にブドウ糖が多いと血管には負担になります。この理屈を説明するのは難しいのですが、例えばこんな感じです。

前回は水道管に例えましたが、実際の血管はもう少し複雑です。今回は一番内側にセロハンの膜が貼ってある、やわらかいホースとしましょう。血液に直接接触するのはこのセロハン膜の部分です。

血液の「味」はだいたい決まっています。特に塩加減(業界用語では電解質バランス)はシビアで、許容範囲は非常に狭く、逸脱すれば即命にかかわります。甘さ加減(業界用語では血糖ですね)の方は多少融通がききますが、逆にこれが仇になってかなり「甘い」血液でも平気で循環させることができます。甘みが強ければ液体としては「濃く」なるし「どろっとして」きます。こういうのが繊細なセロハンの管をどんぶらこといけば、なんとなく膜が傷んでだんだんダメになりそうだって気がしませんか?、、、これが糖尿病です。

 
腎臓と眼においては血管が特に重要な役割をしています。かくてこの2つの大切な臓器は、高血圧からも糖尿病からも狙われることになるのです。


「くらしと医療」1996年6月号


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