核兵器絶対反対

8月には、やっぱりこの話をしないといけませんね。

核兵器は国際法違反です。しばらく前に、国際司法裁判所がそのような司法判断を示しました。

この「しかし....」以下のくだりのために、丸腰と批判する向きもあったようです。でも、それで片付けてしまってはせっかくの司法判断が生きません。ここにはすごく大事なことが書かれています。

まず、広島・長崎の原爆は明らかに国際法違反であったということ。1945年8月のアメリカが「国家の存亡がかかる自衛のための極限状況で原爆を使用したのではない」ことは、誰もが認めるところでしょう。ですから、原爆投下にはさまざまな理屈がつけられていますけど、この司法判断に照らせば、あれは国際法違反であったと明言できるのです。

第2に、核抑止論は極めてクロに近いということ。安部公房が「方舟さくら丸」で書いているように、攻撃相手国に核による報復攻撃の余地があっての抑止力です。核保有国が少数の超大国に限定され、かつ、核兵器の巨大化・高度化によって一撃必殺の先制攻撃が可能となった現代において、働いているのは相互作用としての抑止力ではなくて、単なる核による威嚇です。とすれば、抑止論に基づく核兵器の保有そのものが、国際法違反の疑い濃厚でしょう。

核保有国の代表も含めての論議から、この勧告的意見をまとめあげた国際司法裁判所、あんたはエライ(ふっ古い)。世界から核兵器がなくなりますように。


「くらしと医療」1998年8月号


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